揺れる海、刻まれる記憶 - 暁の空来

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揺れる海、刻まれる記憶

陸奥湾が静寂を破り、地震の波に揺れる。90年ぶりのM4を記録した地震活動は、16日から大小6回にわたって繰り返され、青森の地を騒がせた。穏やかだった海は、揺れに応じてその表情を変え、波音が岸辺に響く。

この地には長い歴史がある。人々が海とともに暮らし、その恵みを享受してきた土地。けれども、自然はその優しさの裏に力強い顔を隠し持っている。90年という歳月の静けさが、突如として破られるのは、地球の記憶が呼び覚まされるような瞬間だ。

揺れのたびに、人々の間に不安の影が落ちる。未来への見通しを探りながら、誰もが心の中で祈る。「これ以上、どうか荒れないでほしい」と。それでも、地震活動の予測が難しいことを知る者たちは、ただ目の前の現実に備えるしかない。

夜の湾には、かすかな月明かりが揺れる波間を照らしている。どんな揺れにも耐え、また日常が戻ることを願うばかりだ。揺れる地に刻まれる記憶とともに、人々はまた強さを身にまとい、新たな一日を迎えるのだろう。