公認会計士の転職情報まとめ【2023年版】―最新の求人動向も紹介
ひと言でコンサルティングファームと言っても、会計・財務系、企業・事業再生系、税務系、あるいは経営戦略系など、守備範囲を異にするさまざまな組織があります。コンサルティングファームによって取り扱う案件や提供するサービスも異なりますし、社会情勢や景気の変動、経営者のニーズの変化などによって取り扱う案件が変化するという特徴があります。
近年は株式市況の好転やDX(デジタルトランスフォーメーション)、AI(人工知能)、シェアリングエコノミーなどの新たなジャンルのベンチャー企業の台頭と、資金調達の多様化、事業再編の進展に伴って、IPOやM&Aの案件が増加傾向にありました。しかし最近は景気変動に伴い、事業再生案件が増加傾向にあります。
最近ではこれまでの垣根を越えた、より高度なコンサルティングが求められるようになりました。公認会計士にも、監査や税務、M&Aや事業再生などといった、特定の分野に限られない幅広いスキル知識と経験が求められています。
会計・財務系コンサルティングファームでは、企業経営を支える「ヒト」「モノ」「カネ」といった経営資源の調達、運用、そして管理に関する業務をサポートします。日常的な会計処理や財務報告の作成ばかりでなく、金融商品や不動産などの購入や売却譲渡といった投資活動を支援するコンサルティング、従業員による不正や粉飾決算などを事前に防ぎ、企業経営が適正に行われるための内部統制システムの構築支援や不正が行われていないかの調査も行います。大手金融系コンサルティングファーム、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の会計・財務部門でもあるPwCアドバイザリー合同会社が日本国内最大手です。会計・財務系コンサルティングファームでは、これまでのような単機能的なコンサルティングにとどまらず、経営資源の最適配分やそれに伴う経営課題の発見、解決方法の提案など、経営戦略の策定を支援する戦略系コンサルタントとして機能しているファームもあります。
企業・事業再生系コンサルティングファームでは、解決すべき経営課題に直面している企業や経営の悪化している企業や事業を多角的な視点から分析し、解決すべき経営課題を見つけ出して企業の存続と回復、そして更なる発展のための解決策を提供します。経営課題を解決するためにはクライアントの企業や事業に対する深い理解と洞察、会計・税務などの知識に加えてマネジメントやマーケティング、ICT(情報通信技術)などの幅広い知識や、経営者や管理者層のキーパーソンとの意思疎通が重要となるため、コミュニケーション能力も重視されます。
税務系コンサルティングファームでは、主に税務面でのコンサルティングを提供します。ひと言で「税務面」と言っても、対象となる税務は多岐にわたります。M&AやIPOなどの組織再編や、海外展開、事業再生、事業承継など、企業の活動には必ず税務が関わってきます。企業の活動を税務面から支えることが税務系コンサルティングファームに求められる使命です。グローバル展開する世界的会計事務所のメンバーファームであるBig4税理士法人や、大手・中堅税理士法人、特定の業種や外資系に特化した会計事務所など、規模やクライアント、得意とする領域などは様々です。将来的に独立を考えている公認会計士の方に人気の転職先です。
戦略系コンサルティングファームでは企業が直面する経営課題を検出し、その原因を分析して解決するためのソリューションの提案と実行体制の構築、支援を行います。効果的なコンサルティングを提供するためには幅広く高度な知識と経験が必要です。その分、成功した時の達成感も高く、また高額なコンサルティング報酬も期待できますので、やりがいのある仕事ということができるでしょう。クライアントには外資系の企業が多いところから、英語をはじめとする外国語のコミュニケーション能力も求められます。
コンサルティングファームの場合、どのようなサービスを提供しているのか、どのようなプロジェクトに携わっているのかによって業務スケジュールは大きく異なります。そのため、他の業種のようにいつからいつまでが忙しく、いつからいつまでが閑散期というような区分はありません。
そのかわり、関わっているプロジェクトのフェーズによって繁忙期・閑散期の波があることが特徴です。例えば、戦略系コンサルティングや企業・事業再生系コンサルティングでは「最終報告」と言われるこれまでの活動の総まとめを行なう段階、会計・財務系コンサルティングでは企業の年度末が集中する1月~3月が繁忙期と言われています。
コンサルタントは「これが正解」という唯一無二の答えがある訳ではない現実の経営課題について、自らが最善と信じるソリューションを提言することが期待されています。常に真の経営課題は何か、その最善の解決策は何かについて思いを巡らし、検討と検証を繰り返すところから、他の業種と比べると業務量が多いと言われています。その反面、執務時間や仕事をする場所などに制約が少ないことが多く、自分のペースで仕事をしたいと考えている方にはぴったりの職種です。
コンサルティングファームでは刻々と変化する社会情勢や経営環境、クライアントのニーズに対応するために、必要となる知識や経験を有している人材の育成や確保が業界共通の課題であり、採用意欲は引き続き高い状況にあります。
近年ではIPOやM&Aに関わる人材が注目されていましたが、最近では、事業再生に専門的な知識を有する人材の募集が増えています。
コンサルティングファームの求める人材は即戦力となる経験者です。ただ、経験者といっても特定の分野における経験に限らず、クライアントの本音を引き出して経営上の課題を明らかにし、導き出したソリューションを提案し、実践に導くための経験やコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。
今後は複雑化する社会のニーズや経営課題に伴って、より高度なコンサルティングが求められると考えられますので、特定の分野に限らない、横断的で幅広い知識と経験が求められます。監査や税務、M&Aや事業再生などといったご自身の強みに加え、新たな知識と経験を積み上げていくことで、ご自身の市場価値を一層高めることができるでしょう。
【年代別】求められるスキル、 経験・活かせるスキル、経験 |
【年代別】コンサルティングファームの キャリアパス・ポジション |
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20代 | 公認会計士試験合格者 | アナリスト~コンサルタント |
30代 | コンサルまたは事業会社で企画系経験のある会計士 | コンサルタント~マネージャー |
40代 | コンサルティングファーム出身の会計士 | マネージャー~パートナー |
「コンサルタントになりたい」と考えている方にとって、コンサルティング経験の有無は気になるところでしょう。
結論からいうと、未経験でもコンサルティングファームに就職することは可能です。近年ではコンサルティング市場が急速に発達・拡大しており、経常的に人材が不足しているところから、大手であっても年間を通じて人材募集が行われ、未経験者も多く採用されています。
ですので、未経験でもコンサルタントとして採用される人の割合は意外と高いとされています。
コンサルタントになるために必須となる資格はありませんが、通常の職種よりも高く、幅広い専門的知識が求められます。まずは、過去に積んできた自身のベースとなる知識と経験を磨き上げ、進みたい分野を絞ってそこで必要となる専門的知識を学ぶとともに、それにとどまらず、関連する周辺知識まで学んでおくことが重要です。
コンサルティングファームの面接では、何がポイントととなり、どこが評価されるのでしょう?
コンサルティングファームで働くうえでは、高度で幅広い知識と経験に加えて、結論を導き出すための論理的な思考(ロジカルシンキング)と、経営課題を明らかにし、その解決のためのソリューションを提案し、そしてその実行を経営者に働きかけるための堪能なコミュニケーション能力が必要です。
論理的思考(ロジカルシンキング)と、コミュニケーション能力を面接の際にしっかりとアピールすることが大切です。
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Q監査経験しかない会計士でも、FASへの転職は可能?
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Qコンサルティングファームと監査法人の違いを教えてください。
A業務の違いに加えて、働き方にも違いがあります。監査法人は繁忙期と閑散期が明確なのに対し、コンサルティングファームはプロジェクト単位での業務のため、繁閑の時期が明確に定まっていないことが多いです。…もっと見る
A業務の違いに加えて、働き方にも違いがあります。…もっと見る
Q会計士がコンサルティングファームへ転職した場合、年収相場はどれくらい?
A会計士が監査法人からコンサルティングファームへ転職する場合、スキルや経験値によっても異なりますが、前職と同等程度、または残業代や業績賞与分が上乗せされ、多少年収が上がる可能性もあります。…もっと見る
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Q監査法人からコンサルティングファームへの転職では、どんな点をアピールすべき?
Aコンサルティングファームで重視されるのは、これまでの職務経験よりも、目の前の問題に対してどれだけ的確な解決策を示し、それを実行に移していけるかという問題解決力です。…もっと見る
Aコンサルティングファームで重視されるのは、これまでの職務経験よりも、…もっと見る
Q公認会計士のM&Aやデューデリジェンスでの役割って?
AM&A、デューデリジェンス業務において公認会計士が担う役割は、一言でまとめれば「仲介役」です。当事者同士の間で交渉をうまくまとめ、M&Aそのものを成功へと導くのが最大の目的となります。…もっと見る
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