原作での関係はそのまんま、メイドと主人の主従関係ですね。
有能な部下とそれよりも強大な力を持つが些事は信頼している部下に任せている主人。
創作物で見かけるテンプレートからそれほど外したものではないでしょう。
2人の過去は一切不明です。
幻想郷の外からやってきた。以上の確定している情報はほぼありません。
ツェペシュの末裔では”ない”ことは確定しています。
後は精々レミリアが英語で手紙を書く事から英語圏出身の可能性が高い程度でしょうか。
咲夜は更に謎に包まれており、ほとんど設定は存在しません。
一応作中では稗田阿求の執筆する幻想郷縁起内で、ホムンクルス説・実はゾンビ説・単に変人説など色々考察されていますが、最も”作中内で”有力なのは元吸血鬼ハンター説だそうです。
レミリアに負け、名を付けられたことで吸血鬼ハンターから運命が変わり、従者となった。という考察ですね。
ちなみに能力は空間を拡張したり、別時間の自分を云々してもう一人の自分と時間差攻撃を仕掛けたり、実は光速で動けたりと色々やりたい放題出来ますが、巻き戻す事だけは出来ないそうです。
咲夜がレミリアに忠誠を誓っていないのは初登場次点(紅魔郷)でのキャラ設定ですね。事実です。
大勢の妖精メイドが衣食住を目的に住み込みで働いているのと同様に咲夜も忠義ではなく、食い扶持の為に働いているとされています。
レミリアも前座として霊夢と戦った咲夜を指し、やっぱり、人間って使えないわね。と一蹴。
この時点では雇用主と被雇用者以上の関係性は窺えません。
その後の妖々夢、永夜抄と続いた紅・妖・永三部作。
ラストの永夜抄では咲夜単体ではなくレミリアとタッグを組んでの異変解決へと乗り出します。
その中でレミリアに対し咲夜は、私は一生死ぬ人間ですよ。大丈夫、生きている間は一緒に居ますから。と最大限の忠誠を示すことになります。
ここで一旦の関係構築は終了し、咲夜はレミリアの忠実な僕となり、レミリアも咲夜に信を置くことになった。という流れです。
では最後に性格ですが――
レミリアはわかりやすいですね。
強大な妖怪らしい尊大さに子供らしい感性。
特に面白そうなものに色々と首を突っ込んだりする性格のおかげで他の6ボスを務める勢力のトップ陣より書籍での出番に恵まれていますね。
紅魔館で豆まきを実施することを許容するなど寛容さと新しい物を取り入れる若い柔軟さもある一方、吸血鬼であり館の主らしく頭も切れる。
一方で謀を巡らせるタイプではないので、”大人顔負けに頭の切れる子供”というよりは、”有能だが子供らしい一面も強い大人”が表現として近いのかなというのが個人的な印象です。
咲夜はかなり評価が難しいですね。
というよりも、エピソードが多すぎるというか……。
言ってしまえばド級の奇人変人です。
珍しいものは身体に良いと考えているゲテモノ好き。良かれと思い毒物をレミリアに提供するレベル。
釣りが趣味で三途の川ですら釣りを計画する。ロッククライミングが趣味。
よく館でオオカミ男ごっこする。
森近霖之助からまだ主人のレミリアの方が話が通じるとまで言われてしまう。
弾幕花火評論の場で急に俳句を披露する。
魔理沙から八卦炉を盗む。
一方で平時では有能なメイドらしい振舞いは忘れない。
自己申告で十代後半と言っているものの、阿求視点からは何百年も昔の人間の様に感じるというミステリアスさ。
このせいもあってか、二次創作では普通に有能メイド、天然、実は意図してやっている腹黒、ハイテンションギャグキャラ、レミリアを弄るほんのりSのような様々な解釈で描かれますね。
実態としては不明な要素の多すぎる変人有能メイドと評価するしかないですね。
でも妖怪の山でロッククライミングするのだけはやめた方がいい。