『すずめの戸締り』
1:
お話の方は、まぁいいか。
あーだら、こーだら、観た人間に考えさえる作り。
2:
アニメだから絵、絵ですよ。
新海誠の絵はアニメ史上画期的。
背景を写実的に描き、登場人物の省略を目立たなくさせています。
それから新海誠の個人的な経験で美しい光景を見て慰められたことがあるそうで、
そのために背景に異様に手を加えてるのは明らかでしょう。
良く描けていて、美しい。
背景を動かす撮影も見事。
手間、暇、金を掛けているのは明らかで、その効果は十分に出ています。
でも、そうするとアニメ部門、動きのある人物とか物(ぶつ)の「産毛並み」の欠点が明らかに目立ちます。
従来のアニメーションで目立つ欠点は、
1、手前→奥、奥→手前の動き。(精密な縮小と拡大が必要で、飛行機好きな宮崎駿でさえこの動きを避けている)
2、人物の歩行。(特にロングショットの映像で足が地に付いていないのが目立つ)
3、食事。(口と顔の動き、食べ物の描写が巧くない)
新海誠の『すずめの戸締り』では「1」「2」は問題無し。
ところが、食事のカットはねぇ、ダメだねぇ、相変わらず。
口しか動いてないし、食べ物を描けていない。
背景の自然が美し、過ぎだなぁ。
こういう秀作を見ると思い出す一文があります。
瀬戸君の描写は非常に繊細で色彩は微妙に美しい。
ジャガイモ(丸い小さなものはジャガイモ)も宝石のようになる。
この色の美しさは彼の身についた感覚によるもので、どうしてもこういう美しい色彩になるのである。
絵のもろさはこのような色の美しさからくる宿命かもしれない。
~月刊アトリエ No.566 1974年4月号 細密画の描き方 立石鐵臣~
こんな事が目に付くから、元アニメ撮影をやっていた友達と話が弾む(笑)。
タグ 新海誠 立石鐵臣 宮崎駿
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