photo

東京都現代美術館にて「オランダのアート&デザイン新言語」展が開催中

10月29日(金)から来年1月30日(日)までの間、東京都現代美術館では「オランダのアート&デザイン新言語」が開催されています。

コンセプチュアルかつ遊び心に溢れるオランダデザインは90年代から注目を集め、私たちに新鮮な驚きを与えてきました。本展では特に人とモノとの関係、そして人と人とのコミュニケーションを問いかける代表的なアーティスト/デザイナーである、テッド・ノーテン(コンテンポラリー・ジュエリー)、マーティン・バース(プロダクト・デザイン)、そしてアートの分野からマルタイン・エングルブレクト、タケトモコが参加します。彼らの作品は作品との接触によって、私たちの生活感覚に化学変化をもたらすような触媒作用を果たしてくれるような展覧会です。
「オランダのアート&デザイン新言語」展公式サイト

同展覧会では前回の「こどものにわ」展に引き続きCCライセンスを利用した写真撮影が可能です。
出展作家の同意の下、映像作品を含むすべての作品を写真に収めることができます。また、ライセンスや作家の名前の記載などの規定に従えば、ブログや写真共有サイトなどに投稿することも可能です。
(詳細はこちら

日本では写真撮影が可能な美術館・ギャラリーは珍しいですが、欧米の美術館、特に常設展などでは写真撮影が自由な所が少なくありません。今回も出展作家たちとの協議はスムーズに進み、さらに作家の権利と意思を尊重しつつ、観客がよりオープンに作品に接することを可能にするCCライセンスの内容にも共感いただきました。
作品によっては観客が触れて初めて完成するものもあり、その様子を写真に残すことは作家にとっても興味深い試みのようです。

写真撮影の許可は展覧会や美術館をよりオープンなものにする手段の一つといえますが、今後はより多様なアート分野におけるCCライセンス活用の可能性についても考えていきます。

関連エントリ:東京都現代美術館「こどものにわ」展で写真撮影と写真の利用を許可する試み

(12月7日20時 改行位置を修正し、写真の投稿についての説明を追加しました。)

東京都現代美術館「こどものにわ」展で写真撮影と写真の利用を許可する試み

7月24日(土)より東京都現代美術館にて開催中の「こどものにわ」展(~10月3日まで)において、写真撮影と写真の利用を許可するにあたりCCライセンスが採用されています。すでに六本木の森美術館では昨年より同様の取り組みが行われていますが、国内の公立美術館では初。

「こどものにわ」は、乳幼児から大人まで楽しめる体感型・参加型の作品がいっぱいの小さなお子さんの美術館デビューにピッタリの展覧会です。小さなこどもの視点や身体感覚、心の動きを通してとらえた美術世界を、周りの大人が共有・あるいは追体験することで、年齢層の異なる他者とのコミュニケーションや、人と美術の関係を再考・再発見するような機会を創出します。
美術館公式サイト「展覧会概要」より抜粋

これまで日本の美術館で行われる展覧会は、子供にとっては静かにしなければならない退屈な場所、また子供を連れた大人たちにとっても気を使うことが多く、なかなか足を運びづらい印象がありました。そこで、ご自身も小学一年生の男の子の母である担当学芸員の難波祐子さんが、子供やその親たちが楽しみながらアートに触れられる展覧会をと、4年がかりの構想を経て実現されたのが今回の「こどものにわ」です。

実際に触って動かすことができる作品も多く、ただ展示された作品を観るだけという一方通行ではなく、主体的に関わっていけるという点が特徴です。さらに写真撮影が可能ということで、親子の記念として残り、子供にとっても印象深い体験となることでしょう。

撮影した写真は「クリエイティブ・コモンズ表示ー非営利ー改変禁止2.1日本」のCCライセンスで自由に利用することができます。くわしくは、同展の写真撮影に関してのご案内を参照ください。

今やブログやツイッターなどウェブ上の口コミの効果はこうした展覧会やアーティストの活動においても例外ではなく、アートの業界における新しい広報の在り方を考える上でも興味深い試みです。

image1
(作者:大巻伸嗣)

24日に行われたオープニングレセプションの様子で
(作者:出田郷)
24日に行われたオープニングレセプションの様子です。

体験型の作品も多いのが特徴です。
(作者:KOSUGE1-16)
体験型の作品も多いのが特徴です。

フォト蔵

フォト蔵は、写真や動画の投稿及び共有サービスを提供する日本のサイトです。
個人で撮った写真をウェブ上に投稿し、保存・展示したり、他のユーザーからのコメントを表示することができます。
投稿した写真を用いて日記を書くこともできます。

また、プリントサービスや名刺印刷サービスとの連携が充実しているのもポイントです。気に入った写真を集めて、プリントしてもらうのもいいかもしれませんね。

フォト蔵でもFlickrと同様、投稿する際にCCライセンスを選択することができます。
CCライセンスが付与された写真を集めたサイトもあります。一度ご覧になってみてください。

Flickr

Flickrは、写真や動画の投稿及び共有サービスを提供するコミュニティサイトです。
個人で撮った写真をウェブ上で整理・分類・展示したり、他のユーザーからのコメントを表示することができます。

また、写真にタグをつけてタグごとの分類が可能です。
例えば山の写真、スープの写真、特定のカメラの機種で撮影した写真などでコミュニティを作成することもできることで、全く知らない人との写真を通じたコミュニケーションを促進し、写真投稿サイトとしては世界的に最も有名なサイトになりました。

FlickrではCCライセンスの付与を積極的に推進しており、投稿の際にCCライセンスの選択が可能になっています。
これまでCCライセンスで投稿された写真の数は2009年3月の時点で1億点を突破しました。今はもっと多くなっていると推測されます。

各種CCライセンスが付与された写真を一覧できるページもあります。そこから「”see more”」と書かれたリンクをたどると、それぞれのライセンスがついた写真だけを検索できます。
他に、検索オプションを指定するページを利用すれば、商業利用が可能な写真のみの検索や、改変して利用してもよい写真などのみを検索することもできます。

アイ・ウェイウェイ展で作品の写真撮影・写真の利用を許可する取り組み

森美術館で開催されている「アイ・ウェイウェイ展」では作品の写真撮影が許可されており、撮影した写真にCCライセンスをつけて自由利用することが可能になるという仕組みを採用しました。

東京・森美術館では、現代中国を代表するクリエイター、アイ・ウェイウェイ[艾未未]さんによる「アイ・ウェイウェイ展—何に因って?」が7月25日より開催されました。
新作6点を含め、1990年代以降の主要作品26点を紹介しており、アイ・ウェイウェイさんの個展としては過去最大級のものだそうです。非常に刺激に満ちた内容となっていました。

そしてこの展覧会では、著作権等の問題で写真撮影が認められない美術館が多い中で、観客が作品を写真に撮ることを許可するという取り組みを試験的に行いました。
撮影した写真は「表示ー非営利ー改変禁止」のCCライセンスで自由に利用することができます。

http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/related/index.html

森美術館長である南条史生さんは「日本の美術館は少し厳しすぎる。知的財産をもっと創造的に使える条件をつくりたい」と話しているそうで、このような試みが少しずつ広がって行くことをとても期待しています。

はてなフォトライフ

はてなのウェブアルバムサービス「はてなフォトライフ」は、撮影した写真や動画を気軽にアップロードして家族や友人と手軽に共有できるウェブアルバムです。ケータイからのアップロードも可能です。

2008年6月5日よりアップロードする写真に対してCCライセンスの設定をすることが可能になりました。

CCライセンスで公開された写真は、条件別にこちらに紹介されています。

CCライセンスの設定が可能なウェブアルバムサービスが増えてきました。新しい写真の利用が広がっていけばいいな、と思います。