『生誕300年記念 若冲展』
2016年4月22日(金)~5月24日(火)
東京都美術館
特設HP→http://jakuchu2016.jp/
伊藤若冲を知ったのはいつだ?
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョと違いそんな昔ではありません。
『美の巨人たち』で観たのは、今回も展示されている「乗興舟」(京都国立博物館蔵)
(放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/150328/)
若冲の本物を初めて見たのは、『栄西と建仁寺展』で今回も展示されている「雪梅雄鶏図」(京都、両足院蔵)
(私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1729.html)
のはず。
期間が一か月強と短いので、金曜日の午後8:00閉館を狙い4月29日昭和の日に行くと、
同じ考えの人が多く午後6:00過ぎに行くと大混雑。
入場待ち時間が昼間と変わらず30分。
土曜日と今回の連休期間中にも午後8:00まで開館すればこんなに混まないでしょう。
東京都美術館は金曜日だけでなく、今回の様な企画展では土曜日も午後8:00まで開館してほしいものです。
1:
大混雑に辟易、ウンザリしながらも、そこは若冲、
中々素晴らしい作品ばかり(笑)。
まぁ、若冲の実力と人気の証明と思える程寛大ではない私CYPRESSであります(笑)。
最初に見歩いた時は人混みで殆ど作品に近付けず(怒)。
出口前に臨時若冲ショップが『マルモッタン・モネ美術館蔵 モネ展』の時同様にあり、またしても大混雑(怒)。
それでも今回はマグカップがあったし、ほぼ毎回買うクリアファイルの種類も多く、まぁ少しは機嫌が直りました(笑)。
でも、会計の行列も長く…(涙)。
もう一回日を改めて来るかと出口へと向かい、会場の方を見ると来場者が半分以下に減っていたので、
再入場決定。
ようやく落ち着いて見られました(^.^)。
2:
巧いです、伊藤若冲。
最初に墨絵で分かります。
単に腕前がいいだけでないのも、何点か見れば分かります。
想像力とか心、絵心があるのが分かります。
心は何かと尋ねられても答に窮するのですが、ハッキリしているのは、
腕前だけで心を捉えるにはフェルメールの様に超絶技巧が無ければ不可能です。
日本画風の写実画に注目されがちですが、技術と集中力は墨絵の方が遙かに分かりやすい。
筆致や筆勢が墨絵だとハッキリ出るので隅々まで見ると、まぁ300年も残るのですから当然なんですが、
全く変わらないんです。
技術が身についても、集中力が続かないんです、我等素人の単なる好き者では(涙)、否、(笑)。
この途切れぬ集中力を私は「緊張感」がある、と言ってます。
2-1:
作品番号4:隠元豆・玉蜀黍図
これは、若冲が並々ならぬ技術の持ち主だったと分かる作品です。
全体を薄墨で描き、背景も薄墨で塗り潰しています。
そのまま背景を塗り潰せば題材の隠元豆や玉蜀黍との境が分かりにくくなります。
背景との境を際立たせるには、現在のマンガの様に輪郭線を描く方法もありますが、
若冲はそうせずにそこまで塗り潰さずに残しました。
つまり、紙の白さを残し、輪郭線の働きをさせたのです。
沒骨法と言うあれです。
題材の直ぐそば5㎜位まで近付けさせる技術も大したもんですが、
更に凄いのは背景に塗りむらが全く無い点。
紙を濡らし渇き具合を見ながら薄墨で塗ったのは間違いないですが、
輪郭線と同じ細さの塗り残しを残しながら塗り潰すのは、少なくとも私には(笑)、絶対無理。
3:
彩色画は細密写実画。
勿論、西洋の写実描写とは違います。
驚きはペンで描いた様な鋭く細い線描。
筆で描いたのなら極細の面相筆、それとも竹ペンを自作したのでしょうか、
西洋の様に羽ペンを作り描いたのでしょうか?
筆だとしたら、こんな線描、若冲しか出来ないんじゃないでしょうか?
3-1:
作品番号8:雪中雄鶏図
積もってる雪と降っている雪を描き分けています。
積もっている雪の重さ、
降っている雪の軽やかさ、
これを描き分けるなど想像した事も無かった大した事ない画才の私CYPRESSです(笑)。
4:
目玉
4-1:
動植綵絵(どうしょくさいえ)
巧い、素晴らしい、のは当然なので書かん(笑)。
ただ、この連作、近くで見るもんじゃありません。
5m離れても大丈夫。
近くからも見ましたが、桜花小禽図を初め花を沢山描いてる作品を見ると、主題が何だか分かりにくい。
4-2:
鳥獣花木図屏風
これだな、奇想の絵師の元(笑)。
250年前の絵なんだよなぁ…
でも、どう考えても20世紀になって描かれた物。
でも、250年前なんだよなぁ…
言葉を奪うだけの作品です。
ある意味、世界最高。
こんな言葉を奪う作品、他にある?
5:
まとめ
伊藤若冲、バッハの様に多才で楽しい絵師です。
可愛い絵もある、
伝統的な墨絵もある、
日本画的な写実描写もある、
他の絵師が描かない絵もある、
こりゃ楽しいです。
オマケに技術も楽しめます。
奇想の絵師と言われるのは、写実描写で鶏を描いたからでしょう。
鶏は結構気味悪いです、本物は。
江戸時代でもこんな描き方するんだ、って驚きが大きいんでしょうなぁ。
最大の驚きは、作品番号だと48、「鳥獣花木図屏風」。
こんな絵、250年前に他に誰か描けたでしょうか?
圧倒する才能、技術、こういう絵師もいいもんです(^.^)。
タグ 伊藤若冲 バッハ モネ 東京都美術館
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
『早子先生、結婚するって本当ですか?』その1
○放送
2016年4月14日~
木曜日 午後10:00~10:54
全回
フジTV系
○スタッフ
原作:立木早子
脚本:水橋文美江
演出:中江功、佐藤源太、山内大典
撮影:星谷健司
照明:富沢宴令
音楽:眞鍋昭大、MAYUKO、末廣健一郎
プロデューサー:橋本芙美、柳川由紀子
○出演
松下奈緒子…………立木早子、平和町小学校1年1組担任、独身
貫地谷しほり………久我山ミカ、3年1組担任、独身
佐藤仁美……………成増梅子、平和町小学校音楽教師、独身
小芝風花……………秋川莉莉、平和町小学校保険の先生、独身
八嶋智人……………千駄木廉太郎、4年1組担任、独身
尾藤イサオ…………立木辰志、早子の父親
松坂恵子……………立木尚子、早子の母親
川栄李奈……………守山風子、早子の妹、既婚
田中圭………………佐賀俊介
他
★評
第一話
見逃し~、
無料配信も時間が無く、見逃し~。
第二話
1:
第一話は視聴率6.8%だったとか…
納得の出来の悪さ。
これはダメだ。
マンガ原作ドラマにありがちな、登場人物の誇張過多の表情が現れた時から、
悪い雰囲気が漂い始め…
脚本が単調なんです。
強弱、緩急がありません。
最後に千駄木廉太郎先生(八嶋智人)への卒業生からのいい落書き、
今回のゲストの月島遼一(坂上忍)の思い遣り、
で盛り上げようとしても、そこまでが単調で退屈な話なので効果皆無。
2:
それでも、主人公立木早子先生(松下奈緒)が所々で何気ない表情を見せ、
どんな人物か分かる表情で中々いいんですが、
脚本の出来の悪さを補えず(溜息)。
早子先生に関して言えば、「マイペースでサバサバしている」設定で、
今回の表情から実は根は真面目だと分かるんですが、
それを引き立てる面がありません。
好ましくない面を描いてないんです。
隠された一面が人間の魅力になるんですが、何やら平板で単調な早子先生のままで、
女としても、人間としても魅力が描けていません。
次回第四話以降で描ければ、ドラマ自体を盛り返せるかもしれません。
私が好きな貫地谷しほりが出てるのが観る理由の一つですが、
この調子だと実力を発揮する機会も無さそう(溜息)。
3:
視聴率低迷のフジTVが再起に向け『ラヴソング』と『OUR HOUSE』で本気具合を示しましたが、
流石に3作目は無理の様です。
それでも次回第三話までは観てみますか…
タグ 松下奈緒子 貫地谷しほり 佐藤仁美 小芝風花 八嶋智人 尾藤イサオ 松坂恵子 川栄李奈 坂上忍 田中圭
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『重版出来!』その3
1:
2016年4月季連ドラ、出来のいいのが多い(^.^)。
この『重版出来』も出来がいい。
新人の奮闘振りをこれ程巧く描けた連ドラは今迄に観たことなし。
しかも、マンガを原作にして真面な作品になったのは、直ぐに思い出せるのは『のだめ』以来。
主人公心(黒木華)の奮闘振りに馬鹿馬鹿しい誇張が無く、目に優しい。
嘘が大変美しい。
オマケに今回も黒木華が好演している。
2:
いやらしい誇張が無いから、安心して観ていられる連ドラ(^.^)。
次回も絶対観ます(^.^)。
タグ 黒木華 オダギリジョー 荒川良々 濱田マリ 小日向文世 生瀬勝久 滝藤賢一 ムロツヨシ 安田顕 松重豊
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『ラヴソング』その3
『OUR HOUSE』その2
1:
このドラマもいいね(^.^)。
暖かい作りです(^.^)。
2:
気が強いけど、相手の事を考えられない桜子(芦田愛菜)。
亡くなった母親代わりで、一生懸命やってる訳です。
でも、実際は父親なんだな、この相手を突き放す態度はね。
それに対する「柔」のアリス(シャーロット・ケイト・フォックス)。
相手を認め、受け入れる寛容。
これが母親の役割。
桜子が頑張ってるのは、父親奏太(山本耕史)に認められたいのは明らか。
更にこのドラマが始まると(笑)、父親が新しい母親アリスと連れて来て、
アリスに嫉妬してるのも明らか。
こういう成長時代を終えた世代になると、桜子の言動が良く分かり、客観的に見る事が出来、
非常に微笑ましい。
勿論、当事者にとってはそれどころじゃないんだけどね、
それも分かってる(笑)。
3:
桜子を演じる芦田愛菜はいい、巧くやってます。
でもね、どうもイマイチ足らんものがあります。
イマイチ感情が薄いんです。
その原因が母親代わりのために自分の弱さを隠すためだと大したもんですが、
第二話までではまだ判断出来ません。
それに対しアリスを演じるシャーロット・ケイト・フォックスは母国語を奪われながらも、
これだけ心の柔らかさを表現しているんですから、とても素晴らしい。
4:
フジTV、頑張ってますな(^.^)。
次回も楽しみ(^.^)。
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『お迎えデス。』その1
○放送
2016年4月16日~6月18日
土曜日 午後9:00~9:54
NTV系
全9話
○スタッフ
原作:田中メカ
脚本:尾崎将也
演出:南雲聖一、塚本連平
撮影:水梨潤
照明:大前英樹
音楽:高見優
プロデューサー:伊藤響、高明希、大塚英治
○出演
福士蒼汰…………堤円、大学生
土屋太鳳…………阿熊幸、大学生
鈴木亮平…………ナベシマ、死神
門脇麦……………緒川千里、幽霊
濱田ここね………ゆずこ、死神・ナベシマの相棒
野間口徹…………シノザキ、死神
森永悠希…………加藤孝志、円の友達
大友花恋…………堤さやか、円の妹
根岸拓哉…………マツモト、死神・シノザキの助手
比留間游…………魔百合、黒巫女
松川星……………真奈美、幸の同級生
小林璃央…………佳織、幸の同級生
石野真子…………円の母親
大杉漣……………円の父親
他
★評
『ブラック・プレジデント』で超地味で引きこもり風の岡島百合を好演した門脇麦。
とても才能がありそうなので気に掛かっています。
だから出演者に「門脇麦」の三文字があると見逃す訳にはいきませぬ。
第一話
1:
このドラマ、設定がとてもいい。
どんな設定かと言う…
死んでもこの世に未練があると、成仏出来ない。
霊(→魂?)は、気に掛かる人や物のそばにいて、何とか巧く行ってくれと願っていても何も出来ない。
ただ見守るしかない。
この世の人は自分を愛してくれた人、気に掛けてくれた人が亡くなると、いつまでもそばで自分を見守ってくれていると思う。
でも、霊(→魂?)は極希にこの世、人の世界に極短い間関わる事が出来る。
人によってはそれを「霊体験」と呼ぶ。
実は成仏出来ない人の霊と死神がこの世で何かをしていて、少々この世に入ってしまった(@_@)。
2:
人は歳を重ねると、どうしても人を彼岸へ見送る事が多くなります。
この世に残された我々の方も、亡くなった人々への未練、思いがあるものなのです。
後悔だけではなく、亡くなった人の為にも悪い事は出来ないという誓いの気持ちもあります。
私は霊とか、心霊現象等は信じていませんが、
亡くなった人への思い、亡くなった人から思われていた事実、記憶、
こういうものはあり、その象徴としての「霊」という物は違和感は少ない。
まぁ、歳取った、ヲヤヂになったと言う事なんです(笑)。
こういう訳でこのドラマの設定は悪くないんです。
今回だと、
亡くなった陽造(伊東四郎)が娘玲子(菅野美穂)がダンナの正道(矢柴俊博)との離婚届を破ったり、
円(福士蒼汰)の体を借り出産の苦痛に耐える玲子の手を握り励まし、実は二人の幸せを願っている事を伝える場面、
がとてもいい(^.^)。
そして、円と共に船室の外で玲子の出産を待ち、安産を知り喜び、成仏する場面もいい(^.^)。
3:
さて、お目当ての門脇麦はどうだったでしょう?
第一話から死んじゃってる緒川千里を演じていますが、殆ど出番なしで無評価(笑)。
4:
幽霊の場面はCGを使ってるんですが、フルHDで撮影してるためか、
どうも実写との馴染みが悪い(溜息)。
5:
それにしても、死神ナベシマ(鈴木亮平)はなぜピンクのウサギの被り物を着ているんだろう?
6:
全体的には暖かい作りで予想以上に出来がいい(^.^)。
次回も観ます。
タグ 門脇麦 福士蒼汰 土屋太鳳 野間口徹 鈴木亮平 矢柴俊博 菅野美穂 伊東四郎
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『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』その2
『重版出来!』その2
1:
予想に反し、面白い(笑)。
黒沢心(黒木華)の性格描写が巧いから。
肯定的、積極的、人当りの良さ、これらを誇張せず、軽い刺激となって他の人間を動かしているから。
また黒木華の童顔がいい。
黒木華の童顔が汚れや弱さを知らない新人の初々しさに嵌っていて、これも巧く行っている理由の一つ。
書店員から「幽霊」とあだ名を付けられているコミック担当営業の小泉純を演じる坂口健太郎も弱々しさ全開でいい。
打ち切り寸前の成田メロンヌ(要潤)を担当する編集者壬生平太を演じる荒川良々もいい。
今回最後の成田メロンヌに対して何も出来ない苦悩を表すカット、今年観た連ドラの中では最高の演技(^.^)。
2:
この連ドラも現実感を失わないと成功間違い無し。
心は今のところ、順調に仕事をこなしていますが、そんなに巧く行くはずありません。
困難だけでなく、汚い面と接し対決せねばならなくなった時、どう解決するか、
これが今後のこのドラマの課題。
心に困難を与え、心の長所を汚さず、失くさずに解決出来るか、それも視聴者を納得させられるやり方で出来るか、
出来るとこの連ドラ、間違い無く佳作になります。
3:
荒川良々のカッコ悪い姿もいいんだけど、
五百旗頭副編集長を演じるオダギリジョーは中々の二枚目振り。
特にチョンマゲとジャケットにタイは、いかにもゆるい社風の出版社の有能な男そのもの。
こやつ、二枚目男優だと改めて実感。
4:
心に馬鹿馬鹿しい問題解決能力を与えていないから第二話までは巧く行ってます。
この調子で第三話以降も話が進むか?
楽しみです。
次回も観ます。
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『ラヴソング』その2
1:
さくら(藤原さくら)の歌の才能に気付いた夏希(水野美紀)。
自分の気持ちや感情を歌に載せる事を教える夏希。
そして歌う事の楽しさに気付いたさくら。
音楽のコンテストに出場希望する。
広平(福山雅治)は乗り気じゃなかったけど、出る気になった。
同居している結婚目前の中村真美(夏帆)が出血し倒れた時、
自分で連絡出来なかったさくら。
広平が何とか助けてくれた。
2:
出血した真美に吃音のために救急車を呼べなかったさくら。
広平に連れて行ってもらった立ち食いソバ屋でも吃音のために食べたい物を注文出来なかったさくら。
広平が言った「7秒の勇気」があればソバ屋で注文出来たかもしれませんが、それは自分のため。
しかし、倒れた友人の為に救急車を呼べないのでは役立たず。
そう、難しい事だけど自分の現状を認めたさくら。
自己嫌悪、怒りをぶつけるものは今のさくらには「歌」しかありません。
吃音を減らす訓練ではなく、役立つかもしれない歌しかありません。
今回は一歩前進と言うより、動き出したら抜き差しならないドツボに嵌った(@_@)。
吃音と直接関係してないかもしれないけど、前回同様動いたさくらです。
どこへ行くかは分からないけど、ここにいたら良くない、何も変わらないと動いたさくらです。
吃音の方が実際に経験している(と思われる)辛い事を脚本に取り上げた事は大変いい。
描き方によっては無意識に吃音の方を責める様な事を巧く描けてると思います。
現実感を失っていないので、興が冷めずさくらの恋の予感に感情移入しやすい(^.^)。
このドラマ、今回も出来がいい。
3:
「意識は稲妻、舌は蝸牛」
~by 開高健~
蝸牛の様に動きは遅くても、動いているさくらです。
次回、いよいよさくらが歌い始める(^.^)。
観ます。
タグ 福山雅治 藤原さくら 菅田将暉 夏帆 山口紗弥加 木下ほうか 田中哲司 由紀さおり 宇崎竜童 水野美紀
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美の巨人たち『葛飾北斎 「富嶽三十六景 山下白雨」』 と 日曜美術館『富嶽三十六景 北斎が見た富士を探せ』
美の巨人たち『葛飾北斎 「富嶽三十六景 山下白雨』
2016年4月16日(土)
TV東京系
(放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/160416/)
日曜美術館『富嶽三十六景 北斎が見た富士を探せ』
2013年1月5日(月)
NHKEテレ
1:
どちらの番組も北斎の富嶽三十六景の内、題名に地名が入ってない作品2点
「山下白雨」
と
「凱風快晴」
を
どこから見て描いたかを探りました。
PCと解析ソフトを使うと、
稜線の形
山頂の形
描かれている物の形と状態
から場所を特定出来るとか。
1-1:
まず、
「凱風快晴」
は、
朝日を浴びた富士山が見える→山梨県側
山頂がほぼ平らに見える
稜線の勾配が右の方が急に見える→北東側
以上3点を満たす場所が、
三つ峠(標高1785m)
ここからの富士山を更に標高を2倍にするとほぼ同じ形になる(@_@)。
1-2:
「山下白雨」
は、
山頂の剣ヶ峰が中央に見える→南西側、静岡県富士宮市白糸の滝
左側稜線下部に山塊がある→おそらく御坂山地だが、白糸の滝から御坂山地は見えない
→富士山の標高を2倍にし、更に上空2,500mから見る
そうすると、ほぼ同じ形になる(@_@)。
1-3:
先に放送された日曜美術館を観た時は、本当に驚きました。
20世紀になり、コンピューターが出現するまでは、おおよその場所は特定出来ても、
断定は出来なかったはずです。
北斎の「凱風快晴」と「山下白雨」だけでなく、
コンピューターや細密、精細に分析出来る機器が登場するまで、分析、特定出来ず理解が進まなかった絵画が多いはずです。
赤外線写真が発明、実用化されるまでは油彩の下に何が描かれているか全く不明でしたからね。
今後、作品を破損、劣化させることなく今迄以上に細密、精細に、正確に分析、解析出来る機器が実用化されると、
絵具の混ぜる割合、混ぜ具合、筆圧、筆致、重ね塗りの回数、方向、様々な癖、等も分かる様になり、
フェルメール、カラヴァッジョ、向井潤吉等の超絶技巧の秘密が明らかになるのも近いかもしれません。
更に贋作の鑑定も早く精確になるでしょう。
2:
二つの番組で調査、分析、特定、否、断定(笑)したのは、
「美の巨人たち」に出演したのは、
日本地図センター常務理事
田代博氏
「日曜美術館」の方は録画したBDを引っ張り出してきて再生すると、
筑波大学附属高等学校 東京都文京区
田代博先生
???
勤め先は違えど同じ名前だから調べてみると
同じ方でした(@_@)。
田代博氏のHPのプロフィール→http://yamao.lolipop.jp/profile.htm
タグ 凱風快晴 山下白雨 北斎 富嶽三十六景
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『OUR HOUSE』その1
○放送
2016年4月17日~6月12日
日曜日 午後9:00~9:54
全9回
フジTV系
○スタッフ
脚本:野島伸司
演出:永山耕三、澤田鎌作、加藤裕将
撮影:大野勝之、三村純一
照明:清水智
音楽:橋本しん
フードコーディネーター:原ゆう子
サックス指導:竹上良成
医療監修:高田哲也
救急指導:山本昌督
絵画協力:米満彩子
チョークアーティスト:松下萌子
プロデューサー:太田大、高田雄貴
○出演
芦田愛菜……………………………………伴桜子、伴家長女
シャーロット・ケイト・フォックス……アリス・シェパード、奏太の再婚相手
山本耕史……………………………………伴奏汰、桜子の父親、自称二流のサックスプレーヤー、でも仕事は割とある
渡辺舞………………………………………伴蓉子、奏太の嫁、故人
加藤清史郎…………………………………伴光太郎、桜子の兄
寺田心………………………………………伴新太郎、桜子の弟
松田芹香……………………………………伴桃子、桜子の妹
塚本高史……………………………………三上丈治、亡き蓉子の弟、焼き鳥屋店主
松下由樹……………………………………赤尾琴音、奏太の姉、救急病院で働く救命医
橋爪功………………………………………伴奏一郎、奏太の父親
高山善廣……………………………………赤尾拓真、琴音のダンナ、別居中、救急救命士
他
★評
子役演技力ナンバー2(ナンバー1は八木優希)の芦田愛菜が出るんだからに逃す訳にはいかんゼヨ。
第一話
1:
今回、芦田愛菜が演じる桜子は難しいそう。
口が達者で喋りまくらないかん。
今迄と違い、大人の女にならんといかん。
第一話での芦田愛菜は、う~ん、悪くはないけど、イマイチ。
次回以降に期待。
回が進むごとに巧くなっていく様な気がします。
シャーロット・ケイト・フォックスはNHKの朝ドラを観てなかったんで、
今回が初めて。
ふ~ん、悪くない。
芦田愛菜より巧い。
まぁ、当然か、と言いたいけど、そうじゃない年上の役者がいるから、
大したもんです。
2:
芦田愛菜、シャーロット・ケイト・フォックス、楽しみな役者がどんな演技をするか、
次回も楽しみ、楽しみ(^.^)。
次回も観ます。
タグ 芦田愛菜 シャーロット・ケイト・フォックス 山本耕史 八木優希 加藤清史郎 寺田心 松田芹香 塚本高史 松下由樹 橋爪功
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『特別展 国宝 燕子花図屏風 歌をまとう絵の系譜』
○期間
2016年4月13日(水)~5月15日(日)
根津美術館
HP→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
今年もやってきました、根津美術館の初夏の特別展(^.^)。
燕子花図屏風です。
今回は庭園のカキツバタが咲く前に行くつもりでしたが、HPで確認すると早くも咲いてた(笑)。
で、弘仁亭の池のカキツバタは咲いていた、一輪だけ(笑)。
ゴールデンウィークの頃は大人気で混むんでね。
予想通り入場者は少なかったけど、いつもの表参道とJR原宿駅の人出には辟易。
1:
「燕子花図屏風」
まぁ、相変わらず素晴らしい、当然だわな(笑)。
右隻から差隻へ、左隻から右隻へ、茎、葉、花を一つづつ見ると、
集中力が切れている描写がありません。
緊張感に満ちている絵の典型です。
カキツバタの配置には、以前にも書いた通り、かなり注意しているでしょうが、
全体の構図は考えてませんね。
左隻は左上から右下へ向かう対角線の構図ですが、
右隻は、配置は考えていますが、構図はどう見ても考えている様には思えません。
見て、楽しめ、美しさを堪能すれば十分なんですな。
ところで、この絵、先日見たカラヴァッジョの「エマオの晩餐」と画面の構成が似ています。
左側、左上から右下へと続く直線。
右側、左下から右上へ上り途中で水平になる平方根型(√)。
尾形光琳が描いたのはカラヴァッジョの100年後だけど、イタリアへ行ったことないよなぁ(笑)。
2:
「吉野龍田図屏風」
左隻が紅葉のモミジ、右隻が満開の桜。
両方とも豪華絢爛、賑々しく宜しい(^.^)。
右隻の桜はソメイヨシノではありませんな。
この屏風が描かれたのは1600年代。
ソメイヨシノの起源は古くても1700年代。
ソメイヨシノの花は純白でなく、桃色が入ってますが、この屏風の花は純白。
ソメイヨシノの葉は満開時に葉は出ていませんが、この屏風では既に出ています。
3:
「誰が袖図屏風」
2014年にこれが主役の展覧会もここで催されたし、
去年2015年に出た高階秀爾の「日本人にとって美しさとは何か」の表紙にサントリー美術館の「誰が袖図屏風」が使われました。
正に、
「不在による存在の暗示」
(同書、p.153)
であります。
4:
庭園
藤棚のフジはつぼみが大きくなっていましたが、開花まであと一歩状態。
相変らずの美しさ、気持ちの良さで、表参道とJR原宿駅の人出の多さの後だから魅力倍増であります。
5:
圓山應擧
まだHPには出ていませんが、展覧会スケジュールのパンフレットによると、
2016年11月3日(木)~12月18日(日)
に「開館75周年 圓山應擧」展が開催されます。
あの重要文化財「藤花図屏風」も展示予定(^.^)。
絶対行くもんねぇ(^.^)。
タグ カキツバタ 燕子花図屏風 尾形光琳 カラヴァッジョ 誰が袖図屏風 圓山應擧 藤花図屏風 エマオの晩餐
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』その1
○放送
2016年4月15日~6月17日
金曜日 午後10:00~10:54
全10回
TBS系
○スタッフ
原案:水野敬也『スパルタ婚活塾』
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、坪井敏雄、阿南昭宏
撮影:関毅、中村純一
照明:川里一幸
音楽:得田真裕
料理指導:住川啓子
書道指導:本田英之
美容皮膚科監修:橋本聡
医療取材協力:八坂よし子
プロデューサー:新井順子
○出演
中谷美紀………………橘みやび、青山美容ひふ科クリニック院長、MD、月1グルメ女子会のメンバー
松井珠理奈……………高校時代のみやび、17歳
藤木直人………………十倉誠司、調理師、和風割烹料理店「とくら」店主
徳井義美………………桜井洋介、商社勤務
健太郎…………………高校時代の洋介、みやびの同級生、17歳
夏木マリ………………橘昭子、みやびの母親
マルシア………………高津佳子、月1グルメ女子会のメンバー、広告代理店勤務
蘭寿とむ………………山本望海、月1グルメ女子会のメンバー、ファイナンシャルプランナー
長谷川京子……………入江千波、誠司が唯一頭が上がらない存在
平岩紙…………………伊藤優理、みやびの親友、既婚、子供二人アリ
東李苑…………………高校時代の優理、みやびの同級生
大政絢…………………野村梨花、みやびの部下の看護師、婚活中
瀬戸康史………………橋本諒太郎、カフェ店員、みやびのクリニックに出入りする
他
★評
久し振りの中谷美紀主演の連ドラ。
大竹しのぶに並ぶ現役女優最高峰だから見逃す訳にはいかん。
楽しみに観てみると…
第一話
1:
ラブコメだそうですが、「コメ」の部分は全然面白くない。
何回も書いてますが、笑いは感性やセンスと言う物が合わないと全く面白くないから、
面白くないのは問題ありません。
それ以外は、まぁまぁかなぁ…
ただ、
調理師十倉誠司演じる藤木直人がイマイチ。
毒舌、歯に衣着ぬ、言い換えれば率直、な誠司。
その横柄さによる人当りの悪さが弱い。
悪い事は重なるもんで、誠司が来ているシルバーのシャツにノイズ出まくり(溜息)。
このドラマ、藤木直人が足を引っ張るゾ(溜息)。
橘みやび(中谷美紀)の高校時代の同級生で、みやびの初恋の相手、桜井洋介を演じる徳井義美。
洋介の最初の出番でもシルバーのシャツにノイズ出まくり(溜息)。
フルHDでもダメかぁ(溜息)。
高校時代のイケメン振りに相応しく、40歳になるみやびの恋心が冷めない外観はいいんだけど、
演技はイマイチ。
誠司の強めの存在感が無い人物設定なので、何とか役を保っている程度。
中谷美紀はどうかと言うと、いい(笑)。
嘘っぽさが無い演技。
ラブコメは道化役と冷静な役が必要で、冷静な役は誠司。
道化は勿論誠司に振り回されるはずのみやび。
第一話では、まだ道化になっていません。
まぁ、登場人物と状況の説明の回だから、許す(笑)。
2:
イマイチ感が強いのは、笑いや可笑しさを予感させるものが無いから。
第二話が勝負、非常に重要。
第二話の出来で成功か失敗の分かれ道になるでしょう。
次回も観ます。
タグ 中谷美紀 夏木マリ マルシア 蘭寿とむ 藤木直人 徳井義美 平岩紙 大政絢 大竹しのぶ
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『重版出来!』その1
○放送
2016年4月12日~6月14日
火曜日 午後10:00~10:54
全10回
TBS系
○スタッフ
原作:松田奈緒子「重版出来!」
脚本:野木亜紀子
演出:土井裕泰、福田亮介、塚原あゆ子
撮影:杉岡克哉、大谷英樹
照明:橋本穣
柔道監修:朝日大、朝日七海(朝日道場)
劇中漫画:ゆうきまさみ
漫画協力:河合克敏、白川蟻ん、田中トモユキ、のりつけ雅春、藤子不二雄A、松田奈緒子、村上たかし
漫画監修:おおつぼマキ、泉二健人
漫画提供:留守key、のはら福
特別協力:小学館
音楽:河野伸
プロデューサー:那須田淳、東仲恵吾、八尾香澄
○出演
黒木華…………………黒沢心、週刊コミック誌「バイブス」新米編集者、元柔道日本代表候補
オダギリジョー………五百旗頭敬、「バイブス」副編集長、三蔵山龍と高畑一寸担当担当
坂口健太郎……………小泉純、興都館コミック営業部員
荒川良々………………壬生平太、「バイブス」編集者、成田メロンヌ担当
濱田マリ………………河舞子、書店員、仏像マニア、心の良き理解者
野々すみ花……………ミサト、小料理屋「重版」の女将、「バイブス」編集部員の行きつけ
小日向文世……………三蔵山龍、「バイブス」看板漫画家
生瀬勝久………………岡英二
滝藤賢一………………高畑一寸、10年連載を誇る人気漫画家
要潤……………………成田メロンヌ、漫画界一のイケメン漫画家
永山絢斗………………中田伯、新人漫画家、画力は酷いが才能アリ
ムロツヨシ……………沼田渡、三蔵山のベテランアシスタント
高田純次………………久慈勝、興都館に勤める清掃員?!、実は興都館社長
安田顕…………………安井昇、「バイブス」編集者、新人つぶしの悪名高し、オーノヨシヒト、タマルハイツ担当
松重豊…………………和田靖樹「バイブス」編集長
他
★評
第一話
1:
まぁいいんだけど、何か今迄に何回も観たことある様なドラマ。
若さによる情熱と勢いと怖いもの知らずと体力で難問を何とか解決する話。
単なる暇つぶしドラマ。
まぁ、それでも、次回も観ますか。
タグ 黒木華 オダギリジョー 荒川良々 濱田マリ 小日向文世 生瀬勝久 滝藤賢一 ムロツヨシ 安田顕 松重豊
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『ラヴソング』その1
○放送
2016年4月11日~6月13日
月曜日 午後9:00~9:54
全10回
フジTV系
○スタッフ
脚本:倉光泰子
脚本協力:神森万里江
演出:西谷弘、平野眞
撮影:長谷川諭
照明:成田卓嗣
音楽:菅野祐悟
選曲:藤村義孝
音楽監修:大里和生
ギターテクニシャン:大庭良介
ピアノ指導:上田能平
ドラム指導:中村優規、小寺良太
ベース指導:名村武
取材協力:日本言語聴覚士協会、菊池良和(九州大学病院)、松田真奈美(ジークフリーツ)
ボイストレーナー:Noriko.K
方言指導:藤原未来
臨床心理士監修:森川隆司
言語聴覚士監修:坂田善政
医療指導:山本昌督
吃音監修:全国言友会連絡協議会
吃音指導:川端鈴笑
プロデューサー:鈴木吉弘、草ヶ谷大輔
○出演
福山雅治……………神代広平、企業カウンセラー、臨床心理士、元プロ歌手、一発屋
藤原さくら…………佐野さくら、「ビッグモービル」の整備部勤務、広島の児童養護施設出身
菅田将暉……………天野空一、さくらの幼馴染
夏帆…………………中村真美、さくらの姉替わり、既婚、キャバ嬢
山口紗弥加…………渡辺涼子、空一が通う専門学校の事務員
木下ほうか…………滝川文雄、「ビッグモービル」の工場長
田中哲司……………増村泰造、総合病院の耳鼻科医、広平が大学時代に組んでいたバンドのベース担当
由紀さおり…………湯浅志津子
宇崎竜童……………笹裕司、ライブハウス「S」のオーナー、広平らの兄貴的存在
水野美紀……………宍戸夏希、広平の昔のバンド仲間、密かに広平に思いを寄せる、言語聴覚士
他
★評
第一話
1:
このドラマ、ひょっとすると、かなりの出来になりそうな予感(^.^)。
最初から我等視聴者の関心を掴む巧い脚本。
面白い(^.^)。
2:
傑作を予感させるのは、次のシークウェンス:
CM込みの1時間13分付近から1時間18分付近まで佐野さくら(藤原さくら)がピーター、ポール&マリー(PPM)の名曲『500マイル』を歌い始め、
広平(福山雅治)が合わせてギターを弾くシークウェンス。
ここが素晴らしい。
音楽が持つ力をこれ程見事に表したドラマ、映画、観たことありません(^.^)。
吃音者さくらが一歩踏み出しました。
オマケに、このシークウェンス、長回し、カット無し。
緊迫感に満ち大変宜しい。
3:
その前に宍戸夏希を演じる水野美紀がキーボードの弾き語りをするんだけど、
あらま、ビックリ(@_@)。
歌、巧いじゃん(^.^)。
キーボードもそれなりに弾いてる(^.^)。
4:
吃音で思い出す、
Stuttering Bill Denbrough
スティーヴン・キングの超長編”IT”の主人公。
「意識は稲妻、舌は蝸牛」
~by 開高健~
5:
音楽ドラマの佳作になりそうな予感濃厚な第一話。
これ程第一話の出来がいいドラマは、倉本聰脚本の『風のガーデン』以来。
次回も絶対観ます(^.^)。
タグ 福山雅治 藤原さくら 菅田将暉 夏帆 スティーヴン・キング 木下ほうか 田中哲司 開高健 宇崎竜童 水野美紀
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『向井潤吉 水辺の情景』
○期間
2016年4月2日(土)~7月24日(日)
○場所
世田谷美術館 向井潤吉アトリエ館
HP→http://www.mukaijunkichi-annex.jp/
『美の巨人たち』で向井潤吉を観た記憶があるので、調べると2004年7月10日放送だった(^_^;)。
速水御舟の「炎舞」、川合玉堂の「鵜飼い」、ブリューゲルの「バベルの塔」、なんかが放送された年なんだぁ…
完全に大昔じゃん(笑)。
NHKEテレの『日曜美術館』で放送されたのが、今年2016年2月21日
(放送分HP→http://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2016-04-03/31/3034/1902672/)
初めて行くんでHPの御意見に従い、田園都市線駒澤大学前駅を出ると駒澤大学法科大学院で右折、
その後は道なりに直進、弦巻中学を目指しました。
少々行き過ぎ、戻ろうとすると突風。
すると、満開を過ぎたソメイヨシノが花びらを撒き散らし桜吹雪(^.^)。
突然の歓迎に、良い予感を感じ、少々道を戻りました。
この美術館はその名の通り昭和37年に建てた向井潤吉の自宅だった建物で、普通の民家で、小さい。
新宿区立佐伯祐三アトリエ記念館並に小さい。
けど、植木も多く中々気持ちいい。
民家のそのもののドアを開け、受付で入場料\200を払い、
なんと、スリッパに履き替えて入ります(@_@)。
いや、「入る」ではなく「上がる」です。
土足厳禁であります。
土足厳禁の美術館、初めてです(^.^)。
1:
いや、驚きました(@_@)。
この向井潤吉、当然ですが、巧い。
岡倉天心が横山大観、下村観山、菱田春草に湿潤温暖な日本の空気の質感を表現法を考えさせ、朦朧体が生まれました。
それ位湿度に満ちた日本ですが、川合玉堂が「山雨一過」で初夏の雨の後の太陽の輝きを表したように、光を分散させ和らげる湿度が減り光が輝く事も当然あります。
向井潤吉はその光を捉え、表現しています。
明るさや光と言うのは絶対的なものではなく、暗い中にも他よりは明るい所があると言う事です。
それを向井潤吉は捉え、描写しているのです。
更に、先日上野で観たカラヴァッジョの様に、3Dかと見紛う様な飛び出す絵も描いてます。
技術だけでなく、空間感覚にも大変優れていた絵師であるのが分かります。
カラヴァッジョ並の絵師なんです、向井潤吉。
近付いて見ると光の表現だけでなく、水の表現も、当然ですが、巧い。
今回の企画展の題名から分かる通り、絵に水(川、海、水を張った水田等)入っている物が殆どです。
風景画を描いたことがある方なら分かると思いますが、屋外の水を描くのは非常に難しい。
風により1秒たりとも、同じ表情を見せないからです。
我等素人の好き者は描く場所を表すにはどの瞬間を描けばいいのか、あまりにも変化が早く、激しいので、判断出来ないのです。
状況の判断力が無いんです、我等素人には(涙)。
まぁ、これだと判断出来てもあの形がある様で形の無い水を描けるはずもないんですが(笑)(涙)。
それに、動体視力とか言うヤツも我等素人には無い、劣っている(涙)。
2:
作品の感想など
さて、個人的には海を描いた作品より農家を描いた作品の方が好みに合いました。
だから土蔵1階の展示室Aの作品が良かった。
印象が強かった絵は…
2-1:
展示番号7:早春の水路
埼玉県川越市下新河岸
1982年
驚きましたね。
川縁に生えている雑草の光り輝き(@_@)。
正に生命の芽生えです。
輝く緑色です。
これが飛び出て来る様に見えるんです。
背景の常緑樹と落葉樹の地味でくすんだ重めの色との対比もあるんですが、
非常に新鮮で目にも鮮やか。
そして所々絵具を盛りあげ、そこに照明が当り輝きを見せています。
この近景の雑草だけ艶が出る油を使ってるのかと思いよく見ると、違いますね。
全体に同じ艶になっています。
こんな描き方、技術、素人には見当もつかん(笑)。
2-2:
展示番号10:雨後千曲川
長野県下水内郡豊田村豊津峪
1977年
崩れかけた、崩れつつある、茅葺きの建物。
農家と言うより納屋かもしれません。
この建物の壁の描写が凄い(@_@)。
写真の様な現実感、突出感、存在感。
とにかくこの壁が浮き出て来るんです(@_@)。
壁土で光が当る部分の明るい黄土色、影の部分の褐色と呼んでいい濃い黄土色。
柱の濃褐色。
壁に斜めに置かれた竿とその陰、色は濃褐色。
陰の中の窓が二ヶ所、その桟が風雨で風化し白っぽい褐色、ベージュになっていて存在感が出ています。
全部で5色程しか使ってないのに、この写真の様な写実感(@_@)。
近付いて見ても、特別な技術では描いていません。
違うのは、絵の中でこの壁だけが平面なんです。
ここだけが鋭く、他の部分は曖昧に描いてます。
この壁にだけ光が当ってます。
少なくとも光が当ってるのはこの壁だけだと強調してます。
但し、この茅葺きの建物のすぐ後ろにある柿と思われる落葉樹は鋭い筆使いで描き、近景であると強調しています。
そして、近景、中景、遠景へと向かうに従い物を大きく捉え曖昧さを増し、遠近感、距離感を出しています。
この曖昧さが表わすのが題名からも分かる通り、雨、空気中の水分です。
そしてここにも、雨上がりの光の煌めきと明るさが(^.^)。
素晴らしい絵です。
今回の展覧会のHPとチラシにも目玉として使われているのがこの「雨後千曲川」ですが、
残念ながらこの描写の迫力が全く再現出来ていません。
凄い絵であり、凄い技術です(^.^)。
凄い絵師です、向井潤吉(^.^)。
2-3:
展示番号12:晴映
岩手県上閉伊郡宮守村
1976年
この絵の葉を落した木々が影を落とす農家もすんごい写実感(@_@)。
飛出し、浮き出してくるんです(^.^)。
これもねぇ、どうやってこの現実感、写実感、3D感を出してるのか、分かんないんです(笑)。
ぐっと近付いて見ても、油彩独自の絵の具の伸び、筆使いで特に変わった事はしていません。
まぁ、それが分かればオイラも向井潤吉並の絵師になってますな(笑)。
弱々しいけど明るい早春の光、これを見事に表現してます。
2-4:
展示番号14:水辺の曲り家
岩手県稗貫郡大迫町内川目
1976年
この絵は今迄挙げた3作程の強烈さはありませんが、近付くと向井潤吉の超絶技巧がよく分かります。
画面中央、農家の軒下に薪が積み重ねてあり、その前に若い木が7本程あります。
そして薪の右側に、またしても(笑)、農家の壁が。
絵の中で、この中央の部分だけが、またしても、現実感、写実感、3D感(@_@)。
素人の私にもこの7本程の若木の描写がかなり難しいと分かります。
何と言っても、全体の中でも大変細く、色の面積がとても小さい。
下手に強く描写すると目立ち過ぎ絵のバランスを崩し、絵を壊します。
向井潤吉が細心の注意と集中力で、決死の気合いで描いたのは間違いないでしょう。
2-5:
展示番号15:渡月橋々畔にて
京都府京都市右京区嵯峨
1957年
あの有名な京都嵯峨野の渡月橋です。
有名過ぎ、見慣れ過ぎ、題名と物自体は何の感興も起こさないんですが、
この絵は、何やら視線と心を捉えて離さない魅力があります。
この展覧会で展示された他の作品と違い、タッチが粗い。
荒々しく描いていると言うのではなく、物を細部にこだわらず、大きく塊と捉え描いていると言う事です。
全体の印象、この絵にも光を感じます。
光に満ち溢れているにではなく、暗い中でも光が当ってる所がある、という感じです。
渡月橋の橋桁、橋脚に光りが当ってる部分があり、光の存在、光源が分かるんですが、
どうもそれだけではありません。
それが何なのか分からないし、どう描いたのかも分かりません。
3:
まとめ
穏やかな絵ばかりです。
描いている物は日本独自の自然を添い寝する文化、生活です。
日本の気候風土に合わせ、作られ、工夫発展してきた農業、農家、農村。
西欧文化を取り入れた無理が無いんです。
気候風土に対立するのではなく、合わせていますから自然と言う物に馴染み目に優しい。
そう言った自然の中の一部として農家を描いているのですから、当然穏やかになるでしょう。
向井潤吉の絵に郷愁を感じるのは、普段の生活が日本の気候風土に合わせた自然発生的な生活をしてないからです、
私CYPRESSを筆頭に(笑)。
そして、光の描き方が非常に巧い。
湿度が少なく、光が散乱せず強烈な存在になるのも、確かに美しいです。
しかし多湿のために光りが散乱し朦朧とした存在になっても、光は存在しています。
弱まった光でも、光はやはり光なのです。
その光を向井潤吉は完璧に捉え、描いています。
屋外の自然光の表現では、向井潤吉はクロード・モネより遙かに巧い、
と言いたいとこですが、モネが描いたフランスの光を知らんので、あまり偉そうな事は言えません(笑)。
それでもねぇ、最近来たモネを思い出してみると、絵自体は向井潤吉の方が遙かに巧い。
弦巻中学の桜吹雪の歓迎通り、大変素晴らしい一時を過ごしました。
また、行くゼイ(^.^)。
4:
その他
上に書いた「早春の水路」を初め、向井潤吉は1980年代前半、埼玉県川越市で多くの作品を描いてます。
丁度その頃、私も川越近辺でよく自転車でツーリングをしていました(^.^)。
ひょっとすると、向井潤吉とすれ違ったかもしれないし、同じ景色に心を捉えられたかもしれません。
こういう偶然を「縁(えにし)」と言います。
川合玉堂に続き、またしても素晴らしい絵師との縁を感じ、大変嬉しい(^.^)。
タグ 向井潤吉
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
『オレンジデイズ』その3
1:
このドラマ、音楽がいいね(^.^)。
記憶になんで残ってなかったんだろう(^_^;)?
2:
今回は、確かに恋の芽生えだようなぁ(^.^)。
A,
沙絵(柴咲コウ)、大事なヴァイオリンを売る。
沙絵、真帆(小西真奈美)と知り合う。
↓
B,
櫂(妻夫木聡)、茜(白石美帆)から沙絵(柴咲コウ)の生い立ち、耳の病気の事を聞く。
↓
C,
障碍者の集い、市民のクラシックサークルで切れる沙絵。
そして、自分の耳が悪くなった事を初め、櫂に八つ当たり。
↓
D,
櫂、祥平(成宮寛貴)、啓太(瑛太)、東都大学で沙絵が売ったヴァイオリンを探し、見つけ、買い戻す。
↓
E,
沙絵、茜と共に三人にお礼の飲み会を開く。
そこで櫂が沙絵の不自由な耳を馬鹿にされていると聞き切れ、ケンカ。
実は誤解。
櫂は3回(C,D,E)も櫂の為にやってあげてる。
ひゅ~、ひゅ~(笑)。
重要なのは、C。
櫂が沙絵を抱き締めようとしたけど、出来なかった事ではなく、
沙絵の愚痴を聞いた事。
ドラマの中では、沙絵の親友の茜にも話していません。
他人に話せばその人にも不快感を与える様な事です。
だから、誰にでも話せる事ではありません。
特に感情に任せて話せば、相手も傷つきかねません。
そう、櫂なら一緒に傷ついてくれるかもと、甘えを見せているのです(^.^)。
3:
市民グループでお気軽クラシックで弾いていて、沙絵が段違いの実力を見せた曲は
メンデルスゾーン「歌の翼に」
東都大学で櫂が訪れた管弦楽のグループが演奏していたのは、
モーツァルト交響曲40番第3楽章
4:
今回第二話も、実は、悪くなかった(^_^;)。
12年前、私は何を観ていたのだろう(^_^;)?
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『オレンジデイズ』その2
1:
ひや~、映像がSDだよぉ(笑)。
矢島啓太を演じる瑛太が若ぇ~(笑)。
堺田教授を演じる小日向文世、髪、多い(笑)。
桐嶋あゆみを演じる上野樹里、前の年2003年の『ジョゼと虎と魚たち』の時と同じくデブだ(笑)。
今より10㎏近く太かったんじゃないか?
2:
改めて観ると、意外や、いい(笑)。
う~ん、12年前に観た時はもっと出来が悪かった気がしたんですが…(^_^;)。
私CYPRESS、何を観ていたんでしょう(^_^;)?
でも、最後に沙絵(柴咲コウ)が櫂(妻夫木聡)にキスしちゃって、
もうこのドラマ終わりじゃん(@_@)。
第一話で完結しても、全然問題ない。
と言う事は、第二話以降、話の進め方がかなり難しい。
3:
沙絵を演じる柴咲コウも、最近よりは、デブだ(笑)。
3㎏程重かったんじゃないだろうか?
それでも、4年前から耳と口が不自由になった役には合っている。
あの目がいい。
少々白目勝ちの目に怒りがあり、自分の不運に常に怒りを感じている沙絵に嵌っています。
最後に櫂にキスする前に見つめる表情は、「目は心の窓」なっていて悪くありません。
第二話以降、どんな演技をしていたか忘れているので、やはり観ねば(^.^)。
4:
啓太演じる瑛太、珍しくエラく地味な役。
5:
『オレンジデイズ』と言いながら出て来るのは、柚子じゃん。
だったら『シトラスデイズ』の方がいい。
でも、そんな細かい事はどうでもいいか(笑)。
6:
と言う訳で、第二話以降が楽しみになりました、
色々な意味で。
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『オレンジデイズ』その1
これ、放送を観ました。
大して面白くなかった。
でも、柴咲コウはキレイだったし、妻夫木聡は中々カッコ良かった。
それに、上野樹里が出ていたんだけれど全く記憶に無し。
だから観直したかったんですが、自宅近辺のレンタル屋さんは全滅。
中古のDVDboxをBookoffでよく見掛けても内容と値段で買う気にならず。
そんな中、Amazonをブラブラしていたら2016年の3月にBDbox発売予定を発見。
更にAmazonビデオに発見、プライムビデオだからタダで観られる(^.^)。
こんな出来の悪い連ドラに金掛ける気皆無だから、超ラッキー(^.^)。
この連ドラ、北川悦吏子が全く書けなくて自分の『愛していると言ってくれ』を焼き直しているとしか思えん。
ところでこの連ドラのBDbox、何と、リージョンフリー。
と言う事はだね、日本以外の国でサーバーに合法的にアップロード可能じゃない(@_@)。
TBSはこの連ドラを捨てたのかね?
第一話
1:
冒頭、沙絵(柴咲コウ)が弾いているのが、有名なバッハの無伴奏ヴァイオリンのパルティータ3番の「ガヴォット」。
演技には問題無い柴咲コウですが、ヴァイオリンはダメ、全くダメ。
あの持ち方、演奏の仕方は完全に素人、どう見ても撮影前に練習したようには見えません。
弦を押さえる左手の指が全くヴィブラートしてないのが致命的。
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『没後100年 宮川香山』
2016年2月24日(水)~4月17日(日)
サントリー美術館
HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2016_1/index.html
宮川香山を知ったのは『美の巨人たち』の放送で。
「渡蟹水盤」
2008年1月19日(土)放送
放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/080119/index.html
私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1641.html
「葡萄ノ蔓ニ蜂ノ巣花瓶」
2011年12月10日(土)放送
放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/111210/index.html
私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1656.html
明治の超絶技巧の工芸品なんですが、
『超絶技巧! 明治工芸の粋』(2014年4月19日(土)~7月13日(日)、三井記念美術館)
には、なぜか出品されませんでした。
(私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1758.html)
1:
今回展示されたのは、二つの技法に分かれます。
渡蟹と猫に代表される「高浮彫」
それと、
素地に各色の絵や文様を描き、それから釉薬をかけ焼成する「釉下彩」。
2:
高浮彫
2-1:
作品番号139:高取釉高浮彫蟹花瓶
宮川香山と言えば蟹か猫。
その蟹が最初に展示されています。
東京国立博物館にもありますが、重文故か、まだ見たことありません。
見事です。
いつ動き出してもおかしくありません。
形、質感共に素晴らしいですが、今回近付いてよく見るともっと凄いのが分かりました。
目です。
少々知性がありそうな蟹の目をしているんです。
フィギャやプラモデルを作った事のある方なら御存じだと思いますが、
目を入れる、目を塗るのは非常に難しい。
TVで人形師の方が面相筆で目を簡単そうに入れていますが、
その道数十年の方だから簡単そうに入れている様に視聴者には見えるだけです。
我等素人にはとても出来る技ではありません。
我等素人の好き者が人形に目を入れると、単なる黒丸で知性や感情等脳の動きが分かりません。
ところがこの宮川香山の蟹には、本能に動かされてるだけとは言え、蟹独自のあの表情が目にあるのです。
この蟹花瓶、見飽きることがありませんでした(^.^)。
2-2:
ところが、
「第二章 高浮彫の世界」
で他の超絶技巧の高浮彫を見て行くと、5作品も見ないうちに疲れました。
高取釉高浮彫蟹花瓶は二匹の蟹のみ超絶技巧の細密写実表現で、花瓶は釉薬で作った模様だけです。
ところがそれ以外はエラくゴチャゴチャしています。
高浮彫はどれも見事なんですが、視線を跳ね返し直ぐに「満腹」状態。
このコーナー、全部で56作品、更に対になってる物もあるのでそれ以上実際にはあります。
明治時代の外貨獲得のための輸出用が多いので、白人の好みなのかもしれません。
マイセンの磁器を見ると、宮川香山のゴテゴテ具合も納得行きます。
有田焼や『超絶技巧! 明治工芸の粋』で見た薩摩の超絶技巧品のまとまり具合とかなり違います。
と言う訳で蟹以外は私の趣味に合いませんでした。
3:
釉下彩
釉下彩というのは、器の素地に彩色しその上に釉薬をかけ焼成する方法。
こういう風に書くと簡単そうですが、実際には焼成で多くの色を発色させるのは大変難しいらしい。
宮川香山の凄さは一回の焼成で何色も発色出来た事だそうです。
釉下彩の難しさは焼き物に関しては全くの門外漢なので宮川香山の評価を出来ませんが、
作品の出来栄えは、こんな私でも分かります。
特に高浮彫で「お腹一杯」状態だったので、簡素で優雅とも言う作品ばかりで目が洗われる思いでした。
3-1:
作品番号105:青華蟹図平花瓶
精華とは染付の事で、有田焼でお馴染み。
白地に呉須(酸化コバルト)で紋様や絵を描き、ガラス質の透明釉を掛け焼成し、
藍色に発色させた磁器。
高浮彫の蟹同様にこの蟹の目も、ちゃんと蟹の目になっています。
3-2:
作品番号120:釉下彩紫陽花図花瓶
紫陽花の花の中央をくり抜き、透明釉を入れ焼成してます。
内側から見るとどうなっているかと、反対側に回って見ると、
何と、
アゲハチョウが(@_@)。
同じ様にくり抜き、透明釉を入れ羽の模様にしています。
これには意表を突かれました(^.^)。
中々おしゃれな作りです。
3-3:
作品番号89:釉裏紅暗花柳図花瓶
釉裏紅(ゆうりこう)は染付の一種で、銅系の顔料を使い透明釉をかけ焼成し、紅色を発色させる技法。
暗花(あんか)とは中国の陶磁器の技法の一つで、
素地に軽く模様をつけ、釉薬をかけ焼成し、模様が薄く透けて見える技法。
つまり、ヤナギの模様を素地に軽く彫り銅系顔料を塗り透明釉をかけ焼成した花瓶。
離れると紅色の花瓶ですが、近くで見るとヤナギが現れてきます(^.^)。
これも凝ったお洒落な作りです。
3-4:
作品番号117:釉下彩籐花図大花瓶
藤の花を描いた花瓶は並河靖之も七宝で作ったのよなぁ、と思って見ていたら、
解説にも書いてあった(笑)。
4:
まとめ
高浮彫の派手さは正にアールヌーボー。
宮川香山の焼き物は殖産興業のための輸出品が多く、商売だから当然お客さんの好みに合わせます。
19世紀後半の欧米はアールヌーボー全盛期ですから、当然この手のゴテゴテ型になるでしょう。
これは日本だけでなく、当時のマイセンでもゴテゴテした作品が少なくありません。
しかし蟹、猫、鳩等、動物をモチーフにした作品は日本独自の物。
蜂の巣と蜂なんか、白人には絶対発想出来ない作品です。
欧米人の度肝を抜いたのも容易に想像出来ます。
とても素晴らしい作品しかこの展覧会には展示されていません。
日本人の発想、想像力、技術力、研究心、これらの特異性、素晴らしさを堪能するには最適の展覧会です。
高浮彫のゴテゴテ感にウンザリするか(笑)、心を奪われるか(笑)、自分で確かめに行くのも面白いと思います。
タグ 宮川香山 サントリー美術館 高浮彫 釉下彩 釉裏紅 暗花 並河靖之
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
鈴木其一(仮称)、サントリー美術館で開催予定(^.^)
2016年9月10日(土)~10月30日(土)
琳派でも江戸後期、幕末の絵師ですから残っている作品の状態が大変良好。
完成した当時の状態に近い。
まだハッキリとは分かりませんが、N.Y.のメトロポリタン美術館蔵の『朝顔図屏風』も展示される様です。
光琳、酒井抱一の『燕子花屏風』に触発され、更に新たな作品になった屏風です。
その出来栄えは、まだ実物を見たことありませんが、世界最高峰の絵画です。
相変らず日本人の想像力と発想の独自性と奔放さを見事に実証した絵画です。
時計の様に回転する構図で、白人には決して発想出来る作品ではありません。
たとえ『朝顔図屏風』が展示されなくても、鈴木其一のみの展覧会はここ数年開催されていませんから、
是非、何が何でも見に行きたい展覧会です(^.^)。
参考
サントリー美術館HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/future.html
タグ 鈴木其一 朝顔図屏風 サントリー美術館
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
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『松尾スズキアワー「恋はあなたの、おそば」』
前編
2016年3月30日
水曜日午後10:55~11:20
NHK総合
後編
2016年3月31日
木曜日午後10:55~11:20
NHK総合
1:
大人計画の松尾スズキ、皆川猿時、平岩紙、
それに、大竹しのぶ、多部未華子が出るので観てみると…
2:
う~ん、いちお―喜劇なんだろうけど、全然面白くない(溜息)。
松尾スズキと笑いの感性が違う、合わない、と言う事(溜息)。
3:
内容はともかく、多部未華子は本当にキレイな大人の女性になったなぁ(^.^)。
歌も歌ったけど、いちおー女優だからあれ位出来れば十分。
タグ 大人計画 松尾スズキ 皆川猿時 平岩紙 大竹しのぶ 多部未華子
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