民主化・自由化に伴う混乱が生じた時にエリツィンが強権でひとまずまとめました。 しかしその体制には不満も強く、それを引き継いだプーチン政権は更に強権的になっていったのです。 またソ連時代に官僚制度が極端に肥大化しており、ロシアでは起業するだけで何百という役所の窓口に書類を提出せねばならず、新製品を開発しても同じく役所の窓口をハシゴする必要があります。 当然、ロシアでは企業の新規開発意欲は極めて低く、軍事や原発などの国策企業を除く民間企業の研究開発費はGDP比で日本の1／10以下です。 この非効率的な体制は実はプーチン大統領の権力基盤でもあります。 プーチン大統領に逆らうものは官僚が認可しなくなるので、経済活動などが出来なくなります。 許認可が複雑怪奇なので幾人か買収したぐらいではどうしようもないのです。 これでプーチン大統領は自分に逆らうオリガルヒを屈服させたのです。 しかし当然ながら許認可を簡略化するのは官僚の既得権を侵害する事になり、プーチン氏に逆らうものにも自由を与えます。 だから官僚の既得権はロシアでは誰も手出し出来ない聖域となり、アメリカのような自由な経済活動も出来ないのです。