2019年07月30日
さようなら、タンザニア (2019年7月30日)
この大型機の搭乗率は80%を越えており、アフリカの田舎からの便としては、奇跡と言える繁盛ぶりであろう。
しかも、私の隣にはロシア語を話すミニスカートのジェブシカ(ロシア語で“おねえさん”の意味)だ。但し、数十年後には、バブシュカ(ロシア語で“おばあさん”の意味)と呼ばれるであろう。
感心したことは、このジェブシカが「モウジュナ イッショ ヤブラク」とCAにリクエストすると、CAが「パジャルスタ」と言いながら、アップルジュースを渡したことだ。
ちなみに、「ヤブラク」はロシア語でリンゴを意味する“ヤブラカ”の対格(日本語の直接目的語をイメージするとわかりやすい)である。
また、“ください”を意味する動詞の“ダーチ”は、「モウジュナ イッショ ヤブラク」の文中に入っていないが、“ダーチ”の直接目的語となる“ヤブラカ”を対格である「ヤブラク」にすることにより、意味が十分にわかる。
このように格が変化するロシア語は、格助詞が変化する日本語を使用する日本人にとって、なんとなく親しみがわくのではなかろうか。
話を戻すと、眼鏡をかけた若いこのCAは、明るく愛想があるうえに、アラビア語、英語、ロシア語がわかるスーパーCAだ。
しかも、離陸前に他社では見られないポライド写真のサービスもあり、お子様連れの家族が楽しそうに、写真を撮ってもらっていた。
小型であるがプリッツのような形をしており、塩辛く食が進む。
機体は定刻よりも1分早く駐機場を離れ、速やかに滑走路へ向かった。
目の前の大型モニターを、機体に搭載されているカメラの映像のチャンネルにして、二度と来ることはないであろうタンザニアの大地を見つめていた。
高度を上げた機体は、エメラルドグリーンのインド洋に出て、ドバイへ向かって北上した