Paya Lebar @Singapore:風に吹かれて Ⅲ:SSブログ
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Paya Lebar @Singapore [Singapore]

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―DAY6― 6月21日

日曜日ということで、休日の友人たちと待ち合わせ、軽くランチを摂ることになった。

普通に集い、普通のホーカーズで、普通の昼食。
テーブルにつくと「ナニ食べたい?」と聞かれたので「ホッケン・ミー(福建麺)かな?」とだけ答えた。
特別なものが食べたいわけではなく、日本で食べられないものを食べたいのだ。

「OKラ~」

友人はシンガポール訛りでそう返事すると馴染みのある店に注文を入れ、
ついでに他の店に足を運び、なにか見繕ってくれたらしい。
もう一人はタバコを吸いにホーカーズの外れに向かっていた。
シンガポールでは喫煙規制はとてもキビシイ。
屋内ではモチロン吸うことができず、屋外のホーカーズでも線が引かれた決められたワク内でしか吸うことができない。
さすが「罰金王国」、キビシさは日本の比ではない。

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一人おとなしく座っていると、テーブルに飲み物の注文取りがやってきた。
ホーカーズでは飲み物屋に自分で買いに行くのもアリだが、注文取りに頼む方式もあるのだ。

「『バリー』xリャンペイ、『テ・ペン』xイーペイら~」

元在住としてはこれぐらいは中国語で注文できる、って言葉の半分以上が中国語じゃないけど。

「Barley(バリー)」は大麦のジュース、米のとぎ汁や韓国の「シッケ」を甘くしたような口当たりで、
ちょっと薄ボケた感じの飲み物、日本人にはちょっと合わないかも。
カラダの熱を取る、という効果があり、好んで飲むシンガポリアンは多い。
中華系は「カラダを冷やす」ことを気にするので、真夏でも熱い中国茶を飲む人も多いですけどね。

こちらはバカの一つ覚えで「アイス・ミルクティ」、なんなら氷多めでガンガンカラダは冷やしたいのです。
ホーカーズのコーヒーはちょっと好みでないので、こいつを常飲している。
濃いめの紅茶に沈殿するほどコンデンスミルクが入っていて、飲むだけで太りそうな甘さだが、
けっこうヤミツキになるので、来星の際は一度お試しを。
ちなみにお土産にスーパーでリプトンの「3in1」インスタント・ミルクティなんてのもオススメですぜ。

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飯食って戯話をして、サラっと解散した後は写真を撮るため、街をブラついていると電話が鳴った。

「今日、仕事早く終わったからご飯食べに行かないか? ドコにいる?」

滞在先の友人からのお誘いコール、待ち合わせ場所と時間を聞いて、電話を切った。
滞在しているといっても、彼は仕事があるのでホトンド一緒にナニカをする、ということはないのだ。
「シンガポールにいる限り、心配することがない」という彼の言葉通り、
ほったらかしにしてもらっているのはある意味、コチラも気楽で助かっている。


無目的に街ブラを続け、陽が落ち、写真が撮れなくなったので、MRTで『Paya Lebar(パヤ・レバ)』駅を目指した。

『パヤ・レバ』自体は有名なスポットがあるわけでもないので、あまり足を運んだことがない。
いわゆる色町・ゲイランの東側にある駅なので、おいしいレストランでも多いのかな、と思いつつ、
再開発の工事が激しい駅前からほど近い『シティ・プラザ』を目指した。

古いタイプのショッピング・モール『シティ・プラザ』の前の水路沿いの公園ではシートを広げたグループが寛いでいる。
熱い国ならではの夕涼みの情景、とくに今日は日曜なのでグループの数が多い。(写真2)

異国の労働者や出稼ぎの人たち、あるいは「アマさん」と呼ばれるお手伝いさんなどは、
エアコンなしの部屋に住んでいることが多く、涼しい場所でちょっとしたグループ、小さなコミュニティを作り上げていたりする。
かつてこの国にいた時は日曜となると高島屋の入口前の階段にフィリピン系が集っているのをよく見かけた。
扉が開くたび、エアコンの風が吹き抜ける階段前が彼らコミュニティの集い場所だったようで、
別のデパートにはインドネシア系が集まっていたりした。
どうやらこのエリアではアラブ系の人たちが集っているようだ。

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モールの中は半分近くの店が閉まっていて、表の公園のニギヤカさと比べると覇気がない。
シャッター商店街ならぬ、「シャッター・モール」状態、古いタイプのモールはこうして衰退していくのか。
人けも少ないのでロビーのマッサージ・チェアに腰かけ、文庫本を広げ、汗を引かせ、友人が現れるのを待った。

しばらくすると電話が鳴り、友人夫妻が現れた。

「ごめん、パーキングが混んでいて」

「無問題(モー・マンタイ)、ここはエアコンが効いているからモーマンタイら~。ところでナニ食べるの?」

「すぐそばにヴェトナム料理の店があるんだ。ヴェトナムの人がやっていて、そこがおいしいんだよ」

結婚後はヴェトナム人の奥さんが時折、食べたがるらしく、彼はすっかりヴェトナム料理店に詳しくなっていた。
大通りを渡ったところに店はあり、表のテーブルはたっぷり混んでいた、う~ん、ここも店の敷地なのかい。(写真4)

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「中しか空いてないらしいけど」

「いや、中がいいよ、エアコン効いてるもん」

「賛成、賛成」

遅れて合流してきた彼の息子もこちらの意見に乗っかってくれ、店内のテーブルにつくことに。

「なに、食べる?」

「こういう店はヴェトナムの人に任せます~、なんでも食べるから無問題」

「ダイジョウブ、この人、ホントになんでも食べるから」

友人がそういうと奥さんが手際よくオーダーを入れる、ヴェトナム人の店員に当たり前のようにヴェトナム語で。
テーブルと厨房の間をヴェトナム語が飛び交う間、3人の男はキョトンとしていた。

そしてテーブルを埋めたヴェトナム料理との格闘の時間、
4人であれがウマイ、これがオイシイ、と言い合いながらニギヤカな晩餐が続いた。

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「Ngon(ゴーン=おいしい)だねえ~」

そういうと奥さんと店員が驚きながら喜んでくれた、ヴェトナム縦断で覚えた貴重なヴェトナム語が役立つとは。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-09-23 (ヴェトナム縦断記)

「よく覚えていたね、ヴェトナムの言葉。このシンガポール人はダメね~、教えても忘れちゃう」

二人のシンガポリアンを前に彼女は頼んだココナッツを飲みながら、そんなジョークで攻撃して和ませる。

「じゃあ、デザートはドゥリアン(現地ではこう発音する)でも食べに行こか?」

風向きの悪くなった彼がそんな風に逃げを打った。


City Plaza


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