頭部に当てても狙ったのではないと判断されれば退場になりません。
頭部に当たらなくとも狙ったと判断されれば退場の対象になります。
要するに、命中したか否かは関係なく、打者を狙ったのかどうかだけが判断基準となります。
狙って投げたかどうかは当人しかわからんだろ、という意見もあるでしょうが、そこは審判の判断によって決定することになります。
以下、野球規則より、
8・02 投手は次のことを禁じられる。
(d)打者を狙って投球すること。このような反則行為が起きたと審判員が判断したときには、審判員は次のうちの何れかを選ぶことができる。
(1)その投手またはその投手とそのチームの監督とを試合から除く。
(2)その投手と両チームの監督に、再びこのような投球が行なわれたら、その投手(またはその投手の後に出場した投手)と監督を退場させる旨の警告を発する。
審判員は、反則行為が起きそうな状況であると判断したときには、試合開始前、あるいは試合中を問わず、いつでも両チームに警告を発することができる。
・・・〔省略〕・・・
【原注】打者を狙って投球することは、非スポーツマン的である。特に頭を狙って投球することは、非常に危険であり、この行為は許されるべきではない。審判員はちゅうちょなく、本規則を厳格に適用しなければならない。
ちなみにプロ野球は、アグリーメント(申し合わせ事項)にて次のようになっています。
「投手の投球が打者の顔面 、頭部、ヘルメット等に直接当たり、審判員がその投球を危険球と判断したとき、その投手は試合から除かれる。頭部に直接当たった場合でも、審判員がその投球を危険球とまではいえないと判断したときは、警告を発し、その後どの投手であろうと再び頭部に当たる投球を行ったときは退場とする。危険球とは、打者の選手生命に影響を与える、と審判員が判断したものをいう。」
ですので、頭部に命中しても、スローボール等の危険な投球でなければ、そのことだけを理由に退場になることはありません。
また、このアグリーメントは8・02(d)の野球規則を否定するものではなく、当たらなくとも故意に打者を狙って投げたと判断されれば同様に退場の対象となります。
要するにプロの場合は、
(危険と判断された球を)頭部に当てたら、狙ったか否かを問わず退場になります。
頭部に当たらなくとも狙ったと判断されたら、当然のこと退場の対象になります。
なぜ、プロ野球にのみ、このようなアグリーメントがあるかと言えば、プロは投球の威力が凄いことと、わざと狙った(と思われる)行為が過去に横行したことがあるから、危険な頭部死球は無条件で退場にしようと申し合わせが行われたのです。