名前はないですね。
あえて言えば、「右手」。
意味は、5線内で、L記号で指定した範囲の音符は右手で弾いてね、です。
なので、下段の最後の音は右手で弾きます。
また、下向きのL記号の場合は、左手で弾いてね、という意味になります。
通常は、上段を右手、下段を左手で弾くので、ここだけ別の手で弾いた方が
良い時に、L記号が使われる場合があります。
他にも、
「m.d.」・・・mano destra(マーノ・デストラ)、イタリア語で右手。
「m.s.」・・・mano sinistra(マーノ・シニストラ)、イタリア語で左手。
「m.d.」・・・main droite(マン・ドロワット)、フランス語で右手。
「m.g.」・・・main gauche(マン・ゴーシュ)、フランス語で左手。
「r.h.」・・・right hand(ライト・ハンド)、英語で右手。
「l.h.」・・・left hand(レフト・ハンド)、英語で左手。
というような記号が使われる場合があります。
また、さらに、
音符の棒を上向きは右手、下向きは左手というように書く作曲家もいます。
ベートーヴェンの曲に多いですね。
で、上記の画像では、L字で右手を指定していますが、
この楽譜自体が、ト音記号2つなのか、ヘ音記号2つなのか、それとも、
ト音記号とヘ音記号の組み合わせなのかわかりませんが、
ト音記号2つ、または、ヘ音記号2つの場合は、手を交差して弾くので、
次の小節が、ト音記号+ヘ音記号に変わったりすると、左手を大きく
移動させないといけないので、最後の音だけ右手で弾いて、左手を
移動させる時間に使ってね、という親切心で書かれた記号と思われます。
なので、どうしても右手で弾かないといけないわけではないと思います。
ト音記号+ヘ音記号の場合でも、次の小節がかなり低音の音だと、
左手の跳躍が大きくなるので、その移動のために右手で弾くという
意味で捉えることはできるかなと思います。
いずれにしろ、こういう音型では、こういう指示はあまり見ないですね。
ある意味、L記号があることで、余計なお世話的になっている
かもしれません。
結構、どちらの手で弾くかは、演奏者に任させることが多く、楽譜で指示
されることは少ないです。
楽譜の音型を見る限り、音がシンプルなので、恐らく、初級者向けの楽譜
なので、親切にどちらの手で弾いたら、弾きやすいかを書かれた可能性が
高いような気がします。