だいふく日和 : 2022年02月

だいふく日和

還暦過ぎの鎌倉と猫をこよなく愛する神奈川県民。ひきこもりがちなヤバい息子と、愛護センターから引き取った保護猫と暮らしています。

2022年02月

だいふく日和第41号 「毒親」とは?

毒親!!
毒親と毒親に無理解な人 #女子を困らせる人|「マイナビウーマン」

前回、カーリングママについてお話しましたが、今回はそんなママも含む毒親のお話です。名前がこわそう!そもそも、それって何?『親をおりる』の中で説明されていました。「毒親」という言葉は、スーザン・フォワード「毒になる親」という著書で使われたのが初めてでしょう。「自分の身に起こっている問題や悩みには、親との因果関係がある。子どもの人生を支配して、害悪を及ぼす親というものがいる」そうした子どもの心身をむしばんでいく親のことを「毒親」と命名しています。

母親(父親)の「何とかしたい」という気持ちは、「子どものために」でしょうか?もしかしたら、心配しているのは母親(父親)であり、不安に思っているのは母親(父親)かもしれません。「何とかさせなければ」安心できないのかもしれませんね。私は、どうかなと振り返ってみると、自分のためだったこともあるなって思います。


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わかる、というのは他人事だ。
哲学者の内田節氏は、理解することは不可能であり、できるのは「諒解すること」だと言います。「諒解する」とは、あるがまま、そのまま受け取ることだそうです。そう簡単に人のことがわかるはずはないですもんね。親子であっても、それは同じです。親なんだから、子どものことはわかっている、なんて思い上がっているのかも?気をつけましょう。
つぼみでしたが、花が開き始めました。
かわいい!!
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だいふく物語36話
~オレ様が下僕たちと暮らし始めてからの猫生と冒険の物語~
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陽だまりで気持ち良さそうです。

じいさんがネストを知ったきっかけは、真知子さんのお母さんを人力車に乗せたことだった。「桜が大好きな母に満開の桜を楽しんでもらいたい」真知子さんは、余命いくばくもない母親へのプレゼントとして猫松亭に依頼の電話をしたのだった。真知子さんのお母さんのために、松吉じいさんは若宮大路の段葛の桜並木をゆっくり何往復もした。

お母さんは、オレ様をなでながら、「毎年、ここの桜を見に来るのが楽しみでね。おじいさんと出会ったのもこの桜の下だったの。おじいさん、見えますか?今年も見事に桜が咲いています。

私ももうすぐ、そちらに行きますからね」おばあさんは、うれしそうでもあり、悲しそうでもあった。オレ様はしんみりとして、ただ、にゃ~と言ってその皴立った手に、オレ様の毛むくじゃらの手を重ねてやることしかできなかった。それから少しして、真知子さんが、お店で出しているというチーズケーキを持って猫松亭にやってきた。お母さんは安らかな顔で旅立ったとのことだった。「この仕事をしていると、いろんな人たちの思い出作りの手伝いをさせてもらえるんだ。いい仕事だろ?」松吉じいさんは、この時食べた真知子さんのチーズケーキがすっかり気に入ってしまったのだ。それ以来、たまに真知子さんの店でヒュッゲなるものを楽しんでいるってわけだ。松吉じいさんは人力車の仕事は思い出作りのお手伝いだって言ったが、オレ様も多いにその一翼を担っていた。特に若い女子や子どもたちに、オレ様は人気があった。強面の顔でありながら、性格はいたって穏やかで、相手の目を見てにゃ~と甘える術を心得ていたからな。たくさんのお客の膝に乗ったが、その中でもオレ様の記憶に残っている客が何人かいる。着物の美人女子大生ペアもその中にいた。



だいふく日和第40号 カーリングママ!

『学校ってなんだ!』
横浜創英中学・高等学校校長の工藤勇一さんと劇作家・演出家の鴻上尚史さんの対談本です。工藤勇一校長はかつて、千代田区立麹町中学校の校長時代、宿題廃止、定期テスト廃止、固定担任制廃止などの大胆な教育改革をされた方です。テレビなどにも出ていらっしゃる有名人です。内容はもちろん大変ためになるものでしたが、中でも「カーリングママ」なる言葉にハッとさせられました。




カーリングママとは?
冬季オリンピックのカーリング、惜しくも銀!!でも、素晴らしかったですね。
さて、先週デンマークのゆとり教育の話をしました。子どもたちの自立心を伸ばす教育を国、地域、家庭で行っているというものです。あたたかい目で根気よく見守る、やり直しのできる社会であることを体験させる、そうした取り組みが自己肯定感を高めていくのかもしれません。さて、それに対し、ほぼ逆なのが「カーリング」つまり、「先回り」する育児だという話です。カーリングママとは、過干渉ママのことですね。でも、これって気づかないうちに自分もやっていたなあ、と反省してしまいました。よかれと思ってやっていたことの数々・・・・・。例えば、夏休みの自由研究を親子でやったり、宿題のプリントを書き終えたら間違いを指摘してなおさせたり、ちらかった机まわりを勝手に整理整頓したり、明日の着替えや持ち物を用意したり、もう数えきれないほど思い浮かびます。その上、進学に関しては資料集めから親が率先してやっていたように思います。本人に決めさせたつもりでも、厳選された中から決めただけのこと。我が家のヒッキーがこうした生活ゆえに、ひきこもりがちになったかどうかはわかりませんが、多少なりとも(あるいは多いに?)影響があったのではないかと思ったりしています。

子どもが自分で対処すべきことに対して、ストーンの前の氷をブラシで掃くように、先回りしていないか? 子ども自身の能力を信じて待つことを親は学ばなければ!!

今年二十歳になるひきこもりがちなヒッキーですが、いつからでも遅くはない!失敗を恐れない体質作りのために、我慢強く見守っていこうと思います。この数年間、『うまくできたかどうか』ではなく、まずは『取り組んだ』という事実=行動を承認するにとどめてきました。放っておくのではなく、信じて待つ感じですね。

     本を読んで閃いた人のイラスト(男性)
だいふく物語35話
~オレ様が下僕たちと暮らし始めてからの猫生と冒険の物語~
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「カフェ・ネスト」、それが松吉じいさんの知り合いの店の名前だ。そして、ここには白い看板猫がいた。その目は、珍しい青と緑のダイクロイックアイだった。「ひさしぶり、ちょび」その白猫はオレ様の名前を呼んだ。オレ様をちょびと呼ぶ猫は限られる。オレ様の過去を知る者、保護センターで一緒だったみつきだ。みつきは足が悪かったが、宝石みたいなその目を気に入ってくれた真知子さんが引き取ってくれたのだという。以来、この店で招き猫として暮らしていたんだ。良かった!みつきが幸せになっていてくれて。どんな猫にだって幸せになる権利はある、とオレ様は思う。

カフェ・ネストは高台の自然に囲まれたところにあって、人力車で坂を上るのはけっこうきつい。予約がない日もじいさんは人力車を必要とする人がいるかもしれないからと、人力車で出かけるのだ。この店のオーナーの真知子さんは、若いころデンマークで暮らしていた。ご主人はデンマーク人の建築家で、そのご主人が店の設計をしたそうだ。店内は、一面がガラス張りになっていて、樹々の揺れる様子やリスや鳥が枝を行き交うのを見ていると、森の中にいるような気分になる。店までは木道が橋のように架けられ、それが曲がりながら十五メートルくらい続く。眼下には、鎌倉の手つかずの自然が広がっていて、遠くには海も見える。ここはオレ様にとってもほっとできる場所になった。なにしろ、みつきがいたし、真知子さんはオレ様にも特製まぐろチップ(猫用)を用意してくれたからな。真知子さんの店には照明が少ない。四隅にフロアースタンドが灯され、日が落ちるころには大小のろうそくも灯される。ぽうっと灯ったろうそくの炎がゆらめくと、何ともやさしい雰囲気になる。明るすぎないのがオレ様は好きだ。ヒュッゲっていうのを楽しむって真知子さんは言った。ヒュッゲとはデンマーク独特のスタイルで、癒し時間を持ったり、仲間とほっこりすることらしい。オレ様も猫ながらヒュッゲを楽しんでいた。

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最近、発泡スチロールに乗るのがお気に入り。これで爪とぎもします。




だいふく日和第39号 だいふく物語34話

飾ることなく自然体
ヒュッゲな生き方

寛大な国、幸福の国といわれる、
デンマークにはヒュッゲというものがあります。
ほっこりする時間、
暮らしを楽しむ姿勢などを指すそうです。
デンマーク人が飾り立てず素のまま、自然体のままでいるのは、おもてなしの時間も同じなのだそうです。イギリスのアフタヌーンティーやフランスのホームパーティほど飾らず、日本人が思うような大げさなことは何もしないようです。必要なのはちょっとした思いやりの気持ち。たとえば、寒い日に自宅を訪ねてきた人にはあたたかくしたカップでコーヒーを出す、訪問者の好きなパンを焼いておくなど本当にちょっとしたことでいいのだそうです。デンマークの人のこうした思いやりのある小さなおもてなしに共感してしまいます。そしてヒュッゲは一日の中でどこかに取り入れることを意識しているんです。素敵ですね。幸せに生きる方法をたくさん知っていそうですね。キーワードは「気負わない」ってことみたい!!そこで、私もしまってあったアロマキャンドルを出してヒュッゲを演出してみました。
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小さな灯りがゆらゆらするのをみていると、心がゆったりしてきました。最近は、我が家のひきこもりがちな住人ことヒッキーを呼んで、スイーツと温かい飲み物でひと時を過ごすことを始めました。短い時間ですが、なんだか豊かな時間に感じます。

だいふく物語 第34話
~オレ様が保護センターを経て下僕たちと暮らすことになるまで~
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オレ様が下僕たちのマンションを後にしてから、まだ3日と経っていなかったが、オレ様は迷子猫野良猫飼い猫となったわけだ。自由な野良猫生活もいいが、松吉じいさんとの生活も悪くなかった。松吉じいさんはオレ様を「ちょび髭のちょび」と呼んだ。懐かしいなと思ったら、保護センターでみつきがオレ様をそう呼んでいたのを思い出した。みんな、どうしているだろう。そして下僕たちは・・・・・? オレ様の胸の中をすうっと一筋の風が通っていった。

オレ様の仕事は、猫松亭の紹介動画出演、朝のあいさつ(道行く人にニャ~という)、そして人力車への客の誘導、希望によっては客の膝に乗る、希望がなければ、松吉じいさんの背中の袋の中で静かに過ごす。けっこうハードな毎日だった。だが、客の膝も、松吉じいさんの背中もあったかくて居心地は最高だった。食事も悪くなかった。カリカリだけじゃなくて、またたびの香り入りささみスティックなんかもつけてもらえた。仕事は昼間の明るいうちだけ、5時間くらいで、あとは自由に過ごしてよかったから、オレ様は夕方くらいからふらふらと界隈を散歩に出かけることが多かった。人力車の仕事をしているせいで、このあたりの地理にも詳しくなったので、道に迷って戻れなくなるなんてことはなかった。鶴岡八幡宮の猫集会にも時々顔を出し、仲間たちとリスを追いかけて遊ぶこともあって、けっこう猫生を謳歌していた。

こうして、猫松亭の仕事に満足しながらあっという間に時が過ぎ、冬を越して南風が吹いてきた。人力車猫松亭はオレ様の動画がけっこうな人気となり、松吉じいさんのネット予約サイトには毎日数件ずつ予約が入ったが、たまに予約のない日や仕事が早く終わる日がある。そんな日、松吉じいさんは極楽寺近くのカフェに行く。じいさんとカフェってミスマッチな感じもするが、このカフェのオーナーの真知子さんと松吉じいさんは知り合いなのだ。ここで、オレ様は運命の再会をしようとは夢にも思わなかった。


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だいふく日和第38号 だいふく物語 33話

ギャップイヤー
最近、読んだ本で知ったのですが、教育先進国といわれるデンマークには、ギャップイヤーがあります。ギャップイヤーとは、大学入学前や、就学前に1年間ほどの「空白期間」を持つこと。日本の大学入試に向けた“浪人”とは異なります。この期間は、見聞を広めるために外国に旅をしたり、経験の幅を広げる活動をしたり、新しいことに挑戦したりする「自分のためだけの時間」なんだそうです。デンマークでは多くの学生がこの制度を利用して、将来の方向性を考えるのだそうです。
ひきこもりがちな住人、その後。
ヒッキーとギャップイヤー
そうか!きっとヒッキーにとって、この一年はギャップイヤーなんだ!!かなり、無理がありますが、そう思うと大目に見てあげようって気持ちになりますね。

ビジネスグループ会議とディスカッションの概念。男性と女性の漫画のキャラクターがチャットし、彼らの上に浮かぶスピーチバブルと情報を交換します。人々は話す。フラット ベクターの - 寄宿舎点のイラスト素材/クリップアート素材/マンガ素材/アイコン素材
欲しいのは地位や名声ではなく
「立ち止まる期間」
デンマークがほかの国と大きく違うことは、個人の心の揺れに、社会が寛大だということ。時間の自由な使い方が認められているだけではなく、社会制度として悩める人を肯定しているのだそうです。ヒッキーにはデンマークがあっているのか?時間に追われ、窮屈な学校制度に追われ、周りと比べられ、違うことはよくないことのように言われてしまう現在の日本。ヒッキーよ、立ち上がれ!デンマークに向かうのだ!といってもパソコンから離れられない、それがヒッキーなのですね。現実は厳しい!
コペンハーゲン, Christianshavn, 港, カラフル, 家
ヒュッゲな生き方
そんな、寛大な国、デンマークにはヒュッゲといわれるものがあります。日本語ではぴったりする言葉が難しいのですが、ほっとする時間、心地よい時間、暮らしを楽しむ姿勢などを指すそうです。具体的には、小さなホームパーティーなどで日常の幸せを共有することなども含まれるようです。私たちも学ぶことがたくさんありそうです。次回はこのヒュッゲについて、もう少し掘り下げてみたいと思います。
だいふく物語 第33話
~オレ様が下僕たちと暮らし始めてからの猫生と冒険の物語~
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社会情勢が気になるだいふく
~人力車に乗って鎌倉散策~
 『人力車 猫松亭』
オレ様とライオンは引き戸の玄関の前で、誰かが出てくるのを待った。オレたち猫は呼び鈴も押せないし、人間の言葉も話せないからな。待つしかないわけだ。のんびり欠伸をしながら待っていると、小柄だが締まった体に腹掛けをした、股引き姿のじいさんが出てきた。角刈り頭にはにハチマキをきりりと結んでいる。じいさんは、オレ様の首に掛けられた求猫の絵馬を見て、にっこりした。「おやおや、おまえさんが、うちで働きたい猫かい? メイ、お駄賃をやるから待っておいで」じいさんは、そういうと家の奥へ行って、煮干しが5~6本入ったビニール袋を持って戻ってきた。そして、それをライオンの前に置いた。ライオンはツンとすました顔でビニール袋を口にくわえると優雅にしっぽを振りながら立ち去ってしまった。ひとり残されたオレ様は、どうしたものかと、じいさんを見上げた。じいさんの瞳はしっとりと濡れていてやさしそうだった。「おまえは先代のマツにそっくりだな。こんなに似ている猫をメイはどこで見つけたもんかね」と言った。そうか、ライオン(メイ)は、最初からオレ様をこのじいさんに斡旋するつもりで声をかけてきたんだな。それにしても、じいさんがライオンの名前を知ってるのはなぜなんだ?そんなオレ様のつぶやきを聞いていたかのように、じいさんはオレ様に向かって話し始めた。「おれは松吉っていうんだ、よろしくな。メイは昔からよく知ってるんだよ。あいつは生まれて間もなく、二階堂の知り合いのところにもらわれてきたんだ。文学館近くのお屋敷で生まれたんだとさ。最初、あんなに大きい猫がいるなんて知らなかったから、さすがのおれも驚いたさ。メインクーンとかっていう珍しい種類なんだとさ。二階堂の知り合いは、そのまんまメイって名前にしてずいぶんかわいがってたんだ。子どもたちが大きくなってみんな家を出て行って寂しかったんだろう。まるで、子どもか孫みたいに話しかけてたからな。だけど、そこの老夫婦が亡くなって、息子の家族が越してきてから、メイはぞんざいな扱いを受けるようになっちまった。メイは利口な猫だったから、自分から家を出て、自立して生きることにしたのさ」松吉じいさんは仕事柄、土地情報、住人情報、そして猫情報も持っていた。だから、メイが二階堂の家を出たこともすぐに耳にはいった。それで、多少の食事援助をしたんだとさ。当時、松吉じいさんのところで働いていたマツ()もメイをひどく気に入って、猫集会に連れて行ったり、自分のおやつを分けてやったりしたが、メイは誰とも結婚しようとはしなかった。メイにつりあう猫はなかなかいないと思う。メイはオレたちの倍以上の大きさだし、毛も立派で、オレ様がライオンだと思ったくらい堂々としてるからな。そんじょそこらの野良とは違う。威厳ってやつがあるんだ。そのうえ、面倒見がいいときてる。まったくもって、オレ様は運がいい。メイには本当に世話になった。オレ様はいつの間にかライオンをメイと呼んでいた。
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