そもそも教育委員会は、なるべく動かない事を目的に設置された物なので、目的に沿って対応をしていますよ。
一応歴史的な経緯からですが、大日本帝国憲法があった時代は、学校の事は学校だけで決める事が出来ました。
が、それだと、トップが間違えたりすると、全員で間違った方向に突き進んでしまいます。
なので、第二次大戦後に教育委員会という制度が作られて、学校以外も含めて様々な分野を担当する組織となりました。
具体的には、古墳も陸上競技場も公営図書館や公民館も、全て教育委員会の業務になりました。
その上で、異なる分野の専門家の多数決で物事を決定する。という事で、特定の分野の人だけで決定して誤った方向に行かないようにする。という事が制度上確立された訳です。
例えば、「学校にクーラーを設置すべきか?」という場合には、古墳分野の教育委員や、陸上競技などの担当委員が、「それは必要だ」と他分野の人達が賛同したらそれが設置できる。という仕組みにした訳です。
でも公民館担当は「学校よりも公民館だ」と言いますし、郷土資料館担当は「学校よりも郷土資料館だ」という訳です。
が、死亡事故があったりした時に、公民館担当や郷土資料館担当が、「図書よりも命だ」とか「資料よりも命だ」と、なった場合にのみ、各分野の賛同があったので、クーラーが設置できる。という事になる訳です。
教育委員会という組織が、意図的に、時間をかけてじっくりと検討して、様々な分野から見て了承された場合にのみ行動を起こせるようにする。という事の為に用意されています。
全ては過去の失敗からそうなった訳です。
確かに教育委員会は意思決定が遅い訳ですが・・・
昔のように、トップダウンで直ぐに決定できるように制度改正する事は出来なくはないですが、トップが間違うと間違った方向に突き進む。という過去の失敗が再来する危険はありますよ。
あえて時間をかけて色々な視点から判断する為に設けられた組織なので、むしろ設置目的を明確に守れている組織にはなりますよ。
ちなみに・・・現在は合議制な訳なので、例えば学校側がヘンな暴走をしようとしてもできません。
例えば、学校にスマホを持ち込んだら罰金1万円。というルールを学校教育の委員が作ろうとしても、古墳担当とかが、社会常識的にそれはヘンでしょ。と、反対するので、そういう事も制定できません。
全然違う分野からの視点が、意味がある時と、そのせいで遅くなる時とがあるので、一概には言えない部分にはなって来ますよ。
仕組みとしてはそんな感じですね。
長くなりましたがとりあえずはこの辺で。