広末版『愛と死をみつめて』その11
第一夜その2
1:
ミコさんの病室を飾る花々
以前にも書きましたが、犬童監督はミコさんへの鎮魂を祈り頻繁に病室の花を換えています。
詳しく見ていきましょう。
1-1:
30分付近
最初の病室の場面。
マコさんへ手紙を書いています。
下手、机の上…赤いバラと白いかすみ草
上手、物入れの上…白に濃い青紫系の縁取りのトルコキキョウ
1-2:
42分付近
マコさんが大阪駅にビール売りのバイトに来て、ミコさんのお見舞いにも行く。
机の上、ナデシコ(多分、ピントが合わないので…)
1-3:
49分付近
中田慶子(山口紗弥加)がミコさんをお見舞い。
窓際、赤に白の斑入りカーネーション
物入れの上、ピンク(おそらく、イマイチよく見えません)のバラとかすみ草
1-4:
52分付近
マコさんからの手紙を読むミコさん。
ピンクのバラとかすみ草
1-5:
58分付近
重光医師が大事な話をする。
物入れの上、黄色のバラとかすみ草
1-6:
1時間5分付近
マコさんが駒ヶ岳で取った写真を見るミコさん
机の上、白地に青紫の縁入り
1-7:
1時間14分付近
病状を知ったマコさんが阪大病院へやって来る。
物入れの上、ピンクのナデシコ(→ピントが合わないので、多分)とかすみ草
机の上、オレンジのガーベラ(→多分)
1-8:
1時間26分付近
ミコさん、お母さんに手術を受ける決心を伝える。
物入れの上、ピンクのナデシコ(→ピントが合わないので、多分)とかすみ草
机の上、オレンジのガーベラ(→多分)
…ほほ~、マコさんがやって来た場面と花が変わってません。
…ミコさんの家族が来る前、マコさんと話していた時から有りましたから、マコさんと関係が深いと言う事です。
…、と言う事は、顔の手術と言う非常に重要な事についてマコさんの方が参考になった、力になったと花でも表してますな。
1-9:
1時間32分付近
ミコさん、病室で鏡を見ながら死と恋について考える。
『テネシーワルツ』を歌う。
物入れの上、黄色のダリア(かキンセンカ、キク科の八重咲、ピントが合わないので多分)とかすみ草
机の上、薄紫のカーネーション(多分)
1-10:
1時間36分付近
マコさん、手術前のミコさんに会いに来る。
机の上、白のハルジョオンかヒメジョオン(→素人にはこの映像から判断不可能)
物入れの上、赤いバラとかすみ草
1-11:
1時間41分付近
花とは違いますが、ミコさんの枕カバーと敷布が小花柄。
1-12:
1時間49分付近
またしても花とは違いますが、ミコさん、整形のための写真を撮る。
衣装が白のブラウスに白地に薄い青の花柄のカーディガン+白と水色とグレイのチェックのスカート
1-13:
1時間51分付近
手術前、ミコさんの家族が訪れる
机の上、朱色のガーベラとかすみ草
物入れの上、赤に白の縁のカーネーション
☆第一夜の病室を飾る花に関しては、これで終わり
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広末版『愛と死をみつめて』その10
第一夜その1
1:
やる気の無い犬童一心監督
何かねぇ、犬童一心監督、やる気をなくしてると想像出来る演出がかなり有り、目に付くんです。
本当は2005年に作る予定だったらしいですが、何らかの事情で2006年に延びたとか。犬童監督のやる気を奪うようなことが起きたんでしょうなぁ。
やる気の無さそうな物や怪しい物、そんな演出を書いていきます。
1-1:
マコさんが信濃寮で荷造りする場面で、段ボールに詰めガムテープで張ってます。
どこかの書き込みで東京オリンピックの頃にはガムテープが無かったと書いてあったので、
調べると有ったようです。
不二紙工業株式会社(現リンテック)の歴史
http://www.lintec.co.jp/ir/library/pdf/lintec_wave/w31_2.pdf
1959年には埼玉県蕨市に新工場を作り量産体制に入っていたと書いてありますので、
無かったとは言えません。
1-2:
現在を表すマコさんが登山をする冒頭のシークウェンス、雪も無いのにピッケルを使ったりして失敗してます。
1-3:
二人が阪大病院共同炊事場で出逢う場面
ラジオから流れる音声、全然ダメ(涙)。AM放送の音声になってません。
音質が良過ぎます。
過去を表す方も冒頭のシークウェンスから失敗してます。
何かねぇ、犬童一心監督、やる気をなくしてると想像出来る演出。
1-4:
二人が阪大病院入院中、買い物に行く場面。
このドラマを放送を含め10回は観てますが、古い大阪市街のオープンセットの出来の悪さには毎回ガッカリ(涙)。
人の暮らしと雨等の自然現象で汚れなくちゃおかしいのに、汚れ皆無(溜息)。
ドラマは夢の世界で遊んでるのに、1963年の中に突然このドラマが作られた2005年が飛び出し現実の生活に引き摺り戻されます。
ラジオ放送の「高音質」さとは違い、セットの方は時間が無かったために汚しが出来なかった気がします。
信濃寮の内部セットが古びた感じにしてあるので、余計にキレイさが目立ちます。
1-5:
マコさん、退院後、実家にいるとミコさんから手紙が届く場面。
マコさんのお母さんが聞いているラジオドラマが『君の名は』。
放送されたのが1952年(昭和27年)。
ヤレヤレ(溜息)。
ラジオしかなかった頃の演出ですが、このドラマのこの時点は1960年(昭和35年)の設定ですから、
またしても楽しい夢想の世界に現実が無遠慮に土足で入って来ました。
これも犬童監督のやる気の無さの表れでしょう。
1-6:
31分付近
ミコさんが大学合格を両親に知らせる場面。
ここも何か怪しいんです。
同志社大の有る京都と大島家が有る設定の赤穂は、当時4~5時間掛かったのではないでしょうか?
まずは公衆電話か電報で知らせるのが妥当。
だから、こんな一言が欲しい。
>電話では聞いとったけど、やっぱり本物の合格票を見んと安心出来へんかったわ。
1-7:
40分付近
大阪へビール売りのバイトに来たマコさんが阪大病院を訪れる。
クマゼミの鳴き声を入れて夏を演出してるんですが、全然暑そうに見えません。
曇り空は許せるとしても、草なぎ剛が汗を全く掻いてないんです。
これもねぇ、犬童監督のやる気の無さなんじゃないでしょうか?
1-8:
51分付近
テニスに明け暮れるマコさん。
夏の設定なので、背景に葉が落ちた木を入れないように撮ってはいるんですが、
焦点が合わない遠景の木に葉が付いていません。
1-7:
1時間26分付近
ミコさんの病室からの風景。
ここだけではありませんが、道路が映っていながらも、交通量ゼロ。
人も車も通っていません。
このシークウェンスの前に川が有る市街地のカットが入り、そこでは車が通っているので余計に不自然な交通が目立ちます。
予算不足で動画を合成出来なかったんでしょうか?
そして、
1時間39分付近
夜、病室でマコさんとミコさんの夕飯のカット。
ここのカット、窓の外、車のライトが移動してるCGを使ってます。
車や歩行者のCGは出来ないけど、夜の中、光の移動だけなら出来るって事ですか(溜息)。
この辺、黒澤明監督の『天国と地獄』の窓からの風景とエラく違います。
★2012年11月6日追加
1-10:
1時間34分付近
阪大病院近くの公園の電話ボックス
中年男性が電話を掛けるカット。
公衆電話の色。
受話器の色とコードが黒い。
ん、黒?
当時子供だった私に記憶では、電話ボックスの公衆電話の色は、赤。
で、調べると、1955年から料金前払い、通話終了後多過ぎた10円硬貨が戻る、型になり、色は、
赤
参考→NTTの歴史年表から
http:/park.org/Japan/NTT/DM-/html_ht/HT955010_j.html/
【 但し、他の場面では正しい。
38分付近
大阪駅から阪大病院へミコさんについて問い合わせるマコさん
ピンク電話→正解
40分付近
阪大病院の玄関からミコさんに電話を掛ける
赤電話→正解
…ロケ地に有ったから使ったのでしょう。 】
☆第一夜のやる気の無い演出に関しては、これで終わり。
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広末版『愛と死をみつめて』その9
第一話その3
1:
1時間5分付近
マコさんの手紙と駒ヶ岳の写真を手にするミコさん。
左(上手):マコさんの手紙
右(下手):ミコさん(→白のブラウス)
…マコさんの「会いたい 会いたい 会いたい」から分かる様に、熱い恋心はマコさんの方に有ります。
2:
1時間6分付近
ミコさんの手紙を読むマコさん。
左(上手):ミコさんの手紙
右(下手):マコさん
しかしカットが変わると位置も変わり、
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさんの手紙
…別れの手紙を読んでいるマコさんの気持ちは、変化し決心しました。
…ただ、決心の内容はまだ分かりません。まぁ、簡単に想像出来ますが(笑)。
3:
1時間13分付近~1時間17分
ミコさんの病状を知り、阪大病院へ来たマコさん。
3-1:
まず再会、病室の外側。
左(上手):マコさん(→くすんだ淡い緑のブラウス+白のカーディガン)
右(下手):ミコさん
…感情の勢いでミコさんに問い質すマコさん。
3-2:
病室内
左(上手):ミコさん、背をカメラに向け
右(下手):マコさん
…改めてミコさんの口から出る衝撃の事実。
…マコさんは君には生きていてほしいと言いますが、二人の位置が変わらないのでまだ説得出来ていません。
3-3:
そこへ、ミコさんの家族が来る。
マコさんはミコさんに生きていてほしい、とご両親に言う。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん
…この位置から伝わるのは、ミコさんのご両親とは初対面ながら臆することも無く、マコさんは自分の考えを主張してます。
…マコさんのミコさんに対する気持ちがハッキリした瞬間です。
…しかしながら、草なぎ剛の感情とは無縁の演技なので演技を見ているだけでは、十分に伝わりません。
話の内容からマコさんが必死にならなきゃおかしいのに、感情の昂りが全くない草なぎの演技。
演技を補強する演出がこの場面で伝えたい事を伝えなければならないので、伝える力が弱くならざるを得ません(溜息)。
大根役者には困ったもんです。ヤレヤレ。
4:
1時間19分付近
4-1:
マコさんを送るミコさん
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
4-2:
冗談で逸らそうとするミコさんにマコさんが怒る。
そして、マコさんの愛情を試し心中を強要するミコさん。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん
…ここの場面では、弱い風を吹かせてます。勿論ミコさんの心の揺らぎです。
…穴ぼこへ落ちる前に、二人の位置が一瞬代わります。
台詞から分かる通りミコさんの気持ちで、マコさんが死ぬ事の意味が分かりました。
ミコさんにとってマコさんは掛け替えの無い人である事を実感しました。
…ここで入る満月のカットは、人の気持ちを試す意地悪な所も含め、それでも好き、生きていて欲しいと言う気持ちを表しています。
人を愛するとは、そういう事。
5:
1時間35分付近
手術前にミコさんに会いに来たマコさん
ここでは二人に位置に大きな意味は、無いな、と思います。
ミコさん(→白のブラウス+小花柄の薄いグレイのカーディガン+グレイ地の大柄チェックのスカート)
6:
1時間38分付近
阪大病院屋上、夕方
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
…「マコにはきれいな時の私をしっかり覚えていて欲しい」です。
7:
1時間39分付近
夜、病室で二人で夕飯
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
…好きな男が食事してる姿を見て、シアワセ、って事ですな。
…ところで、ここのカット、窓の外の風景ですが、車のライトが移動してるCGを使ってます。
車や歩行者のCGは出来ないけど、夜の中、光の移動だけなら出来るって事ですか(溜息)。
8:
1時間40分付近
夜、別々のベッドの二人
左(上手):ミコさん(→水色のパジャマ)
右(下手):マコさん
ミコさんがマコさんを自分のベッドに招き入れます。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん
…二人の位置が逆転。
…これは、マコの好きにしてええんよ、ですな。
☆第一夜のマコさんとミコさんの位置につては、これで終わり。
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『大奥~誕生』その3
1:
今回は家光(多部未華子)と有功(=ありこと、堺雅人)の仲が接近する回。
家光は日本の頂点に立つ徳川家の長ですから、所謂帝王学で育てられただけではなく、我が儘を許されていたのも間違いありません。
長所と短所、今迄の悲喜を有るがままに受け入れ、叱ってくれたのは、「大奥」の中では有功が初めてだったのも間違いありません。
オマケに人間としての器の大きさまで有功は見せましたから、まぁ、家光でなくても惚れちゃうでしょう。
2:
今回良かったのは、編集と演出。
家光の過去を余計な事を加えずに映像と音声で入れたのは、中々良かった。
過去のシークウェンスが入ったのが、将軍としての我が儘振りを見せた所。
将軍の自由と権威、同時に束縛がよく分かり、巧みな編集です。
3:
このバカ騒ぎの時の多部未華子の笑い振りはまぁまぁでしたが、
次に有功に優しくされ胸に泣き崩れる場面では、駄目。
演技して泣いているのがありあり分かり、興醒め。
簡単に言うと、下手(笑)。
他の場面では、バカ笑いを含め合格の演技なので、多部の奮起に期待です。
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『ドクターX~外科医・大門未知子』その2
1:
私の掛かりつけ医によると、心筋梗塞の場合、オフポンプ(=人工心肺を使わない)で手術できる巧い医師と出来ない医師の入院期間は、
3倍違うと言ってました。
(→オフポンプ:1週間、人工心肺を使う:3週間)
つまり、巧い外科医を判断する基準の一つが手術時間の短さと入院期間の短さなんです。
今回、大門未知子(米倉涼子)がすい臓癌を手術する時間はかなり短い様ですから、名医である事が分かります。
それに、前回も書きましたが、米倉が有能そうに見えるので文句有りません。
2:
大門未知子の描写で気になるのが、鳥井高外科部長(段田安則)や森本光(田中圭)を無視し話をしなさ過ぎる事。
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『東京全力少女』その3
1:
武井咲、いや、素晴らしい。
貫地谷しほりはあの可愛い顔をおかしい顔に出来る芸が有りますが、
武井咲は両目でおかしさを作れます(^.^)。
それだけではなく、両目で可愛さも作れるのでおかしさが引き立つ、引き立つ、引き立つ。
これだけ両目で演技出来る俳優は、ちょっと思い当りません。
私の名優の定義は、次の二つを満たす事。
1、極普通の生活(=喜怒哀楽)を演技出来る
2、喜劇や弾けた演技を出来る
二十代の女優で両方を満たすのは、私が観た限りでは、
宮崎あおい(普通の生活は勿論、気品のある役も出来る)
貫地谷しほり(おかしさと愛嬌を演技出来る)
この二人がダントツ。
綾瀬はるかなんか、この二人と比べれば、箸にも棒にも引っかからんチンピラ演技不要のアイドル大根女優。
この二人に両目の演技で喰い込んできたのが、武井咲であります。
ドラマの内容なんかどうでも良く、役者の演技を見ていれば十分になったのは、
当時小学2年生だった八木優希を見たかった『薔薇のない花屋』以来の事。
それ位、武井咲は素晴らしい。
名優になる可能性が有りますゾ、武井咲には。
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『ゴーイング・マイ・ホーム』その2
1:
ん~、悪くないんです。
特にゴンチチのギターは控えめで内容に合ってるし、最近のドラマでは音楽の入れ方が一番いい。
久し振りに見る山口智子は丸顔とほんの僅かの贅肉が中々魅力的。
阿部寛は今迄で一番真面な演技をしてます。
二人の娘役の蒔田彩珠(まきたあじゅ)は八木優希みたいな芸達者。女の子らしい精神的な成長の早さで少々ひねた萌江を大変巧く演じてます。
でも、何か今回は退屈。
クーナの忘れ物らしき赤いニットの三角帽を発見し、次回への導入部の回、と解釈しておきましょう(笑)。
好意的に解釈するのも、役者、演出、脚本、特に山口智子の演技がいいからです。
私の好意が薄まらん内に、挽回して下さいよ、是枝裕和監督。
2:
それにしても、主人公の坪井家の食事は、何でコーヒーテーブルで食事するんだろう?
奥さんの紗江(山口智子)はフードスタイリストで食卓は仕事場だから、「仕事を家庭に持ち込まない」って演出なんでしょう。
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広末版『愛と死をみつめて』その8
第一夜その2
1:
ちょっと戻って
39分付近
マコさんが大阪駅構内から阪大病院へミコさんの入院について問い合わせの電話。
左(上手):受話器
右(下手):マコさん
…ん~、何かねぇ(笑)、ミコさんに振り回されてるマコさんデス。
…まぁ、恋する青年なんです、マコさんも(笑)。
2:
41分付近
阪大病院玄関、マコさん、ミコさんと会い住吉大社のお守りをあげる。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん(→半袖ブラウス白、薄いブルーグレイ地に水玉のスカート)
…マコさんが色々教えるからこの位置。
3:
42分付近
それからミコさんが今回の入院について話す。
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
…現在の二人の関係を考えるとミコさんがリードしてるから上の「2」の位置はおかしいと思っていたら、
やはり直ぐに変わりました(笑)。
続いてミコさんの病室へ行き、妹の比佐子さんを紹介し、更に近所の天満宮のお祭りへ誘います。
位置は勿論このまま。
4:
44分付近
お祭りで境内を歩く二人、お好み焼き屋で、
左(上手):ミコさん(→浴衣白地に紺で菖蒲の花、赤の帯)
右(下手):マコさん
…広末の演技から、ミコさんが恋愛をリードしてるだけでなく、現状だけでなく将来も考えてると思わせる位置です。
…すでにミコさんは自分の病気の重大さを知っていてマコさんの将来を考えてると視聴者にそっと知らせてる、こんな演出ですな。
5:
46分付近
お祭りの帰り、ミコさんがどちらかの都合が悪くなったら文通はやめましょうと言う。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん
…ミコさんが身を引き「悪者」になり、マコさんから別れを切り出せるようにしてます。
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広末版『愛と死をみつめて』その7
先日、私のドラマ+映画の原点『愛と死をみつめて』の吉永小百合版を観たのに続き、
私にとっての本家本元の広末版をまた観ています。
このドラマは内容の重大さから毎回圧倒され言葉が頭から蒸発するので、
他の作品の倣って画面構成から演出を解釈してみます。
何か分かるといいのですが…
第一夜その1
1:
16分39秒~18分1秒
出逢い
阪大病院、共同炊事場で、
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん(→クリーム地に小花柄のワンピース)
…力関係未だ不明。
…ここではまだ何も分かりませんが、意味を持たせているのは間違いないはず。
…このシークウェンスではまだ友達にさえなっていませんから、ミコさんは殆どマコさんに背中を見せています。
時間は食事の準備と照明から夕方なのは間違いなく、遠かった二人の関係が終わります。
ミコさんがマコさんへ背中を見せるのは、ここで、これで、おしまいです。
ミコさんのはにかんだ笑顔から、「この人、素敵やなぁ」とハッキリ意識し始めたのが分かる演出です。
1-1:
この様に広末は普通に演技してるんですが、草なぎの相変わらずの無表情(溜息)。
ここではマコさんにも笑顔が必要です。
テレたような笑顔とか、ひょっとしたらこんなキレイな女の子とイケるかもと期待の笑顔とか、阪神好きとは嬉しいと同好の士と出逢った喜びとか、
女の子と近付けた喜びがなんでないんでしょう?
1-2:
17分7秒
「阪神の並木が逆転3ランを打った」とマコさんの独白、ストップモーションになります。
二人の関係が始まった「瞬間」を強調してます。
そしてこの後、初めて二人が言葉を交わします。
>誰かの看病してるんですか?
>私が病人なんです。
2:
18分3秒~19分8秒
マコさん、耳の手術後、目を覚ます。
左(上手):ミコさん(→ブルーグレイのギンガムチェックのワンピース)
右(下手):マコさん
…介抱する方が上手に来てますか。
…看護婦さんから頼まれて飲み物を吸い口で飲ませようとしますが、あの笑顔が表すのは、
逆にミコさんから看護婦さんの何かマコさんに出来る事をしたいと頼んだと解釈出来ますな。
…ここで二人が自己紹介をしますが、ミコさんの方から名乗ります。やはり左(上手)側が二人の関係の「主」になりますな。
2-1:
最初に病室の空いた窓と風にそよぐカーテンが写り、カメラがマコさんの方へ移動します。
マコさんが入院したのが7月と既に伝えてありますから、蒸し暑さを和らげる様な「もの」が現れる、
マコさんの人生に入ってくると暗示してます。
それはミコさんである事は、言わなくても分かりますネ(笑)。
3:
19分46秒~21分45秒
屋上で二人でお話
左(上手):ミコさん(クリーム地に小花柄のワンピース)
右(下手):マコさん
ですが、
ミコさんがマコさんの事を聞くと、位置が反対になります。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん
…教えてあげるのがマコさんだから。
…そして二人の間に入るのが、阪神戦を放送するラジオ。二人の縁結びです。
屋上でインジャンして、二人で買い物へ。
ここで再び元の位置へ。
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
…左(上手)側が「主」になるのをこのシークウェンスで確定しました。
「インジャンで勝った方の言う事を聞くんよ」の一言です。
4:
21分50秒~22分52秒
二人で買い物。
ミコさんの方がマコさんの手を握って道路を渡るんですから、当然
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
そしてここでも、マコさんが地元では豚は豚とだと言うカットでは、
やはりマコさんがミコさんに教えるので位置が逆になります。
5:
22分53秒~23分35秒
続いて、
共同炊事場で厚焼き玉子(→出汁を入れてない様なので)を作りまたインジャンをする二人。
やはり、
左(上手):みこさん
右(下手):マコさん
6:
24分45秒~26分24秒
公園でミコさんがマコさんに住所を書いたメモを渡す。
一見ミコさんが積極的に行動してますから左(上手)側に来そうですが、中盤は違います。
左(上手):マコさん
右(下手):ミコさん(→クリーム地に小花柄のワンピース)
…ミコさんはもう文通しようと決めてますが、決めるのはマコさんの方と相手に納得しやすいようにしています。
…中々の策士であります。
インジャンして先に手紙を出す方を決める所では、
左(上手):ミコさん
右(下手):マコさん
…マコさん、弱過ぎ(笑)。
…完全にミコさんがリードしている二人の関係。
7:
26分50秒
ミコさんの手紙が実家にいるマコさんに届く。
左(上手):ミコさんの手紙
右(下手):マコさん
8:
40分50秒付近
マコさん、大阪でアルバイト、阪大病院へ行き玄関からミコさんへ電話を掛ける。
左(上手):公衆電話の受話器(=ミコさん)
右(下手):マコさん
受けるミコさんの方は、
左(上手):ミコさん
右(下手):電話の受話器(=マコさん)
…ふ~ん、よくある恋愛状態。
…「相手を追わなくなると、相手の方から追いかけてくる」ってやつです。
…それでも、この恋愛の「主」は相変わらずミコさんの方です。
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『美の巨人たち ゴッホ「糸杉」』
2012年10月20日(土)
TV東京系
午後10:00~10:30
1:
私のネット上のHNの元になったNYメトロポリタン美術館蔵のゴッホ作『糸杉』。
この番組のいい所は、一つの作品だけ取り上げる事。
作者所縁の地を取材し、現在の姿が分かる事。
ゴッホが「糸杉」を描いたと思われるサン・レミ郊外なんて、あんな何にも無い所、普通の旅番組じゃ行かないからネ。
2:
あの厚塗りと捏ね回した様な筆致をアップで初めて見たのは、座右宝刊行会が編集し集英社で出した大判の画集。
数十年前、高校の図書館でのこと(^_^;)。
絵の雰囲気だけでなく、ゴッホの怨念が絵具に現れた様な筆致のアップに圧倒された事を覚えてます。
そしてこの番組でも絵のアップがあり、厚塗りと硬い筆で描いた筆致がよく見える、見える。
TVの画面からでも、「怨念」の様なものが伝わり、やはりゴッホは並の画家ではありません。
3:
でもなぁ、尾形光琳と比べると、何か、芸が無いんですなぁ。
自分の心の見えない所や、言葉とかに表しにくいものをハッキリ表すのはいいんですけど、
生々しすぎますな。
マンハッタンに帰る前に、上野まで見に行って、どんなもんか確認してきましょう。
タグ 美の巨人たち ゴッホ 糸杉 メトロポリタン美術館 サン・レミ
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『大奥~誕生』その2
『ドクターX~外科医・大門未知子』その1
○放送
2012年10月18日~12月13日
全8回
木曜日 午後9:00~9:54
TV朝日系
○スタッフ
脚本:中園ミホ
演出:田村直己、松田秀知
撮影:五木田智
照明:鈴木岐彦
音楽:沢田完
医療監修:森田豊
外科監修:新村核
外科指導:木村憲幸
麻酔科取材協力:筒井冨美
看護指導:石田喜代美
プロデューサー:大江達樹、西川喜美子、霜田一寿、池田禎子、大垣一穂
○出演
米倉涼子(大門未知子、凄腕外科医)
田中圭(森本光、新米外科医)
内田有紀(城之内博美、麻酔科医)
勝村政信(加地秀樹、外科医)
鈴木浩介(原守、外科医)
紫吹淳(千葉園子、看護師長)
林丹丹(奥村藍、鳥井教授私設秘書)
岸部一徳(神原晶、名医紹介人)
室井滋(寺山金子、事務局長)
段田安則(鳥井高、外科部長、教授)
伊東四郎(毒島隆之介、新院長)
山本美月(小池理恵、看護師)
他
★評
米倉涼子の演技を見たことなかったので、観てみると…
第一話
1:
鈴木浩介と勝村政信って、最近、他の病院でも働いてたよなぁ(笑)。
2:
米倉演じる大門未知子は、腕と知識に自信が有り、それが傲慢さとして表れてます。
その傲慢さが、宜しい。高飛車な感じがいい。
それにとりあえず、有能そうに見えるから、合格。
ただ、白目も大きいデッカイ両目の使い方がイマイチ。
3:
お話の方は、胆石除去の患者がラテックスアレルギーで、それを大門未知子以外誰も気づかなった、と言う物。
でも、ラテックスアレルギーってそれ程珍しくはありません。
入院の申込書や患者との話から長年ゴム工場で働いてたのが分かるはずですから、ラテックスアレルギーを手術前に調べるんじゃないでしょうか?
4:
まぁ、次回も観てみますか。
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『東京全力少女』その2
Patrick Cleary
http://www.patclearyart.co.uk/cyclinghtml/cyclingindex.htm/
私がこのパット・クリアリィを知ったのは1988年の事。
Winning誌1988年4月号 通巻57号 pp.66~70
に載ってました。
同誌には『HENNIE KUIPER Paris-Roubaix 1983』を描いているところの写真があります。
お金に余裕が有れば全部買い取って日本に「パット・クリアリィ美術館」を作るんですがね。
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吉永小百合版『愛と死をみつめて』その2
吉永版映画を久し振りに観てみました。
以前他のブログ(“大スキ! 広末涼子さん&『ビーチボーイズ』”等)に色々書き込みましたが、
無くなっているので改めて観た訳です。
Amazonではこの映画もエラく高評価ですが、私にとってはやはり駄作でした。
今回は少し細かく観てその原因を探りました。
★簡単な紹介
○公開
1964年9月19日
○上映時間
1時間57分
○スタッフ
原作:河野實、大島みち子『愛と死をみつめて』、『若きいのちの日記』
脚本:八木保太郎
演出:斉藤武市
撮影:萩原憲治
照明:大西美津男
音楽:小杉太一郎
企画:児井英生
○出演
吉永小百合(小島道子)
浜田光男(高野誠)
笠智衆(小島正次)
内藤武敏(K先生)
宇野重吉(中山仙十郎)
他
★評
1:
最初のタイトルロールで流れる主題歌『愛と死のテーマ』がいかにも悲劇ですよと伝える音楽で、大袈裟で困ります。
幸先悪いね、何回観ても(溜息)。
ところでタイトルロールのバックに映るテーブルセンターはミコさんが作った物に似てますが(→初版『愛と死をみつめて』p.200)、
違う物ですね。
映画の後の方で出てくる物です。
続いて出る学生寮が「信州寮」。実際は「信濃寮」
2:
22分の所で病巣図が出て来ますが、出版物で載っている物は初版の『若きいのちの日記』(p.222)のみ。
現行版で載っている物は、残念ながら、有りません。
映画の方は主治医が大手術をする前に道子のお父さんと誠に病気を説明するための図ですから、当然『若きいのちの日記』の物とは違います。
『若きいのちの日記』の方は死亡後に作られましたから、眉間、おでこの方まで病巣が広がってます。
映画の方は原作に基づいていますので、原作の「第4回(37年7月)発生個所」まで、顔の左半分を失う前の状態になっています。
ちゃんと手を抜かずに出来ていて好ましい演出です(^.^)。
3:
44分の所、道子が個室から4人部屋に映った場面。
ネズミが病室に出現。
本当に当時の国立大学大学病院、しかも日本第二の都市の病院で?
この演出は、現実的なのか、誇張なのか、どっちなんでしょう?
4:
1時間14分の所で、何と、道子のお父さん正次を演じる笠智衆が、涙を落とすんです。
その昔、NHKの笠智衆スペシャルで「日本の男は泣かないんです」と言っていた笠智衆が涙を落としました。
命の短い自分の娘が他の元気な若い女性の様に新しい洋服を着て喜ぶ姿を見て涙を落とす正次。
この軽い衝撃は笠智衆がどういう役者で、男だったか知ってる40年以上昔の我々だから分かる事。
上映当時より現在の方が、人々の心を打つんではないでしょうか?
ここはいい所です。
父親の娘への愛情が分かりますし、その原因になった軟骨肉腫の「強さ」も分かります。
5:
1時間15分から道子の軟骨肉腫による苦痛を直接描き始めます。
ここではそれだけでは足らない様で、ベッドに横たわる道子に足の方から照明を当て、表情を殺すのと同時に顔色の悪さも表し病状の進行を表しています。
ハッキリ言って、非常に趣味が悪い演出です。
それから1時間41分の所。誠が電話で『禁じられた遊び』を弾き、聞いていた道子が頭痛に襲われ倒れる場面。
病院の廊下で患者が苦痛で倒れたら一大事でしょう。
道子の病状の状態が分かっていたはずですから、主治医から看護婦に様子を常に窺う様指示が有ると捉えるのが妥当だと思います。
電話の有る場所が看護婦詰所(=最近の言葉だとナースステーション)の前だから看護婦が直ぐに出て来て大騒ぎにならなければ、おかしい。
6:
逆に、軟骨肉腫の恐怖の方を全編に亘りどこにも、直接的にも、間接的にも全く描いていません。
監督や脚本家が頭を使って捻り出さなきゃならん事をやってないんです。
それがハッキリ分かるのが道子を演じる吉永小百合の表情。
自分の病状がいかに重大か分かる場面、顔の左側半分を切り取ると聞かされた後の表情が無表情になるのは問題有りません。
問題はそれ以降。
一人になり物思いに耽る様な場面でも無表情なんですが、主治医のK先生から顔を半分失う事を聞いた時と変わってません。
徐々に死に近付いているんですから、やはり表情に変化が欲しい。恐怖の蓄積とも言うべき経験をするんですから、どんな人間でも恐れおののくでしょう。
斉藤武市監督の指示か、吉永小百合の演技の限界か、この点は不明。
そしてもう一つが誠役の浜田光男。
この誠の表情もおかしい。
笑い過ぎ。
恋人が死と添い寝しているのに、なんであんなにいつも笑顔でいられるんでしょう?
恋人と一緒にいられて楽しいのは分かりますが、死の存在の重みに気付くことが有るんですから少なくともその重さにため息を吐く位の事が有るはずです。
一番おかしいのが終盤、誠が道子の顔を剃り、爪を切る場面。
あそこで満面の笑みは、究極の理想論で有り得ないでしょう。
死神が最後の一撃を振るう準備をしているのが見える時に、恋人のために笑おうとしても満面の笑みになるはずがありません。
有るとしたら、保険金目当てか、遺産目当てでしょう(笑)。
誠の方は、斉藤武市監督の指示の様な気がします。
この場面は、広末版では極めて真っ当に描いています。
7:
この様に軟骨肉腫と死の恐怖に恐れる演出をしてないので、
道子が明るく振舞っていても単なる明るい性格のお嬢さんにしかすぎません。
原作では道子に当たるミコさんが普通の人の様に死を怖がります。
それでも恐怖に耐え、戦い、明るく振舞っていました。
強い心を持っていた方だとも分かります。
この点は誠の描写も同じです。
原作ではマコさんはかなりミコさんに励まされています。
何とか死の恐怖に勝っていました。
映画ではこの様な演出不足ために、二人の愛情や絆の強さ、深さも十分に表現出来ていません。
8:
吉永と浜田の演技で不満なのは、恋人同士の親密さが無い事。
腕を絡ませ、笑顔でいるだけではダメなんです。
親密な雰囲気が無いんです。
これは二人の演技力の限界です。
9:
二人の思いを表せない原因のもう一つが道子が大阪の病院に入院し、誠が東京で暮らしている事、
つまり東京と大阪の距離感が皆無である事。
当時の東京大阪間は、現在の成田とシンガポール位の隔絶感が有ります。
しかも誠は裕福な家庭の出ではないのに、あまりにも簡単に大阪と東京を往復し過ぎています。
10:
この隔絶感を埋め、二人の愛情、絆、そして情熱を表すのが400通余りの手紙なんですが、
これまた演出に使われていません。
とまぁ、主な欠点を書いてみました。
11:
いい所は、まぁ、3回入る信州の山のカット。
これはかなり重い内容を中和していて、かなり効果的です。
そして、当時19歳の吉永小百合の美貌。透明感、清潔感、清涼感に満ちた美貌。
この映画の中に信州の山や清流の様な涼やかな美貌です。
「サユリスト」が未だに存在するのも納得。
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パリ~ルーベその3
パリ~ルーベその3
今回は取材陣から見たパリ~ルーベのお話。
写真家グレイアム・ワットゥスン(=グラハム・ワトソン、Graham Watson)と組んでるモーターバイクの運転手ルーク・エドワーズ=エヴァンス(Luke Edwardes-Evans)の話。
CYCLE SPORT誌2008年6月号の記事から少々抜粋。
モーターバイクの運転手の話なんて他に読んだことが無いんで、本当は全文を紹介したいんですが、著作権の関係で無理。
入ってる写真からモーターバイクのエンジンの下にアルミ板を付けてるのがハッキリ分かるし、
セルヴァース・クナーヴェン(Servais Knaven→“Servais”は”Servaas“と発音すると本人のインタビューで言ってました)のジャイアントはカンティブレーキ付きなのも、
ハッキリ分かります。
1:
まず、エヴァンスのお住まいはフォークストーン(Folkstone)。
フォークストーン駅(多分Folkstone Central)の近くだそうで、海峡トンネルが出来てからはパリ~ルーベ、フランドル一周、ガン~ヴェヴェルゲンへは通勤可能。
時々、テレビを観ながら夕飯を食べられる時刻に帰って来られる。
2:
ASOは主催するレースの中でパリ~ルーベでだけ取材用モーターバイクにオフロード用の使用を義務付けしている。
エヴァンスはトライアンフ・タイガー955iを使用。色はタンゴオレンジ。
3:
ある年のレースでは、石畳の石に前輪が当たりパンクしたと思わせる様な硬い衝撃が走った。
パンクはしなかったが、衝撃でフォークが少々歪みハンドルが少し横を向き、最後までそのまま走った。
さらに左側のバックミラーまで緩んだ。
逃げの集団を撮影する時、距離を目測するための唯一の道具なのでこれには参った。
…文章の引用で許されるのは15文字×15行程度なので、こんなもん。
…もっと知りたい人は同号を探して読みましょう。但し、英語です。
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『大奥~誕生』その1
○放送
2012年10月12日~12月14日
全10回
金曜日 午後10:00~10:54
TBS系
○スタッフ
原作:よしながふみ『大奥』
脚本:神山由美子
演出:金子文紀、渡瀬暁彦、藤江儀全
撮影:山中敏康、大西正伸
照明:川南秀之
音楽:村松嵩継
音楽プロデュース:志田博英
プロデューサー:磯山晶、荒木美也子
○出演
多部未華子(徳川家光)
麻生祐未(春日局)
堺雅人(萬里小路有功、までのこうじありこと)
田中聖(玉栄)
平山浩行(稲葉正勝、いなばまさかつ)
内藤剛志(澤村伝右衛門)
南沢奈央(雪)
段田安則(松平信綱)
尾美としのり(村瀬正資、むらせまさすけ)
他
★評
第一話
1:
ん~、言いたくないけど、柴咲コウ+二宮和也=映画版『大奥』よりいいゾ。
映画版は単なるアイドル映画にすぎなかったのがハッキリしました。
映画版に無かった「錘」が有り、物語に現実感を与え視聴者の関心を捉え「観たい」と思わせます。
脚本に無理が無いのと、やはり演技陣に文字通りの重鎮がいます。
春日局役の麻生祐未とその息子稲葉正勝役の平山浩行、この二人が大変いい。
使命感の満ちた、骨太と言うべき生き方を台詞一つづつ、立ち居振る舞いから視聴者に分からせます。
映画版『大奥』で書いた事を見事に解決しています。
(→参考:http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1133.html)
このドラマも佳作になりそうな予感がします。
2:
日本と言う一つの国を背負う責任と生きている春日局と正勝に比べれば、理想を追求するだけの有功(ありこと、堺雅人)の存在感が軽くなって当然です。
その辺を堺はチャンと表し、中々宜しい。
3:
多部未華子が家光役に選ばれたのは柴咲コウと同じく白目勝ちの両目でしょう。
若さにもかかわらず一国の長としての「眼力」を演技するには、最低でもこういう目が必要。
今後多部がどんな演技を出来るか、成功のカギは多部ですな。
4:
次回も観ます。
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『結婚しない』その1
○放送
2012年10月11日~12月20日
木曜日 午後10:00~10:54
フジTV系
全11回
○スタッフ
脚本:山崎宇子、坂口理子
演出:石井祐介、田中亮
撮影:川越一成、長谷川諭
照明:富沢宴令
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
プロデューサー:中野利幸
○出演
菅野美穂(田中千春)
玉木宏(工藤純平)
天海祐希(霧島春子)
他
★評
どうもガタイがデカくて無表情の天海祐希は嫌いなんだけど、菅野美穂が出るんで観てみると…
第一話
1:
まぁ、可も無く不可も無くですな、第一話は。
千春(カンノ)は純平(玉木宏)と出逢う。
春子(天海祐希)は純平の店の店長として出向。
二人の女性の出逢いがお互いにとって転機になり、
純平との出逢いも、二人の女性にとって転機になります。
それを表すのが噴水の池に二回も入る事。
水→海→出帆
噴水は出帆を祝うシャンペンシャワー。
まぁ、よくある演出です。
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『東京全力少女』その1
○放送
2012年10月10日~12月19日
水曜日 午後10:00~10:54
日本TV系
全11回
○スタッフ
脚本:伴一彦
演出:久保田充
撮影:水梨潤
照明:名取孝昌
音楽:小西康陽
プロデューサー:次屋尚、藤井裕也
○出演
武井咲(佐伯麗)
渡部篤郎(鈴木卓也)
三浦翔平(玉川大輔)
比嘉愛未(芹沢華子)
塚本高史(桜井弘一)
他
★評
第一話
1:
おや、意外と面白い。
2:
渡部篤郎、まぁ、ハズレは無いと思ってた通りです。
二枚目役と違い顔、特に頬と口の周りの緩み具合なんか、さすが。
いい。
3:
更に驚いたのが、あの武井咲が悪くありません。
『大切なことはすべて君が教えてくれた』の時の佐伯ひかりとかなり違いますゾ。
このドラマの成功のカギは武井クン、君次第だよ、ガンバレ!
4:
物語の方は、「父を尋ねて三千里」のはずなんですが、1時間もしない内に見つかった(笑)。
どうやらそーゆー物語ではない様です(笑)。
でも次回も見ます。
5:
それにしても、またしても綾瀬はるかより巧い美人女優出現(溜息)。
綾瀬はるかは、本当にこれからどうするつもりでしょう…
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『ゴーイング・マイ・ホーム』その1
○放送
2012年10月9日~12月18日
火曜日 午後9:00~9:54
フジTV系
全10回
○スタッフ
脚本:是枝裕和
演出:是枝裕和
撮影:山崎裕
照明:尾下栄治
音楽:ゴンチチ
フードスタイリスト:飯島奈美
プロデューサー:豊福陽子、熊谷喜一
○出演
阿部寛(坪井良多)
山口智子(坪井紗江)
宮崎あおい(山下菜穂)
YOU(伊藤多希子)
安田顕(伊藤健次)
新井浩文(真田、良多の部下)
夏八木勲(坪井栄輔)
阿部サダヲ(タクシー運転手)
吉行和子(坪井敏子)
西田敏行(鳥居治)
蒔田彩珠(坪井萌江)
他
★評
第一話
1:
山口智子を観るのは、『王様のレストラン』(1955年)以来ですが、あらビックリ。
巧いんだね、この山口智子って。
普通の働く主婦を普通に演じていて大変宜しい。
2:
極普通の一家の話を誇張無く描いているにもかかわらず、しかも2時間放送なのに、冗長にならず、最後まで見せる巧い作り。
脚本というより演出が巧い様です。
また、音楽が殆ど入らないのも大変好ましい。
3:
ひょっとすると、佳作になりそうな予感。
最後にもう一度、山口智子、巧いなぁ
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『炎上』
○公開
1958年8月19日
○上映時間
1時間39分
○スタッフ
原作:三島由紀夫『金閣寺』
脚本:和田夏十、長谷部慶治
演出:市川崑
撮影:宮川一夫
照明:岡本健一
美術:西岡善信
音楽:黛敏郎
プロデューサー:永田雅一
○出演
市川雷蔵(溝口吾一)
仲代達也(戸苅)
中村鴈二郎(田山道詮老師)
浦路洋子(洋館の女)
中村玉緒(五番町の女=淫売)
新珠三千代(花の師匠)
舟木洋一(鶴川)
北林谷栄(溝口あき)
他
★評
1:
この映画も私と相性が悪そう。
鶴川を演じた舟木洋一が駄目、下手なんです。
映画の最初の方でこんな大根が出て来ちゃ、集中出来ませんゼ。
台詞が棒読みの見本になっちゃってます(涙)。
2:
戸苅役の仲代達也もそれ程大したことないけど、舟木のおかげで悪さが目立たず。
やはり市川雷蔵と中村鴈二郎が巧い。
私の世代で市川雷蔵と言うと子供の頃TVで映画『眠狂四郎』をよく放送してたんで、円月殺法の眠様なんです。
田村正和風二枚目スターの印象しか有りませんでしたから、今回の溝口吾一は、あ~ら、ビックリ。
巧い。
どもりのおかげで、内向的、内気、劣等感、もどかしさ、等々とてもよく表してます。
道詮老師の中村鴈二郎は、生きる「生臭坊主」。この方も見事。顔から皮脂の代わりに「生臭」が分泌してますゼ、この方。
3:
西岡善信担当の驟閣寺の内部セットも見事。
4:
宮川一夫の白黒映像も相変わらず宜しい。
例の火の粉を表すのに金粉を使ったのは終盤1時間34分付近。
驟閣の炎上は白黒のおかげで、これまた異様な、普通じゃない迫力と美しさがあります。
黒い闇を背景に、炎が明度だけに純化され、なんと、白い。
白い物が逆巻いてるんですから、普段の生活には決してない物が現れ、異様さを非常に巧く表現しています。
まさに溝口吾一の心が他人に分かる形で噴出した瞬間です。
火は使い方により善にも悪にもなる様に、人の心に秘めたものも善にも悪にもなります。
溝口吾一の心の中の炎は、結局、悪の権化になってしまいました。
悪が持つ仄暗い魅力、美しさをこれまた巧く表現しています。
この映画は私の心と相性が悪く反発するんですが、逆巻く白い炎の映像は大変見事です。
素晴らしい映像表現です。
5:
音楽は、冒頭から駄目だなぁ。
悲劇の先触れになり、非常に思わせ振り。
主張が強過ぎるんです。
冒頭以降、私の耳が音楽に反発し続けました。
この映画も音楽が無くても問題無いでしょう。
6:
お話の方は、ん~、
何かねぇ…
自分の心が手に負えなくなっちゃう話でしょう、
嫌いです、この手の消極的な話。
いい、悪いではなく、嫌い。
『Mother』や『高校教師』みたいに児童虐待に負け将来に悪影響を花咲かせる話と私と馴染みが悪いのと同じ。
オマケに、最初に下手な音楽が入り、続いて大根役者が出て来ちゃ、好きにはなれんゼヨ。
それと最大の欠点が、驟閣が全く美しくない。
西岡善信は驟閣の寺の方の内部を見事に作るのにエネルギーを使い切った様です。
だから驟閣に放火した溝口吾一に感情移入も同情も出来ないんです。
DVDのジャケットには、
>誰も知らない! 誰も解ってくれない!
>何故おれが国宝に火をつけたかを…
と書いてありますが、心が分からんなんて誰にでもある極普通の事で特に声高に主張するべき事でもないでしょう。
もう少し詳しく細かい所まで観て、演出を分析すれば分かる事も有り、感想も変わると思いますが、
冒頭の音楽を大根役者のおかげで、そこまでやる気が起きず。
7:
最後に、オマケ
吃音者で思い出す言葉
「意識は稲妻、舌は蝸牛」
~開高健~
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『茄子』
全24話の中の
その5『アンダルシアの夏』(前編)
その6『アンダルシアの夏』(後編)
その23『スーツケースの渡り鳥』
でロードレースを題材にしています。
1:
自転車のロードレースの魅力、美しさ、って何でしょう?
円、車輪の円、丸。
丸い車輪がもたらす速さ。
それと、ジャージの色鮮やかさ。
今と違ってウールの地味な頃でも、速さのおかげで中々美しい。
2:
で、このマンガで自転車と選手の描き方は、どうでしょう?
いい、悪くありません。
巧く「丸」を省略してあります。
レースの疾走感もあり、宜しい。
お話の方も『僕の歩く道』みたいな戯言がなく、これまた宜しい。
3:
た、だ、し、
マンガやアニメに興味が無いんで、買ってから読んだのは、今回記事にするために読み直しを含め2回のみ(笑)。
4:
、とまぁ、マンガの方はまずまずの出来なんですが、『アンダルシアの夏』を手描きアニメーションにしちゃいました。
勿論、大失敗。
黒田のマンガのタッチをアニメに出来るはずありません。
実際のレースの魅力に敵うもの皆無、何も無し。
疾走感、皆無。
ロードレースに関連する物を集めているので、このDVDも買いましたが、直ぐに売り払いました。
手描きのアニメーションで表現出来る事が極端に少ない事実を知らんプロデューサーがいない悲しい日本の現実がよく分かりました。
Amazonじゃエラく高評価ですが、ミロワール・ド・シクリスム誌(Miroir du cyclisme)の写真部長アンリ・ベッソンの写真を知ってる私にはこのアニメ、ゴミ以外の何物でもなし。
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『La course en tete』 エディ・メルクス物語
『The greatest show on Earth』と一緒の入ったDVDが有るんですが、現在日本では販売されてない様です(涙)。
Amazonで探すと有るのは発売元のアメリカのみ。
ヨーロッパのAmazonではジャン・ボベの書いた同名の本(1966年刊)が有ります(→個人的にはこれも欲しい)。
私がこの映画を初めて観たのは、1985年、島野がメルクスを招待し東京と大阪で講演会と映画上映をやった時。
東京では皇居近くの商工中金でした。
上映後、この映画のビデオの販売申し込みがあり、勿論申込みました。
ひと月位して届いたビデオは、編集に失敗していてエンディングの後にもレース映像が…(涙)。
題名は英語では、“The head of the field” 、日本語にすると『集団の先頭』。
レース中、先頭集団は何をしているか、どうなっているか、
優勝するには空気抵抗では不利だがレースの主導権を握りコントロールするには先頭で走らねばならない、
なんて意味ですな。
1:
1985年当時はヨーロッパのロードレースがTV放送されるのはツールを1時間半程にまとめた特別番組のみ。
(→1982年から始まりました)
当然勝負の流れに関係が有るもので繋ぎあわせましたから細かな出来事は全く無し。
ロードレース前半のお気楽振りがよくわかったのはこの映画を観た時。
選手同士でふざけ合い、新聞を読んでみたり、そんな事はミロワール・ド・シクリスム(Miroir du cyclisme)誌や年鑑のアネ・ド・シクリスム(Annee du cyclisme)
でしか見る機会が有りませんでしたからちょっと衝撃的でした。
家族らしき人物達がレース中に沿道で待っていて、止まって挨拶する事も昔から知ってましたが、改めて観ると変に納得しました。
また1973年頃のレースでは水の補給が不十分で沿道の一般人からもらったり、清涼飲料をトラックから(かなりの量を)掠めたり(笑)、
商店で買ったりするのにも感心しました。
2:
でもそれより選手の平衡感覚、距離感、自転車の運転技術に驚きました。
それは補給地点で食糧や水が入った補給袋(=サコッシュ、英語と仏語では”musette”)を選手に手渡しする場面。
横に3列や5列並び走っている選手達に軽く走りながら手渡しするんです。
ゆっくり走っていることもありますが、30kmh以上出ていそうな事もあります。
手前で走っている時に渡すんですが、列の中にいる時に渡すこともあります。
よく落車や事故が起きないなと感心し唖然としました。
3:
このDVDは映画とビデオと違い、中盤以降(17分/1時間42分)になると一部に英語の字幕が入り大変ありがたい。
3-1:
興味深いのはメルクスの奥さんの語り。やはりメルクスのことを色々心配しています。
その後に奥さんが言った事と関連した映像や画像が入ります。1973年以前の色々なレースの物です。
字幕をまとめると次の様に言ってます。
A,奥さんのお父さんはトラックレースの選手で、奥さんが5歳の時に落車した。それ以来、この仕事と落車が怖くなった。
でもメルクスにとっては情熱を注ぐものだと思っている。
B,引退後、新しい生活に馴染めるだろうか。
C,1973年の世界戦の前はメルクスに重圧が掛かっていて、自分を疑い始めゴール手前200mで自信を砕かれてしまった。
D,その後人々がメルクスの実力を疑い始めた。
E,その結果、メルクスは負けることが出来なくなった。
(→この後1973年ジロ以前の勝利のカットが続きますが、これはおかしい。この映画はこの時点まで6月開催のジロ・デ・イタリアをやっています。
世界戦はこの後8月末。だからこの映画が発表された1974年以降の勝利のカットが入らねばなりません。正確性が無くなりドキュメンタリーではなく娯楽作品になっています)
F,ロードレースも他の仕事と変わらないが、主人が苦しんでいるところを見たくない。
G,ピストレースは恐ろしい。メルクスの前の選手が落車して死亡し、メルクスの傷はその選手より悪そうだった。
H,レース中、全てはタイミングの問題で、びくびくしている。一瞬の迷いで勝利を逃す。
(→落車もタイミングの問題。落車のシークウェンスが続きます)
I,1972年のアワレコード挑戦は、メルクスが自分の能力を証明するか笑い者になるか、大きな賭けだった。
3-2:
奥さんが心配してない事、メルクスやブロイエールが言った事は、
A,優勝を重ねると有名人になる。
B,一日走り続けた後山になり、付いて行けなくなった。
C,ロード選手にケーキは良くないと言われているが、本当は坂の方が良くない(笑)。
4:
屋根裏部屋に有る数え切れぬトロフィーとカップ。
これは壮観、見事。
5:
子供用にトップチューブ前部にサドルを付けた自転車はちと古い。
まずブレーキがカンパではなくユニバーサル。
フレームはモルテニ時代のオレンジに塗ってありますが、紺の同抜き帯がシートチューブにしてある1971年仕様。
5:
さて、映画として気になるのが終盤10分ほどスロー映像が入る事。
過去の出来事として観ているので、ちと分かりにくい。
当時の強過ぎたメルクスとして考えると分かります。
映画の中でメルクス自身が語る様に当時のマスコミの発表は殆どが嘘。
だからスロー映像の様に、落ち着いて考え判断してくれればメルクスの事が分かる、と言う意図でしょう。
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『大奥』映画2010年版
○公開
2010年10月1日
○上映時間
1時間56分
○スタッフ
原作:よしながふみ
脚本:高橋ナツコ
演出:金子文紀
撮影:喜久村徳章
照明:長田達也
音楽:志田博英
プロデューサー:荒木美也子、磯山晶
○出演
二宮和也(水野祐之進)
柴咲コウ(徳川吉宗)
堀北真希(お信)
阿部サダヲ(杉下)
玉木宏(松島)
佐々木蔵之介(杉下)
倍賞美津子(水野頼宣)
竹脇無我(水野の父)
和久井映見(加納久通)
板谷由夏(大岡越前)
他
★評
2012年10月3日(水)のTV放送を観ましたが、放送時間がCM込で114分なのでかなりカットされてますが…
1:
まぁ、それなりに面白いですが…
2:
音楽があまり入ってませんが、全然入れなくてもおそらく大丈夫。
じゃまですね、この映画でも音楽が。
3:
主人公水野を演じた二宮和也、今回もいい。
武士道と剣で育った骨太な性格の水野になってます。
「ご内証の方」に選ばれ、死を覚悟した表情は良かった。
ただそれ以前の表情は剣の腕前のためか、人を見下した表情になってました。
演出の様な気もします。
柴咲コウ、徳川吉宗の尊大さ、日本を率いる長としての覚悟が現れていました。
佐々木蔵之介、玉木宏、阿部サダヲ、大奥でしか生きていけない男達をその両目で表していて見事。
3:
主要俳優がいいんだけど、全体には演技陣は物足りません。
飛び抜けた演技や他を圧倒する存在感の役者がいないからです。
吉宗の片腕加納久通がそういう存在に映画としては最適ですが、和久井映見には荷が勝ち過ぎました。
高島礼子あたりにすべきでしたな。
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『A Sunday In Hell』
本場ヨーロッパでもテレビ放送開始と共に番組に組み込まれたためか、あまり映画は作られていません。
これは「パリ~ルーベ」(1896年開始、年一回開催)という自転車のロードレースのドキュメンタリー映画です。
取材したのは1976年。
例のド・ヴラマンクが慢心のために勝ち損ねた年のレースです。
このレースについては
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AA%E3%80%9C%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%99
等を参考に。
このレースは現在でも石畳の区間(総計約50km)を取り入れ、過酷さは開始した1896年から変わらず、この点からも未だに『北の地獄』と呼ばれるのも納得。
またフランス田園地帯の石畳という、ある意味前世紀の遺物を走りますから19世紀末のロードレース創世期のレースの模様が垣間見え貴重です。
この映画を初めて観たのは25年程前で、アメリカ人の友人が持っていたビデオ。
その友人の所で上映会+飲み会をやり、モントリオール出身のカナダ人がフランス語の部分を通訳してくれたんだけど、さすがにもう覚えてません。
1:
何回観ても面白い。1時間半に巧く編集してあります。
私が買ったのはアメリカ版DVD。
ナレーションは英語なんで何とか分かるんだけど、字幕が何にも付いてないんで選手達が話してる事が不明(→フランス語、フラマン語、イタリア語)。
後半、バイクから撮った映像の一部がかなり劣化してます。
他にも埃が写ったり、変な光が入ってる部分もあります。
クレジットを観るとカメラマン(=FOTO?)は6+6+7+7の26人かな?
ブルックリンのチームカーの屋根の上に乗っているカメラマンが写っている映像もあるのに今回気付きました。
フランスじゃ走ってる車の屋根に人が乗ってもいいんかね(笑)?
2:
2-1:
最初出て来るべノットはチェーンステイの菱形加工から明らかにデローザ製。
(注:自転車のフレームの事。各チームはフレーム、部品、完成車メーカー等とスポンサー契約している。契約してないフレームを使う場合、契約したメーカーの色とロゴにして使った)
2-2:
メルクスがスタート地点まで行くフレームは全部橙色。レース後半になるとフォークがメッキ。
(注:レース中、パンクや車輪トラブル以外の故障か破損があったという事)
2-3:
新製品のチネリのレコードステム(R/1)使用率半分程。
2-4:
ストをする新聞社が主催者のパリジャン リブレ(の従業員)とは今回まで聞き逃してました。
2-5:
ディディ チューラオ、西独チャンピオンジャージを着て走ってますな。
イノーも走ってるんだけど、おそらく57分30秒の所、左側、レーサーキャップを被ったジタンジャージ。
(注:イノーは1981年に優勝する)
2-6:
ブルックリンの監督(イタリア人?)はヴラマンクを「ロジェ」と呼んでた。
2-7:
アランベールの森が出ない。
(注:コース中、最も有名かつ悪名高い石畳区間。森の中の道で晴天時でもここだけは濡れている。全体に下りのコース取りにしてある)
2-8:
北海道の北や東の田園風景に似てる場所もあるけど、地平線が見えるところがフランス。
2-9:
最初の石畳区間、関係車両が通り過ぎると最初の選手が進入。この時カメラが選手に合わせ加速。
この映像が格好宜しい。
また選手が加速しバイクに近付くと、バイクが加速し場所を素早く作る。慣れてるとは言え、さすがだね。
(注:TV中継初め、報道陣は基本的にバイク取材)
2-10:
関係車両が立てる砂埃は選手にすれば迷惑以外の何ものでもないけど、画面を覆い尽くす砂埃から関係車両や選手が次々に現われるのは不思議な魅力があり見惚れます。
(注:雨が降ると泥だらけになる)
2-11:
マビックのニュートラルサービスが始まるのが1973年のパリ~ニースからだけど、まだ黄色い車とバイクが走ってない(笑)。
(注:各チームがサポートカーを走らせパンクや故障に対応。それだけでは足らん場合もあり所属チームに関係なく利用出来るのがニュートラルサービス。マビックはフランスの自転車用リムや車輪のメーカー。最近の車やバイクは黄色)
2-12:
石畳の平地はともかく、下りが恐怖の速さ。やはりあいつら、変です(笑)。
変な奴等に付いて行くカメラマンとパイロット(日本語だと何?)、プロだわ。
2-13:
報道陣と大会関係者のバイクがBMWだけ。しかもオンロード車。
カワサキのリッターバイクになるのは1980年代に入ってからじゃなかったかな?
大排気量のオフロードバイクを使うのは更に後の事。
バイクと車のエンジン下回りに補強のアルミ板を付けるのはここ10年位かな?石畳の石(というか日本語なら岩位の大きさ)にエンジンの下側が激突して壊れるのを防ぐため。これ位石畳の道は厳しい。
3:
この映画と関連した事を。
ダスティン・ホフマン主演のロードレース映画のために、1986年のツール・ド・フランスをこの映画を作ったヨルゲン レティ(Jorgen Leth、?、デンマーク人なんで発音不明)が撮影。
この映画を観ればコロンビアがレティにツールの撮影を頼んだのも納得。
結局お蔵入りになったけど、あのフィルム、ちゃんと保存されてるのかなぁ?
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『危険な斜面』2012年版
渡部篤郎が出るんで観てみると…
1:
ん~、松本清張の小説を現代にそのまま当てはめるのは、もう無理ですね。
犯人捜査に無理が出て来ちゃうんです。
今回もケータイだからねぇ…
履歴がケータイ会社に残るからねぇ…
直ぐに容疑者を特定出来て物語が成立しなくなっちゃう(涙)。
2:
それから、なんで素人が捜査に加わるんでしょう(涙)。
3:
松本清張の小説をドラマや映画にするのは、もう無理でしょう。
ケータイやパソコン初め当時無かった強力な物が増え当時の捜査を凌駕しちゃったからね…
当時を再現しようとするのは予算の関係で無理。
だから中途半端な作品しか作れません。
松本清張にいつまでも頼ってるからろくなミステリードラマが出来ないのは明らか。
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