母:「あれほど賢い人達が、何らかの陰謀なしにこんなバカな政策をやって、しかも国全体が迷惑するなんて、なにか陰謀が有るに違いない。製品なんかもこんなバカなことしたら使い物にならなくなるってわからなかったのだろうかというのが多い」
俺:「つまり、母さんは、『それをやってる人たちが賢い』という前提で、かつ、『もしそれが賢い人の所作ならば、破壊の陰謀である蓋然性が高い』」と考えているのだな。
母:「1つや2つならいざしらず、最近ことごとくではないか。そんなことは『全員が共通の陰謀に従っている』」としか思えない。
俺:「この推論は非常に科学的で正しい。確率推論をかなり正しく使えている。確かに、現実論として、それなりの試験で選ばれたエリート集団がこうもたてつづけにお馬鹿なことをあっちこっちでやらかしてるのは著しく不自然だ。
母:「やはり、陰謀が有るに違いない」
俺:「ところで母さん、僕が『会社でアホな決定が多い』とぼやいたときに、『まあ、喧嘩してもしょうがないから否定しないほうが出世する』といったよね」
母:「言った」
俺:「僕もまぁまぁエリートだけど、じゃあ、殆どみんなが、異論を挟まずにまぁいいかで自分の点数を稼ぐことだけを考えたらどうなる?」
母:…
俺:「まぁそういうことだよ。エリート集団を構成しているのは僕と同じような、下手したら母さんのほうがしっかりしてるような人間ばかり。それで、気概を持って喧嘩してでもアホなことを止めるような喧々諤々の議論でもあれば、まあ、大企業病もおさまるだろうけどさ、どうせ10年務めるかわからないから、まぁ上の覚えをめでたくして成果評価をあげようと思ったら、逆らわずに上の思いつきを曲がりなりにも実現して勝ち星取ったほうがいいでしょ?それが世界中で起こってるとしたら?」
母:…
まあ、こういうおかしな風土の形成に何らかの陰謀や工作があった可能性は全否定できん。