古代中国では、生肉や生魚を細切りにして食べる風習があったそうです。膾という食べ物でした。 秦漢の頃に、生肉は廃れ生魚を食べるようになったようです。 日本の刺身や朝鮮半島のユッケは、古代中国の食べ物が現在まで残ったもののようです。現代の中国人は一般的には生肉や生魚は食べませんけど。 ということで、漢初なら、豚肉を生で食べるのは、それほどおかしなことではなかったのかもしれません。現代的な知識では豚肉を生で食べるのは、寄生虫や肝炎ウィルス、サルモネラ菌、カンピロバクターを取り込む可能性が高いので、全く勧められませんけど・・・。樊噲は犬の肉を売る肉屋を営業していたので、豚も自分で上手に捌くことが出来て、自分で肉を切って食べたとのことです。 項籍は樊噲に酒を大量の飲ませたりなど、樊噲の豪傑ぶりを試しているのは間違いないと思います。項籍に酒を飲まされるかどうか事前には分かっていなかったので、樊噲がお酒に強い体質で良かったですね。下戸だったら急性アルコール中毒で死んでしまったかもしれません。樊噲は「死をも厭わない」と言っていますし、生の豚肉も寄生虫を理由に断ることは不可能でした。 樊噲はその後健康だったようなので、豚の生肉の寄生虫や菌やウィルスも大丈夫だったのでしょう。