アシストと言うとエースの脚を温存させる捨て駒みたいなイメージしてるのかもしれませんが、強いスプリンターが居るチームなんかだとスプリントステージではエースがアシストになることもあるんですよ。その逆もしかりです。 例えばアルペシンのエースはマチュー・ファンデルプールで、UCIロードレースでアルカンシェル(金)を取った選手ですが、ツール・ド・フランスのスプリントステージではヤスペル・フィリプセンのアシストをやってます。 3週間に渡って走り切るツール・ド・フランスに代表されるグランツールでは1チーム8人しか出れません。1度でもリタイアしたらそれ以降走れないのでメンバーは欠落していきます。 こういった大会で優勝争いする場合チームの層の厚さが物を言います。 2022年ユンボヴィスマはツール・ド・フランスでログリッチをエースとしてましたが、第5ステージでログリッチが落車しタイムを大きく落としユンボヴィスマは作戦変更を余儀なくされました。 ユンボヴィスマは層が厚いチームです。ログリッチだけではなくスプリンターでありオールラウンダーなワウト・ファンアールト、2023年でブエルタを優勝したセップ・クス。そして2022年、2023年ツール・ド・フランスを2連覇したヴィンゲゴーが居て、ログリッチが脱落するにあたってエースの代理を誰が務めるかでヴィンゲゴーとワウトが一触即発になりましたが、結果的にヴィンゲゴーが勤め上げたというわけです。 2023年段階ではヴィンゲゴーよりもログリッチの方が年俸は上でした。 2024年にログリッチは移籍してしまいましたけどね。 なのでチーム戦である以上、結果的にタイムを残すために優先順位が決まっていて次席エースも存在しています。 それとは別にポイント賞や山岳賞を狙う選手もいます。チームメンバーの人数自体に限りがあるので最初からアシストが仕事って選手は居ますが、結果的に作戦上アシストになる選手もいます。エースがいなければ代理で入らなくてはいけない選手も存在するので実力(実績)に応じて報酬が多いわけです。そしてワールドチームとは言え格付けはあるので、格落ちのチームのエースより上位チームの選手の方が年俸が上なことは普通にありますよ。 2023年の年俸TOP10でヴィスマではエースではないワウトが3,500万ユーロですがスーダル・クイックステップのエースになるレムコ(2800万)、チームイネオスのTOP2になるロドリゲス(2500万)、ベルナル(2500万)よりも上です。 2024年レムコはかなり実績を残したので年俸はかなり上がるでしょうけど、オリンピックで金を取れたのは同じベルギーチームだったワウトのアシストが光ったことも一因でしたけどね。 https://en.brujulabike.com/best-paid-cyclists/