イルカの平均寿命は何年になるのか気になりますよね。
さらに、イルカは野生下と水族館で寿命が異なるとの噂もあります。
今回は、イルカの種類による平均寿命の違いも含め調査を行いまとめましたので、参考にご確認ください。
イルカの平均寿命【種類別】
イルカの平均寿命について種類別にまとめていきます。
イルカは鯨類に含まれるため、実際にはシロナガスクジラやシャチも仲間に含まれます。
そのため、今回はマイルカ科やネズミイルカ科などイルカの種類に絞り、その中で有名な種類をピックアップして調査していきます。
平均寿命 | |
バンドウイルカ | 約30~40年 |
スジイルカ | 約55~60年 |
マダライルカ | 約40年 |
アマゾンカワイルカ | 約10~26年 |
ヨウスコウカワイルカ | 約24~30年 |
カマイルカ | 約20~40年 |
イロワケイルカ | 約18年 |
バンドウイルカの平均寿命
バンドウイルカの平均寿命は?
平均寿命:約30~40年
体長:約2.5~3.7m
※沿岸性、外洋性で大きく異なる(体色も外洋性は黒っぽい)
バンドウイルカは、八景島シーパラダイスなどの水族館でもショーが開催されているポピュラーなイルカです。
寿命は約30~40年と人間よりはかなり短いと言えますね。
しかし、このバンドウイルカは、沿岸性と外洋性で体長は大幅に異なります。
沿岸性の個体:約2.5~2.7m
外洋性の個体:約3.7m
この沿岸性と外洋性のバンドウイルカで寿命が異なるのか気になるところですが、信用できる記録は見つかっていません。
もしかすると、体長の大きい外洋性のバンドウイルカは、沿岸性の個体よりも平均寿命が数年長い可能性も考えられます。
スジイルカの平均寿命
引用:Wikipediaより
スジイルカの平均寿命は?
平均寿命:約55~60年
体長:約2.4~2.6m
スジイルカはバンドウイルカよりも少し小柄な種類ですが、平均寿命はバンドウイルカよりも約15年以上長いと言われています。
ただ、中には約35年と解説されている記事もあるため、まだまだ正確なデータは出せていないように感じます。
マダライルカの平均寿命
マダライルカの平均寿命は?
平均寿命:約40年
体長:約1.6~2.6m
マダライルカの平均寿命もバンドウイルカと同様に約40年と言われています。
過去にマグロ用の網で混獲され、数百万頭が捕獲されてしまい絶滅が恐れられた種類でもあります。
このマグロ漁により、約25年間で世界中の50%以上のマダライルカが命を落としています。
アマゾンカワイルカの平均寿命
アマゾンカワイルカの平均寿命は?
平均寿命:約10~26年
体長:約2.3~2.8m
アマゾンカワイルカはマダライルカよりも体長は大きめですが、平均寿命は半分ほどの「約10~26年」と言われています。
しかし、実際には詳しい平均寿命は分かっておらず、飼育下と野生下でも異なるため、あくまでもこの平均寿命は予測の範囲となります。
ヨウスコウカワイルカの平均寿命
ヨウスコウカワイルカの平均寿命は?
平均寿命:約24~30年
体長:約1.5~2.7m
ヨウスコウカワイルカも小型のイルカですが、平均寿命はバンドウイルカよりも少し短い「約24~30年」です。
この約24年は野生下での平均寿命であり、飼育下ではさらに短くなるのではと言われています。
また、ヨウスコウカワイルカは中国の長江だけに生息しているイルカであり、2006年の段階で個体数は約20~100頭程度だと予想されている記事もありますが、実際に専門家が6週間かけて調査した際に1頭も見つけることができず、「機能的絶滅」を宣言されました。
※「機能的絶滅」は個体数の維持できない、回復能力を失った状態を意味する
しかし、2016年に目撃情報があるため、まだ生存している可能性は考えられます。
カマイルカの平均寿命
カマイルカの平均寿命は?
平均寿命:約20~40年
体長:約2.2~2.5m
カマイルカの平均寿命は「約20~40年」と言われていますが、実際には40年以上の可能性もあると考えられています。
カマイルカは北海道から福岡まで様々な水族館で飼育されている身近なイルカです。
この約20年の数値は、あくまでも飼育下での数値とも言われていますので、野生下ではもっと寿命が長い可能性が考えられます。
イロワケイルカの平均寿命
イロワケイルカの平均寿命は?
平均寿命:約18年
体長:約1.3~1.7m
イロワケイルカは、バンドウイルカよりも半分ほどの大きさしかなく、イルカの中でも最小クラスの種類となります。
そのため、平均寿命も同様に約18年と短いことが分かります。
イロワケイルカの保全状況はデータ不足であるため、絶滅危惧種ではありませんが、私達が予測するよりも少ない可能性はあります。
鳥羽水族館でも赤ちゃんが産まれているので、会いに行ってみてはいかがでしょうか!
水族館のイルカは長生き?
野生下のイルカと水族館で飼育されているイルカで寿命は異なるのか気になりますよね。
結論ですが、バンドウイルカを例にあげると、関係者の意見は
水族館:約14~18年
野生下:約30~40年
このように、水族館のイルカは野生下よりも短命だと言います。
水族館で飼育されているイルカが死亡する主な理由として、トレーニングや狭い環境によるストレスが免疫力を低下させ、原因不明の病気や感染性などにより死亡しています。
また、他にも不慮の事故による死亡が全国各地の水族館で目立ちます。
【南知多ビーチランド】
カマイルカのマッシュ(推定29歳)は、トレーニング中にステンレス製の柵に左胸ビレを挟まれ骨折し、出血による外傷性ショックで死亡
【しものせき水族館 海響館】
バンドウイルカの赤ちゃんティアラは、ショーの最中に他のイルカとジャンプした際にお互いの体がぶつかり、ティアラはプールの外に落ちて死亡しました。
緩衝用マットを敷いていましたが、打ち所が悪く亡くなってしまいました。
【名古屋港水族館】
名古屋港水族館でもカマイルカのサラがジャンプのトレーニング中にプール外に落ちてしまい、胸部を強く打ったため肺を破裂し、失血死しました。
このように、各地の水族館ではトレーニング中の事故で死亡するイルカは多く、平均寿命を短くしていると言えます。
イルカの寿命【ギネス記録】
イルカの平均寿命を確認すると、スジイルカは約55~60年とイルカの中では長寿になります。
しかし、イルカの寿命ギネス記録について調査を行いましたが、ギネス公式サイトには登録がされていませんでした。
参考記事:GUINNESS
水族館での飼育においては、沖縄の美ら海水族館で飼育されているミナミバンドウイルカのオキちゃんが2022年5月の時点で飼育期間は47年と国内最長飼育記録となります。
参考記事:沖縄新報
イルカの年齢【調べ方】
クジラの場合は耳垢や歯で寿命を調べます。
※種類による
⇒【一覧】クジラの寿命は何年?【種類別・死因・ギネス記録など】
では、イルカはどのようにして年齢を調べるのか気になりますよね。
同じ鯨類ということもあり、イルカも歯の年輪を数えて年齢を調べます。
また、ミナミバンドウイルカの場合は加齢と共に腹部に斑点が出てくるため、この斑点を目安に年齢を予測すると言われています。
イルカの死因【寿命との関連性】
イルカの死因も平均寿命に大きく関係します。
野生下のイルカの場合、主な死因は感染性や座礁、人間がステマプラスチックゴミの誤飲など様々です。
イルカの座礁は世界各国で目撃されていますが、グラスゴー大学などの研究チームによると、スコットランドで座礁したイルカの脳にアルツハイマー病の特徴が発見されたと発表されています。
調査結果では、アルツハイマー病の人の脳に共通してみられるアミロイドベータの塊ができていることが判明しました。
参考記事:CNN
調査したイルカのほとんどは高齢であったことも関係していると言えます。
また、人間が捨てたプラスチックゴミをイルカが食べ、胃につまって死亡したイルカも少なくありません。
その中には釣りで使う餌袋やお菓子の袋など様々です。
次に水族館で飼育されているイルカの死因ですが、先ほど解説したショーのトレーニング中に事故死するケースは多いと言えます。
しかし、韓国の団体の話によると、過去10年間で「国内で水族館などの施設で死んだ鯨類の死亡率は50%に達した」と報告されており、主な死因は敗血症や肺炎などの突然死であると言われています。
その主な理由として、獣医師の話では「狭い空間、トレーニングによるストレスが免疫力を低下させている」と解説されています。
イルカの寿命【Q&A】
イルカの寿命に対しよくある質問をまとめましたので、参考にご覧ください。
イルカは体の大きさで寿命が変わる?
イルカの平均寿命を比較して確認したところ、スジイルカは体長が約2.4~2.6mで約55~60年ですが、イルカの中で最小クラスのイロワケイルカの平均寿命は約18年とかなり短いことが分かりました。
クジラやシャチはイルカと同じ鯨類ですが、やはり体長もさらに大きいため、平均寿命も比例して長い傾向にはあります。
ただ、長寿には秘訣があることも分かっているため、こちらの記事をご覧ください。
⇒【一覧】クジラの寿命は何年?【種類別・死因・ギネス記録など】
⇒【シャチの平均寿命】子供の死亡率が43%?野生下と水族館での違いなど
イルカの大量死は地震の前兆?
イルカの大量死と地震は意外な関連性があると言われています。
実際に大地震が起きる数日前にイルカが大量死した事例もあるため、代表的なものをご紹介します。
【クライストチャーチの大地震】
ニュージーランドのクライストチャーチで起きた大地震の2日前に107匹のイルカが大量死して打ち上げられました。
【東日本大震災】
東日本大震災の1週間前にカズハゴンドウ54頭が茨城県鹿嶋市の海岸に集団座礁しました。
【チリ・イキケ大地震】
チリで起きたイキケ大地震のケースでは、発生3ヶ月前に隣国ペルー各地の海岸で400頭以上のイルカが座礁しています。
このように、期間は数日から数ヶ月前と差はありますが、まだまだ他にも大地震前にイルカの集団座礁が発生しています。
専門家も「偶然とは考えられない」と回答していますが、イルカが集団座礁する原因にはアルツハイマー病など別の理由も含まれます。
イキケ大震災のケースでもイルカの集団座礁は大震災発生の3ヶ月前と期間もかなり開いていることから、必ずしもイルカの大量死と大地震が関係しているとは考えられないのではと感じます。
とはいえ、偶然とは思えないタイミングでイルカの大量死の後に大地震が起きていることから、イルカの地磁気を感じる器官にに対し、何か地震が悪影響を与えている可能性も考えられます。
イルカの寿命は人間次第
イルカの平均寿命は、種類により異なります。
また、バンドウイルカのように同じ種類のイルカでも生息域により体格差があるため、もしかすると平均寿命も地域により大きく異なる可能性も考えられます。
イルカは野生下では比較的長生きですが、水族館で飼育されているイルカの平均寿命は野生下の半分以下になるケースも珍しくありません。
そのため、韓国など世界中で団体が反対運動を実施し訴え続けています。
イルカにとって、やはり自由に広い海を泳いで暮らすのが理想だと思います。
今後、トレーニング中の死亡事例や突然死がさらに増え続ければ、国内でイルカを見る機会も減る可能性は考えられます。
野生下のイルカの死因もプラスチックゴミの誤飲など人間の身勝手さが関係しています。
イルカが長生きできるかは、私たち人間次第だと言えます。