同級生の彼女。
四年前に彼女が亡くなってから今まで5回くらい、街中で、え、あけみちゃん?って思
う人に遭遇した。
他人の空似といえば、それまでだけど。
毎回ドキッとするほど似ていて、目をこすってよおくみると全然違う人、っていうパターン。
今回は、日暮里からの帰途、混雑した電車で立っていたら、真ん前に座っている女性があけみちゃんだった。
すぐには気づかなかった。
眉根を寄せて腕を組み、座席の端の白い壁に頭を預けて目を閉じた時、彼女だと気づいた。
小鼻の張った、薄い唇の、やや東南アジア系の面立ち。
元気にやってる?
あれからどうなの?
声に出さずに話しかけた。
ふと、彼女が目を開ける。
もうちがう人。
目をそらして、窓に映る自分をみた。
あんたがいなくなってもうすぐ4年。
一緒におばあちゃんになろうねって言ってたのに。
目の前の人が再び、目を閉じて眠り始めた。
前髪が顔半分を覆うと、やっぱりあけみちゃんだった。
どこか他に、彼女であることの証左はないか。
目を閉じていることをいいことに、ジロジロ全身を見る。
足だ、足が彼女だった。
太目短め、バンビロ、内股。
渋谷で降りたその女性、
外股で歩き去る後ろ姿は、似ても似つかぬ知らない人だった。
また、会おうね。
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