力というのは「矢印で表す」意外に、「言語で表す」ということができます。
その表現法は「○○が△△を押す(引く)力」とするのです。
そして、力の関係には
①作用反作用の2力
②つりあいの力
があります。
これらの力の共通点は「同一作用線上にある」ということなのですが、これが理解を妨げる原因になってます。特に力を矢印でしか表せない者にとっては、区別ができないんですね。
しかし、力を上述のように言語化すれば、その違いは明確です。
①作用反作用の2力
「○○が△△を押す(引く)力」←→「△△が○○を押す(引く)力」
つまり、国語文法で言うところの主語(○○)と目的語(△△)を入れ替えて表現できる2力が、作用反作用の2力です。これには例外が一切ありません。
ちなみに、②つりあいの力の場合は、主語(○○)はいくつあってもいいですが、目的語(△△)は常に”注目する物体”しか入りません。なので、つりあいの力は「”△△にはたらく”つりあいの力」と言われます。
ぜひ、力の言語化をマスターしてください。それさえ身に着ければ、どんな問題も一瞬で正解が出せます。
******
a.地球がリンゴを引く力
b.リンゴがテーブルを下向きに押す力
c.テーブルがりんごを上向きに支える力
d.地球がテーブルを引く力
この場合、「作用反作用の2力」は
b.リンゴがテーブルを(下向きに)押す力
c.テーブルがりんごを(上向きに)支える[=押す]力
ですよね? リンゴとテーブルが入れ替わってますので。
そして、”リンゴにはたらく”つりあいの2力は、
a.地球がリンゴを引く力……重力
c.テーブルがりんごを(上向きに)支える[=押す]力……垂直抗力
です。
また、”テーブルにはたらく”力は、
b.リンゴがテーブルを(下向きに)押す力
d.地球がテーブルを引く力……重力
の2つしかないですが、コイツらはつりあいの力ではないです。何が欠けているか分かりますか? テーブルは宙に浮いている訳じゃないですよね?
そう、テーブルは床に置いてあるはずです。
だから、「e.床がテーブルを押す力」というのがなければなりません。
その上で、bとdは下向きの力で、eだけが上向きの力です。だから、
「e=b+d」という関係が成り立たねばなりません。
この3つの力が、『”テーブルにはたらく”つりあいの3力』になります。
******
この問題に限らず、ヒトは言語化できるものしか理解できません。
逆に言えば、理解したいことがあるなら、きちんと言語化するように努めることで必ず克服できるんです。
計算問題の解説、ほとんど数式しかなければ理解不能な場合があるよね?
そのとき、式と式の間にあるべき「説明書き」を考えるんです。
あるいは、式で端的に表現されたことを、言語化してみるんです。
そういう”クソ面倒くさいこと”を意識してやっていけば、いつの間にかそうすることが当たり前なるし、回りのライバルたちよりも早く深くものごとを理解できるようになってきますよ!
どうぞ、がんばってくださいね!
以上、ご参考までに。