和田岬線が黒字なのは、駅間が短く、線路設備の保守費用が低い上に、駅員が無配置であったり車両基地もないことから配置されている車両もないため、人件費そのものがかからず、経費が大幅に低減できることにあります（乗務員や車両の運用、施設の点検整備費用などは換算して計上されます）。 そして、それに加えて、JR線から和田岬線を利用しようとすると、兵庫までの距離と通算して計算されるため、運賃は2.7km分しか上がりません。 このため、乗車する駅によっては運賃が変わらない駅もありますし、定期運賃であってもそれほど大きく変わらなくなっています。 しかし、それを地下鉄線に乗り換えるとなると、例えば三ノ宮花時計前から和田岬であれば、新たに運賃が240円、通勤定期が1ヵ月9400円加算されることになります。 このため、企業としても人件費となる通勤手当を抑えるようにするためにも、和田岬線の利用を促しているというのもあるでしょう。 また、この和田岬線は鉄道車両メーカーの川崎車両が、新製車両を全国の鉄道会社に納入する場合の甲種輸送にも利用しており、廃線となれば車両価格などにも影響が出てくるため、和田岬線を利用して存続しなければならないという会社事情もあると思いますよ。