学外の社会資源との接続 | 筑波大学アクセシビリティ
menu

ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター

アクセス |

支援内容

学外の社会資源との接続

学外の社会資源との接続について

 ヒューマンエンパワーメント推進局(以下、BHE)では、学生ご自身が学外の社会資源を把握し、必要な支援を申請するための相談に応じています。学生が学外の社会資源との接続を希望する場合、学生の求めに応じて個別に福祉行政・事業者との連携も行います(「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」より)。これまで相談があったケースとして、①年金、②訪問看護や居宅介護等の学外での生活支援(トイレ利用・食事等の身体介助)、③通学時や学内における生活支援、などがあります。
 提供される社会資源は自治体によって異なりますが、生活に関する困りごとや不安なこと、分からないことがある場合にはお気軽にご連絡ください。


大学生活に関わる支援の現状

 筑波大学では障害のある学生が学業に参加できるための修学支援(修学における合理的配慮)を提供しています。ただし、次の1~4については日常生活に含まれると考えられますので、もし活用をお考えの場合、障害福祉サービスなどの学外の社会資源の利用をご検討ください。
※2~4については自治体が支給する「重度訪問介護利用者の大学修学支援事業」を利用できる場合があります。

  1. 居宅(自宅や宿舎、アパート)での生活支援(トイレ利用・食事等の身体介助)
  2. 大学までの通学時の移動支援
  3. 大学内における移動支援 ※特に授業間の移動以外
  4. 学内での生活支援

 

 高校までと異なり、大学では特別支援教育支援員のように付き添って生活支援(トイレ利用・食事等の身体介助)を行うスタッフの配置はありません。大学が提供するサポートと、ご自身で手配するサポートを把握し、必要な支援をご自身で組み立てることになります。
 修学支援(修学における合理的配慮)は、学内の担当部局・教育組織が合理的配慮の提供のプロセスに則って提供します(図左側)。身体介助や医療等の日常生活に直接関わる支援(生活支援)は、学生の皆さんが学外の社会資源を活用し手配をします(図右側)。


社会資源を導入するにあたって

 社会資源の導入にあたり、自治体の窓口で申請・手続きが必要となることがあります。
 ここでは社会資源の1つである障害福祉サービスの導入について説明します。障害福祉サービスの利用では自治体の障害福祉課などの窓口での申請を経て、必要な支援の度合いを示す障害支援区分の「認定調査」を経て、サービスの「支給決定」がされます

<申請に関する注意事項>
・申請から利用まで1~3か月かかるので申請してすぐ使えるわけではありません
・受給者証取得後、すぐにサービスを使う必要はなく、また途中でサービス利用を中止することも可能です
 今すぐ使うつもりのない人でも本当に必要な時に備えて取得し、大学生のうちに一度利用してみることをおすすめします

 

*相談支援事業所とは?
 出身自治体の障害福祉課に行くことが不安な場合、相談支援事業所、あるいは基幹相談支援センターに相談することをお勧めします。相談支援事業所にいる相談支援専門員は、社会資源導入に向けて伴走してくれる専門職です。障害福祉サービスのプロであり、必要な支援について学生の皆さんと一緒に考え、「サービス等利用計画」を作成し、障害福祉課や社会資源との間に入って調整を担ってくれます。面談を通してサービスの選定・調整を行い、その後の支援の定期的な見直し(モニタリング)を担う障害福祉のプロと言えます。

 

 

例)社会資源の導入・調整を行った新入生の例

 

 上記の例は推薦入試で12月に合格が決まったケースですが、調整までに多くの時間を費やしました。3月に合格発表になる前期日程・後期日程を受験される場合、さらに調整は後ろ倒しになります。過去には準備が間に合わない状態で4月を迎え、遠方のご家族がしばらくの間サポートに入るといった事例もありました。
 社会資源の導入をお考えの場合、早めに出身自治体・相談支援事業所に相談することをお勧めします。


具体的な社会資源について

具体的な社会資源について、以下のリンクをご参照ください。
〇障害福祉サービス 
 全国社会福祉協議会(2021)障害福祉サービスの利用について.
 https://www.shakyo.or.jp/download/shougai_pamph/index.html

〇医療サービス(訪問看護等)
 日本訪問看護財団(2020)こんにちは!訪問看護です.
 https://www.jvnf.or.jp/homon/_1_4.html

〇補装具・日常生活用具
※参考につくば市のHPを紹介しています。
 自治体により異なることもあるので、詳細は出身自治体の窓口でご確認ください。
 ・補装具費
 https://www.city.tsukuba.lg.jp/kosodate/shogaisha/joseiteate/josei/1001364.html
 ・日常生活用具
 https://www.city.tsukuba.lg.jp/kosodate/shogaisha/joseiteate/josei/1001365.html

〇年金
 日本年金機構 障害のある方
 https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/disability/index.html#cms03

〇その他、助成・手当て等
※参考につくば市のHPを紹介しています。
 自治体により異なることもあるので、詳細は出身自治体の窓口でご確認ください。
 ・障害者手帳
 https://www.city.tsukuba.lg.jp/kosodate/shogaisha/1018023/index.html
 ・助成・手当て・サービス
 https://www.city.tsukuba.lg.jp/kosodate/shogaisha/joseiteate/index.html


Q&A

Q. どういった学生が社会資源を使っていますか?
A. 社会資源を導入しているのは、身体介助を必要とする運動障害の学生だけではありません。
  服薬管理や健康確認のために訪問看護を利用する発達障害の学生も増えてきています。
  以下、参考に障害種別と社会資源の例をお示ししました。
  例)運動障害 訪問看護 訪問リハビリ 居宅介護
    運動障害 重度訪問介護利用者の修学支援事業 重度訪問介護
    発達障害 訪問看護 居宅介護
    視覚障害 同行援護
    聴覚障害 コミュニケーション支援

 

Q. 受給者証って何ですか?
A. 障害福祉サービス等を利用したいとき自治体の窓口で申請し、障害支援区分認定調査を受けて発行される証明書になります。
  受給者証を持っていることで、市町村から認められた障害福祉サービスを1割の自己負担で利用することができるようになります。
  [見本]※つくば市の例をお示ししました。各自治体によって異なることがあります。
  https://www1.g-reiki.net/tsukuba/reiki_honbun/word/e019FG00015779.rtf

 

Q. 社会資源を使うにはどのくらいのお金がかかりますか?
A. 障害福祉サービスは基本1割、医療サービスは基本3割が自己負担となります。
  しかし、申請を行えば精神科での診療は「自立支援医療」という制度を利用することで1割の自己負担となります。
  詳細については出身自治体の窓口でご確認ください。

 

Q. 社会資源を導入したいですが、障害者手帳を持っていません。
A. 社会資源の導入にあたって、手帳を持っていることは条件ではありません。
  居宅介護や重度訪問介護などの障害福祉サービスは認定調査を受けて、受給者証が交付されると利用できるようになります。
  また、訪問看護は医師の指示書があれば使えるようになります。訪問看護を利用したい場合、主治医の先生に相談してみましょう。