山本五十六に限らず明治以降の近現代の軍人をNHK大河ドラマにすることはかなり無理があるでしょう。 1，大河で取り上げられやすい人物と異なり行動の大半が他人や国家の命令に基づくものなので、リアリティを追求したら面白くないし、面白さを追求したら大河ドラマの主旨から外れたファンタジーになる。そんな人物の一生を描いてもかなりグダグタになる。 2，取り上げられる本人に会った事がある人が生存している場合があり、描写によっては利害対立を起こす危険がある。 3，2に関連して明治以降の有名人はかなりの割合で明治維新推進側（鹿児島、山口、高知、佐賀）と賊軍呼ばわりされた東北・北陸側（特に新潟、福島）の対立が起こり、片方を描くともう片方から苦情が出る。その意味では旧幕臣の渋沢栄一を取り上げたのはかなりの博打だった。 4，明治以降の軍人をヒーローめいて描くと諸外国からの反日を煽る。 5，誰の著作を原作にするかで賛否がかなり割れる。特に昭和の海軍軍人を主役にした作品はかなりの割合で海軍善玉論・陸軍悪玉論に偏っているのでNHKで採用しずらい。