あいつらの結びつき、ただの「似たもん同士」じゃねえ。もっと深ぇ政治の算段が絡んでんだ。 まず、ムッソリーニっつうのはファシズムの親分だ。あの時代、労働運動とか社会主義運動なんてのは、国家っつうシマを乱すヤカラだと思ってた。だから容赦なく鎮圧して、自分の支配体制を固めたわけだ。でもな、ナチスの親玉ヒトラーも似たような考えを持ってた。労働者運動は潰して、自分の国家に忠誠を誓わせる。それが二人の「意気投合」のスタート地点だ。 んで、お互い世界恐慌の煽りを食らって苦しんでた。ムッソリーニのイタリアも「持たざる国」だったし、ドイツも第一次大戦の賠償金で血反吐吐いてた。この状況をひっくり返すにはどうする？お互い手を組んで、他の大国にケンカ売るしかねぇって話よ。共通の敵、イギリスやフランスってのも、二人を繋げた理由の一つだ。 でもな、ムッソリーニにとっちゃ、ヒトラーとの同盟も計算づくだ。あいつはナチスが力を増していくのを見て、ドイツに引っ張られて自分の立場が良くなると思ったわけだ。最初は「俺がファシズムの先輩だ」みてぇな態度だったけど、時間が経つにつれ、だんだんドイツの威勢に押されるようになった。ま、ここら辺がムッソリーニの限界だったな。 結局、イタリアとドイツが手を組んだのは、似た境遇だけじゃなくて、お互いの利害が一致したからだ。ただし、それが「力の均衡」を保つもんじゃなくて、むしろイタリアがドイツに飲み込まれてく過程でもあったんだよ。