PCIe LANカードが取り付けられている状態でPCが起動しない場合、めちゃくちゃ多くの原因が考えられます。１個１個調べていきましょう。 ①BIOS設定の互換性問題 LANカードが使用するPCIeレーンや機能が、マザーボードのBIOS設定と衝突している可能性があります。BIOSに更新とCSMの切り替えは試されたという事で、それ以外にアプローチがあるか考えてみましょう。 ・PCIeスロットの設定を「Auto」または「Gen3」に設定します。 ③LANカード自体の不良または互換性問題 LANカードに不具合がある、もしくはマザーボードとの互換性が低い可能性があります。 ・別のPCにそのLANカードを取り付け、動作を確認します。（LANカードの故障確認） ・他社製LANカード（Intel製やRealtek製など）に交換して動作を確認します。（MBとの相性問題確認） ③マザーボードのPCIeスロットの故障 マザーボードのPCIeスロットに問題がある場合、LANカードが適切に認識されないことがあります。 ・他のPCIeスロットに挿し直して動作確認をします。 ・別のPCIeデバイス（GPUや他の拡張カードなど）を挿してスロットの正常性を確認します。 ④OSまたはファームウェアの起動エラー LANカードのファームウェアやドライバがOSの起動プロセスに影響を与える場合があります。 ・まずLANカードを取り外した状態でWindowsを起動し、最新のLANカード用ドライバをダウンロード・インストールします。 ・再びLANカードを接続したあとPCを起動し、デバイスマネージャーで認識状況を確認します。 ⑤I/Oリソース競合 非常にまれなケースですが、PCIeスロット間で割り当てられるI/Oリソース（IRQやメモリ領域）が競合している場合があります。 ・BIOSの「リソース割り当て」を手動で設定（例えば、LANカード用に固定のIRQを割り当てる）してみます。 ・BIOS設定で「PCIeデバイスの初期化順序」を見直します。 ⑥ブートに関する設定も、LANカードが影響を与えている場合に関係する可能性があります。（今回のケースですと、これが怪しい） PXE（Preboot Execution Environment）の影響 LANカードが「PXEブート」（ネットワークを介してPCを起動する機能）を持っている場合、マザーボードのBIOSが起動時にLANカードを優先的にブートデバイスとして認識しようとすることがあります。この場合、PCが起動プロセスで停止する原因となることがあります。 ・BIOSに入り、「ブートオプション」の設定を確認します。 ・PXE関連のオプションを無効化します。 ・一般的には「Network Boot」や「PXE Boot」の名前で記載されています。 ・「Boot Order」（ブート順序）からLANカードを外し、通常のストレージデバイス（SSDやHDD）を最優先に設定します。 ・保存して再起動し、症状が改善するか確認します。 ⑦LANカードがマザーボードの起動プロセスに干渉している 一部のLANカードでは、特定のマザーボードで互換性の問題を引き起こす場合があります。 たとえば、カードが起動時にエラー状態に陥り、BIOSが次に進めなくなることがあります。 ・BIOSで「デバイスの初期化」設定を確認し、LANカードの初期化を遅延させる（「Late Initialization」などの項目があれば試す）設定を有効にします。