認知症介護情報ネットワーク(DCnet)>若年性認知症について

DC博士のワン・ポイント

若年性認知症について

はじめに

若年性認知症とは?

 認知症は「もの忘れ」や「遂行機能(段取りを立てて行動する)障害」など認知機能障害を起こす病気の総称で、一般的には高齢者に多いのですが、65歳未満で発症した場合には「若年性認知症」と呼んでいます。
 高齢者であっても若年者であっても、病気としては同じであり医学的には大きな違いはありませんが、「若年性認知症」として区別するのは、この世代が働き盛りであり、家庭や社会で重要な役割を担っているので、病気になると、本人や家族だけでなく社会的な影響が大きいためです。
 本人や配偶者が現役世代なので、認知症になると仕事に支障が生じ、結果的に失職して、経済的に困難な状況に陥ることにもつながります。また、親の病気が子どもに与える心理的影響が大きく、教育、就職、結婚などの人生設計が変わることにもなりかねません。

若年性認知症の実態

 2020年3月に厚生労働省の研究班から発表された調査結果によると、全国の若年性認知症の人の数は推計で35,700人であり、18-64歳人口における人口10万人当たりでは50.9人でした。これは65歳以上の認知症高齢者に比べるとかなり少ない数です。
 最初に症状に気づいた平均年齢は54.4歳であり、50歳未満で発症した人の割合は約3割でした。

原因となる疾患

 日本における若年性認知症では、図に示すようにアルツハイマー型認知症の割合が多く、約半数を占めました。次いで脳卒中(脳梗塞や脳出血)が原因である「血管性認知症」や「前頭側頭型認知症」が続きます。その他、「頭部外傷後遺症」や「アルコール性認知症」などが多く、原因疾患が多様であることも若年性認知症の特徴です。

若年性認知症原因疾患内訳

認知症介護研究・研修大府センター

目次