『ツール・ド・フランス 100回 グレートヒストリー ~祭りの日々~』その1
“La Grand Histoire du Tour de France Jours de tete”の日本語訳
ツール100回目を記念に出したツールの歴史書。
2013年2月22日(金)発行
八重洲出版刊
ヤエスメディアムック387
\3,500+消費税
著者
フランソワーズ・ラジェ
セルジュ・ラジェ
フィリップ・カザバン
ジル・モンジェルモン
序文
ジャンマリー・ルブラン
日本語訳
宮本あさか
2:
画期的な本です。
ツールを実際に数十年取材した記者がまとめたツールの歴史書。
自転車ロードレースに関するこんな偉大な本が史上初めて日本で出版されました。
しかし、
間違いなくこんな本に日本人は興味が無く、売れません。
サイクルスポーツ誌を出版してる八重洲出版だから出したんでしょうが、この本に関しては間違い無く赤字、売れ残り、在庫の山。
売れるんだったら、10年前ツール100周年の時にレキップが出したツール100年の歴史の本の日本語訳を出したはずです。
オマケに\3,500+消費税というお値段。
ペーパーバックでこの値段は、買うのを躊躇するでしょう。
私はちと、悩みました。
こういう偉大な本は厚くて硬い表紙が付いた本にして耐久性を高めて欲しい。
3:
さて、まだ拾い読みしただけですが、やはり内容は日本人の自転車記者には書けない素晴らしい内容。
その一例を紹介。
3-1:
マイヨージョーヌを総合1位の選手に与えるようになったのは、1919年。
最初に着たのは、フランス人のウジェーヌ・クリストフ。
7月19日(土)第11区間、グルノーブル~ジュネーヴ区間のスタート時に着ました。
そして、史上初めてマイヨージョーヌを着た選手がカラーで印刷物に載ったのが、
“La Vie au Grand Air”誌。
…、とここまではジャン=ポール・オリビエの”Le Maillot Jaune”の英語訳に書いてあって知っていましたが、
それがどんな物かは、全く分かりませんでした。
それが、この本には、その”La Vie au Gramd Air”誌の表紙がp,87に転載されています。
!
ビックリしました。
息を飲む素晴らしさです。
私が持っている本では、この表紙が転載されている本は有りません(溜息)。
著者達の細大漏らさず伝えようとする熱い情熱と冷静な注意力に圧倒されました。
「神々は細部に宿る」の典型です。
この小さな転載された写真でこの本の偉大さが分かります。
この本を買う事を決めたのも、この小さな写真のためです。
4:
それでも、この偉大な本にも間違いが有ります。
p,262の上の写真の説明文
>1977年―観客から殴られた? それとも邪魔された?
とにかく、メルクスはやられた
→正しくは、「1975年」です。
5:
大ウソつきのランス・アームストロング、参加チームと選手に1ユーロも放送権料を支払わないツール主催者のASO、
こんなものを含めて自転車のロードレースを愛してる方、
ロードレースの深さを覗いてみたい方、
こういう方にはお勧めします。
タグ ツール・ド・フランス
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