そうですね。
ハルノートを受け入れて、中国やフランス領インドシナから撤退しても、日本は天皇を主権者とする軍事独裁国家のままでした。
天皇は軍の元帥で、軍の最も上の地位にいました。天皇=軍なんですよね。
なんだか、「軍と天皇は別だ」などと講釈垂れる方がいらっしゃいますけど、明治憲法を読めばそうなります。
天皇に戦争責任がなかったと言いたい人が、事実をごまかそうとしているのでしょうね。
しかし、当時の日本が遅れた国(非法治国家)ではなかったというのなら、明治憲法に従って、「天皇=軍」と解釈するのが当然です。
日本が中国東北部を含むすべての中国とフランス領インドシナから撤退したのなら、アメリカが日本と戦争する必要は一切ありませんでしたので、その後、日本がフィリピンやマレー半島に侵略しなければ、戦争にはなりませんでした。
ところで、「日本は、マレー半島やフィリピンにも侵略しなかった」という設定で良いんですよね?
中国やフランス領インドシナからは撤退するけど、マレー半島やフィリピンには侵略するというのなら、アメリカイギリスと日本は戦争になります。中国フランスとは戦争にならないかもしれませんけど。
ということで、日本はフィリピンやマレー半島にも侵略しなかったという前提で行きましょう。
その場合は、日本はアメリカイギリス中国と戦争にはなりませんので、敗戦しません。敗戦しないと、天皇主権のまま、基本的人権もありません。身分制度も残り(私の祖父は士族で、敗戦前は士族待遇を受けてました。天皇に仕えることができたのが、士族特権だと思います。)、治安維持法が支配する(天皇のために)、恐怖政治の国でした。
天皇は自分が日本の主権者であることに大満足なので、国民主権にしようだなんて、ちっとも思いません。よって、天皇主権のまま、ずっと今まで続くことでしょう。基本的人権や、法の下の平等などありません。男尊女卑で、女性には選挙権がなく、経済は財閥に独占された不健全な状態で、日本の経済が戦後のように発展することはなかったでしょう。
戦後、日本の経済が発展できたのは、アメリカのおかげですからね。
財閥解体・農地改革・独占禁止法・JIS規格の導入など日本の経済の民主化をアメリカ主導で行ってくれました。
それにしても、「敗戦前の日本は民主国家」には、驚きますね。天皇主権の軍事独裁国家でしたよ。民主主義などかけらもありません。