ルソーは小国・スイス（昔は、ジュネーブ共和国と言っていましたが）の生まれで、貧しい育ち。 で、１７～１８歳ころ、スイスを飛び出してフランスの貴族の女性のヒモになったりして食べていました。 ちょっと変態で、若い女性の前で、おチンチンを露出したものだから、いまでいう「公然猥褻罪」で捕まったりしました。 フランスは階級社会で、上昇志向のルソーには階級的に登れない、それで恨んで、「自然に帰れ！」といって、古代では、みんな自然状態で、平等だった、そして絶対主義はその王権を神から授けられたと言っているが、とんでもない、自然人が互いに契約して王権を設立したものに過ぎない、と言いました。 一般庶民を個別意志とすれば、国王は一般意志、そしてその一般意志は個別意志の承認によって設立されたもの、今のルイ15世を国民が承認したものではない、と言って批判しました。 この個別意志と一般意志の考えはルソーの生まれた小国スイスの直接民主制を念頭に唱えられたもの。 今でもスイスは村人の全員が広場に集まり、みんなで村の方針を討論して、賛成多数でそれを決めています。 個別意志とは、その村人のこと、そして一般意志とはその個別意志で決定することを擬人化して一般意志と言った。 あたかも一人で決めたように。 このルソーの思想がフランス革命の理論的支柱になりました。 国民国家と言われるフランスのそして諸外国の共和制の理論でもあります。 今の日本も同じです。 天皇によらず、国民主権で、国民よって選ばれた代議員による間接民主制。 だけどルソーの個別意志・一般意志は「諸刃の剣」です。 ファッシズムの理論としても使えます。 ドイツの独裁者ヒトラーは自分は賛成多数で選ばれた一般意志だから、人びとは私に従わなければならない、と、言いました。