問題に樹木が、鉢植えではなく、初めから植えてあった、あるいは自然に生えていたという前提でお話しします。
「階下所有の樹木」とのことですが、そこは疑問です。というのは、分譲マンションの敷地内の樹木は、たとえそこが専用庭であっても、共用部分の扱いになるからです。
共用部分ですから、その管理(伐採や剪定、薬剤散布など)は当然、管理組合がやらなければならない業務になるはずです。
ところが、管理組合も管理会社も、そこらあたりを勘違いしている可能性があります。というのは、規約に専用使用部分(バルコニーや窓、専用庭など)に関しては、通常の使用に伴う管理は専用使用権を有する者の責任と負担において実施しなければならないという規定があるはずです。問題は「通常の使用に伴う管理」の範囲に樹木の伐採や剪定が含まれるのか否かということです。
たとえば、国交省が発表している標準管理規約では、清掃や窓ガラスの入れ替えなどは「通常の使用に伴う管理」として例を挙げているのですが、「樹木の伐採や剪定」は例に挙げていません。
ここに規約の解釈を勘違いする問題点があるわけですが、たとえば、専用庭の雑草を引き抜いたり自分が植えた草花の世話をしたりするのは、当然「通常の使用に伴う管理」の範囲に入ると思いますが、初めからある樹木の剪定は、その範囲を超えていると思われます。というのは、樹木の伐採や剪定は、マンション全体の美観に関わってくる問題なので、個人が勝手にやることは許されないからです。それは、たとえば各戸の玄関ドアの外側(共用部分であって専用使用部分)を勝手に色を塗りかえたり取り換えたりできないのと同じです。
ですから、まずこの点を管理組合に確認しないと、管理組合と専用庭の使用権者との間の責任の押し付け合いばかりで、一向にラチガ開かないと思います。
もし法的手段を執るならば、階下の人ではなく、管理組合ということになると思います。