FAQ CC0

原文記事 CC0 FAQ

このFAQには、CC0を使用する前に知っておくべき情報が記載されています。必要な情報がすべて網羅されているわけではありません。あなた自身に関係する重要な点が含まれていない可能性があります。

このFAQは、Creative CommonsのFAQsを補完するものであって、代用されるものではありません。 CC0や他のリーガル・ツール、ライセンスを使用する前に、これらのFAQや検討事項の一覧にも目を通しておくことをおすすめします。また、ご自身の作品にCC0を適用する際、CC0の作品を利用する際には、CC0リーガル・コードをしっかり読み、その内容を理解しておいたほうがいいでしょう。

ご注意ください: Creative Commonsは法律に関するアドバイスをすることができません。以下の情報は、法律に関するアドバイスになりうるものではありませんし、完全でもありません。以下の情報や、CC0、クリエイティブ・コモンズのライセンス・ツール一般について、疑問や問題点を発見した場合には、法律の専門家にご相談ください。

CC0に関する一般的な質問

CC0とはなんですか?

著作権やそれに関連する法律では、作者の意図にかかわらず、作品・データベースの著作権が自動的に保護されるようになっています。CC0は、これらの権利を望まない人が法的に可能な限りの権利を放棄できるための方法を提供します。作品の制作者や所有者が作品に対してCC0を適用すれば、法的な意味において、その作品は彼らのものではなくなります。その作品は、方法・目的にかかわらず、誰もがどんな形であっても使用できる状態になります。商用利用も可能です。 ただし、他の権利が残ってる場合や、作品の利用法による制約が発生することもあります。CC0は、「いかなる権利も保有しない」選択肢だと考えてください。

どのような仕組みですか?

CC0 を適用する人 (リーガル・コードでは、「許諾者」と表記されています) は、作品の著作権や関連するすべての権利を、法的に可能限り放棄することになります。なんらかの理由により権利放棄できない場合でも、CC0は、許諾者がパブリックに対して作品の使用を認める、無条件、取消不能、非独占的、かつロイヤリティーフリーのライセンスとしての効力を持ちます。

CC0とPublic Domain Mark (“PDM”)」の違いは何ですか?

CC0とPDMは重要な点で異なり、異なる目的を持っています。 CC0は、1つ、または複数の管轄地域で、著作権および隣接権等(データベース権も含みます)の権利の対象となっている作品に関連して、作者やこれらの権利者によってのみ使用されることを意図しています。一方、PDMは誰でも使用でき、世界中で著作権に関する制限が、知り得る限り既に存在していない作品に使用されることを目的としています。これら2つのツールは、作品に適用したときの効果の点でも異なります。 CC0は、適用されると作品の著作権法上の状態を変更し、世界中のすべての著作権および隣接権等を実質的に放棄するという意味で法的に機能するものです。PDMは、いかなる点においても法的に機能するものではありません。知り得る限り既に著作権制限が存在しない作品に対して、そのことを明示するためのラベルとして機能することを意図しています。

CC0とPDMの属性の比較表で、Public Domain Markの詳細を確認してください。

CC0を自分の作品に適用しようと考えている方のための質問

誰でもCC0を利用できますか?

作品の著作権や著作隣接権(データベースの権利など)を所有している人なら誰でもCC0を使用して、その権利を放棄することができます。ただし、気をつけなければいけないこともあります。CC0は後戻りのできない一方通行道です。一度自分の作品にCC0を適用すると、たとえ後から気が変わっても、著作権やデータベース所有権を取り戻すことはできません。また、ほぼ事実情報だけで構成されたデータベースのように、何が著作権保護の対象になるのか明確に決めら れないケースもありえます。このような場合でも、CC0を適用しておくと、利用者は、著作権保持者があらゆる権利を放棄したことを知ることができます。

たとえCC0を利用して著作権所有を保証しないとしても、作品を配布する際にその作品に第三者の権利が含まれている場合にはその責任を負う必要があることに注意してください。たとえば、あなたの作品中に他の人が CC-BYで配布している作品が含まれている場合、そのことを明示し、ライセンス表示を行う必要があります。同じように、どんなライセンスであれ、その規定に遵守していることを、きちんと確認しておく必要があります。もちろん、他人が所有している作品であなたに配布する権利がない場合、著作権保有者から適 切な権利を譲り受けない限りCC0を適用することはできません。

どうすれば自分の作品にCC0を適用できますか?

CC0適用ツールを使用してください。 完了すると、HTMLのコードが表示されます。それをコピー&ペーストして、あなたのWebサイトに追加してください。CC0を適用した作品を、ご自身の Webサイトやどこかにアップロードして配布するのは、あなた自身で行う必要があります。Creative Commonsはいかなる作品も配布しませんし、その責任を負うこともできません。

CC0適用ツールで求められた情報を書くメリットは何ですか?

CC0適用ツールに入力された情報はすべて、テキストやマシンコードの中に含まれています。ライセンス適用後は、その作品の利用者は、作品についての詳細な情報を得ることができます。これから作品を利用しようとする人にとって特に重要な情報が、あなたがどの司法区域でCC0を適用したかということで、できるかぎり地域名を含めておくことを推奨しています。ただし、これらの地域名を指定しても、準拠法や裁判管轄を指定できるわけではないことに注意してください。(CC0では、準拠法や裁判管轄を選択することはできません)

他の人が自分の作品を使うときに、私への帰属を明記する必要はありますか?

いいえ、必要ありません。それがCC0とCreative Commonsライセンスの大きな違いです。Creative Commonsライセンスと異なり、CC0にはどんな制約もありません。パブリック・ドメインにある作品と同じように、帰属を明示しなくとも、誰でも自由に利用したり改変することができます。とはいえ、コミュニティや専門分野での規定・標準と協調させるために帰属の表示を求めることが禁止されているわけではありません。

CC0では、帰属の表示は、著作権の場合と異なり、法的な要件の中には含まれていません。しかし、倫理的基準や、研究・科学の専門分野での標準に基づいて、要求することは可能です。こういった専門分野での標準というのは、明確に定義されていて、広い支持を得、自己管理されているものもあります。たとえば、アカデミック分野における引用ルールなどです。(引用文献の表示は、道徳および専門家同士の面目のために行われているのであり、法律による規定ではありません) しかし、新しい技術が到来し、規律が未成熟な場合、こういった基準を満たすためには、コンセンサスを広め、明文化する必要があります。このため、2009 年はじめに、Science Commonsでは、科学分野における主要データベースプロジェクトを招集し、パブリック・ドメインのデータやデータベースを共有していくための、原理やベスト・プラクティスをまとめるためのコミュニティ活動をはじめたのです。ここで策定されているのは、引用、ソース、データの完全性など多岐にわたります。現在のScience Commons Open Data Protocolを拡張する形で公開される予定です。

CC0は本当にすべての著作権とあらゆる関連する権利を放棄するのですか?

“CC0″のゼロを額面通りに受け取らないでください。すべての司法区域で、あらゆる権利を放棄させることのできる法的手段は存在しません。

著作権や関連する権利のうち、CC0がなにも影響を与えない重要なカテゴリが2つあります。まず、Creative Commonsライセンスと同じように、CC0は、他人の権利に対していかなる影響も及ぼしません。 次に、地域によっては、作者や著作権保持者に、道徳に関する権利などについては放棄してはいけないと法律で定められていることがあります。なんらかの理由により権利の放棄ができない場合には、CC0は、特定の例外時をのぞいて、フリーのパブリック・ライセンスとして、大半において放棄と同様の効果を発揮します。ただし、適用の度合は、司法区域によって異なります。

つまり、あらゆる場所で著作権と関連する権利を徹底的に放棄することを保証することはできませんが、CC0は可能な限り最大限、あなたとあなたの作品の間にまたがる繋縛を断ち切ることができることは間違いありません。

CC0を使うと、どんな種類の権利を放棄することになるのですか?

あなたが所有する作品の著作権、隣接権およびその他データベースに関する権利などを放棄することができます。同時に、パブリシティやプライバシーに関する権利も放棄することになりますので、たとえば、自分の写真が作品に含まれていたとしても、誰か他の人が作品を利用することで、肖像権などの権利を侵害されたと主張することはできません。司法区域によっては、すべての著作権、隣接権、および関連する権利を放棄することができないこともあります。司法区域によっては、倫理に関する権利と不明なままの権利については、放棄することが非常に難しいことがあります。放棄不可の場合, 法が認める限りの程度においてCC0ライセンスとして効果を持たせることができますが、しかし、場合によってはライセンスも認められていないこともあります。

CC0で作品を公開した後、その作品の利用を制限することはできますか?

いいえ。CC0の目的とは、作品をパブリック・ドメインに置くことです。すでにパブリック・ドメインにある作品がそうであるように、どんな人でもどんな理由であってもあなたの作品を利用することが可能になっています。たとえあなたが気に入らなかったり不愉快に感じるような方法であってもです。あなたの作品を商用利用することも可能です。あなたのクレジットを表示するかしないかの選択も利用者の判断にゆだねられています。ただし、作品にあなたの商標がついている場合には、利用方法についてコントロールすることができます。CC0では、商標権の放棄は行われません。あなたがCC0で配布している作品をあなたの商標つきで利用するためには、商標権法によって、利用者はまずあなたの許可を取得する必要があることが規定されています。

もし自分の作品がどのように利用されるか不安であったり、法的な帰属を手放すことができないのであったり、また自分の作品の商用利用を避けたい場合には、CC0ではなく、Creative Commonsライセンスの適用を考慮すべきでしょう。

商標や特許などの他の知的財産に関わる権利はどうなっているのでしょうか?

CC0では、商標権や特許権は放棄対象にならないと非常に明確に宣言しています。CC0が対象とするのは、著作権とデータベースに関する権利などを含む著作隣接権だけに限られています。商標権が放棄されないのは、CC0を自分の作品に適用した制作者は商標つきの作品に関しては質を担保できる必要があるからです。 (たとえば、派生作品の利用者が、その派生物もオリジナルの作者と関連があったり、オリジナルの作者の手によるものだと勘違いさせないようにするということです) つまり、作品にあなたの名前やプロジェクト名が付与されていて、その作品の品質や一貫性を重視するなら、商標つきのCC0として作品を公開するという手段は一考に値するものだと言えます。

特許については、根本的に難しい問題を抱えています。Creative Commons(特に、Science CommonsとccLearnプロジェクト)でのゴールの一つに、人が次から次へと積み重ねていけるような情報の活用と流通を促進する、というものがあります。時として、驚きや意外性のある作品が生まれることがあります。この目標を達成するには著作権法の放棄だけで十分で、特許権の放棄にまつわる複雑な仕組みを導入する必要はありませんでした。また、設計当初のゴールから外れることなく、CC0を可能な限りシンプルなままにしておきたいとも考えていま す。結果、特許権の放棄を含めることによるメリットよりも、デメリットの方が明らかに大きいという結論に至りました。

CC0で公開されている作品を利用する人のための質問

CC0で公開されている作品は誰でも利用することができるのですか?

はい。CC0は、利用者を制限しません。一度CC0が適用されると、あらゆる人が、商用利用も含め、いかなる方法、いかなる目的であっても利用することが可能になります。ただし、他の人が作品に何らかの権利を持っている場合や、その他の法的制限がある場合には、その制約には従う必要があります。

CC0を適用して作品を公開した人への帰属を明記する必要はありますか?

いいえ。帰属を明記する法的な義務はありません。許諾者から依頼されて、自発的に明記することはもちろん可能です。

なぜ作品公開元の地域名が表示されているものもあるのですか?

CC0適用ツールでは、どの地域から作品が提供されているのか選択することができます。許諾者によって選択されていると、この地域情報は、CC0表示テキストやコンピュータによって解析されるコードの中に埋め込まれます。

この地域情報は、利用者が作品に対してなにができるのか、あるいは、できないかを判断するための重要な材料のひとつになります。許諾者がどんな権利を放棄しているのか、利用者はどんな権利を持っているのかを決定する要素は他にも重要なものがありますが(たとえば、利用者がどこに居住しているか、など)、利用者がCC0の作品を有効活用するにあたっては、どの地域から作品が提供されているのかという情報は重要性の高いものの一つです。

ただし、注意すべきことがあります。許諾者によって指定された地域名は、法律の選択や裁判管轄条項となるわけではありません(CC0では、法律の選択も、裁判管轄条項もできません)。また、利用者であるあなたがCC0の作品に対してどんな権利を持っているのかを最終的に判断する材料と見なすべきでもありません。作品を利用するにあたって考慮すべき要素のひとつであるにすぎません。作品公開元の地域情報が表示されているいないにかかわらず、許諾者か法律の専門家に、利用者としての権利について確認する必要がでてくることもあるでしょう。

CC0の作品を利用するために必要な権利はなんですか?

場合によりけりです。たとえば、CC0では商標権の放棄はできませんので、許諾者が保有している商標を使用したい場合には、先に許諾を得ておく必要があります。また、個人の写真などが含まれている場合には、肖像権など他の人が保有している権利について、許諾を得る必要があります。

どうすれば作品を利用するために必要な権利をすべて持っていることを確認できますか?

Creative Commons ライセンスと同様、CC0には保証の排除に関する条項があります。このため、どんな権利に関してであれ、作品の許諾者(作品にCC0を適用した人)が許諾を与えるために必要な権利をすべて持っているのかどうかに関する保証はありません。CC0を適用した人は、本人が著作権を持っているのか、第三者の権利が含まれている場合それをすべてクリアしたか、という点に関して一切保証することはありません。もし疑問に思うときは、利用する前に、許諾者にコンタクトをとったり、法律の専門家に相談するなど、疑問を解決するために必要な手続きをすべてとることを強く推奨します。


(2023/03/25 にページタイトルを変更しました)