書類上の「形式的引渡日｣以降に、手直し工事などがあって、工事業者が引き続き現場に出入りすることは、結構よくある話で、その場合、｢実質的引渡日｣が、大きくずれ込むこともあり得ます。 書類上で行くか、実質上で行くかは、臨機に取捨選択しても良いのです。 しかし、何らかのトラブルが発生した場合、常に｢実質的引渡日｣が基準となりますから、「形式的引渡日｣と｢実質的引渡日｣は、厳密に一致させておくべきです。 実質的引渡が行われたか否かは、｢鍵の引渡｣があったかどうか、などという単純な行為だけで判定されるわけではありません。 もちろん、金銭の支払いは終わっていなければならず、現場の実質的な管理状態も業者から施主に移管されていなければなりません。 最も単純に言えば、業者や職人の出入り、何らかの作業には、すべて施主の許可が要るということです。 業者が勝手に出入りするようでは、書類上はともかく、実質的引渡しは終わっておりません。