設問というのは、設問の対象のあらゆる側面を説明するものではないので、出題としては一応適切な範囲かと思います。 ただし、歴史学的な説明というよりも、条文の内容を文字通り解釈した、正史的な説明であり、批判的な事実解釈能力を養うという歴史教育の観点からは、このような設問だけで教育の効果をはかるのは十分とはいえません。 さらに、この設問だけで終了する場合は、正史的な解釈を事実として鵜呑みにする態度が生徒に求められているという暗黙のメッセージが込められていると生徒が受け取る可能性が高いため、国家的な教育目標に反する態度である可能性があるとさえいえましょう。 また、正史的な説明を重視する立場だとしても、「武装解除した日本を外国勢力からの軍事干渉から守る」という条文にも記された具体的な論点が欠如した抽象的な説明にとどまっており、補足の質問が望まれます。 国会審議経過 https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000044682 1951年条約 https://ja.wikisource.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%96%93%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E6%9D%A1%E7%B4%84 1960年条約 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku.html