二世帯住宅の完全分離型を成功させるには?実例と失敗しないコツ
こんにちは。COZYの田上です。
COZYのお家を建てたいというお客様の中には20~30代の若い世代も多く、最近は二世帯住宅が注目されています。
二世帯といえば親世代、子世代の組み合わせがもっとも一般的。
互いの生活のリズムが違うことを念頭に置いて、二世帯住宅の中でも完全分離型を検討される方が現在増えていますね。
メリットはもちろんデメリットも含めて、参考になるお話ができればと思います!
「完全分離型」の二世帯住宅はいいとこ取り?デメリットは?
二世帯住宅を考える時、「完全分離型」のほかには「完全同居型」と「部分共有型」があります。
「完全同居型」は寝室以外のすべてのスペースを共有、「部分共有型」は玄関や浴室など一部の設備を一緒に使うスタイルです。
いずれもご主人、奥さんどちらかのご両親と同居するとして、一方にとっては実の親でも、一方にとっては他人と一緒に住むわけですから、気を遣ったり、生活時間が合わないことでストレスを抱えたりということもあり得ます。
それを考えると、すべての生活空間を別々に設ける完全分離型は「互いにあまり干渉せず、プライバシーも保たれ、それでいて近くに住む安心感は得られる」というところが特徴です。
完全同居型、部分共有型に比べると完全分離型はいいとこ取りに思えますが、では、デメリットはどんなところでしょうか。
【デメリット1:建築費用が約2倍】
トイレ、キッチン、浴室といった水回りも含め、全部の設備が2つ必要になるので費用が2倍かかります。
浴室を共有すればお風呂のお湯も少なくて済むかもしれませんが、別々に使うと水道代が2倍になる可能性も。
光熱費はメーターを2台つければ世帯ごとに分けることもできますが、その取り付け費用も余計にかかるということ。
家を2軒建てるようなイメージですから、当然住宅購入費が高くなります。
また、平屋で2軒という建て方になると土地の広さが必要です。
親が持っている地所であれば土地代はかかりませんが、基礎工事代は増えてしまいます。
【デメリット2:縦割りなら”ただのお隣さん”に!?】
完全分離型二世帯住宅には、上下に分ける横割りと、世帯を左右に隣接させる縦割りの2タイプあります。
縦割りで最近求められているのは、隣り合う壁も離して造るスタイル。
これだと、コミュニケーションが取りづらくなることが考えられます。
親なのに、隣に住んでいるのに、生活の時間が異なるために顔を合わせる機会もほとんどない。
その結果「ただのお隣さん」みたいな感覚になってしまう場合も。
お互いの関係にもよりますが、たまには皆で集まってご飯を一緒に食べるとかっていうことはあってもいいのかもしれませんね。
【デメリット3:横割りだと「音の問題」が気になる…】
では、横割りならどうでしょう。
1階を親の世帯、2階を子の世帯で使うとします。
2階では遅くまでテレビを見たり家事をしたり…親は早く寝たいのに生活音が気になって眠れないとか、また、小さな子供がいれば日中でも走り回る音がうるさいとか、音の問題が不満につながる可能性はあります。
では親の世帯を2階にすればいいかというと、それも難しい。
年齢的に足腰に痛みを抱える方も多いですし、今は大丈夫でも近い将来、階段の上り下りが辛くなるかもしれません。
ちなみに僕のお客様で横割りにした方がいらっしゃいますが、元気いっぱいの3歳のお子さんがどんなに音を立てても、1階に住む奥さんのご両親はまったく怒らないんです。
これくらい理解のあるご家庭なら問題ないのですけどね。
二世帯「完全分離型」のメリットはここ!
先ほどもお話ししたように、親世代、子世代がそれぞれに「独立した暮らし」ができるところが完全分離型の最大のメリットです。
実際にあった話ですが、部分共有型の二世帯住宅を建てたご家庭で、奥さんとお姑さんの関係がうまくいかず、結局せっかく建てたお家を売ってしまったなんてことも。
同居する以前は友達みたいに仲が良かったのに、争いの火種となったのは食器のしまい方とか食事の味付けとかほんの些細なこと。
最終的には「一緒に暮らせない」となり、それぞれ家を出ることになってしまいました。
完全分離型の二世帯住宅であれば当然キッチンも分かれているので、生活習慣の違いも気にならないでしょう。
また、もし嫁姑の関係が悪くなったとしても片方だけ出ていけばいいし、空いた住居をよその人に貸すこともできます。
ご主人が外で働いて奥さんが専業主婦という前提で考えると、奥さんの親と同居するならもっと暮らしやすい場合が多いですね。
奥さんからすれば、家にいる時間が長くても自分の親だから甘えられるし、ご主人は朝出て夜帰ってくるので親世代と顔を合わせる機会は少ないけれど、その分かわいがってもらえるし…実際、僕がそうでした(笑)
完全分離型二世帯住宅の失敗しないコツは「家族でしっかり話し合う」こと!
二世帯住宅を親の土地に建てて住む方は多いです。
その中でも僕の案件でよくあるのが、「転勤の多い仕事をしていて、子供が小学校に上がるまでは家族も連れていきたいから、自分の方の世帯をほかの人に貸す」というケース。
で、戻ってきてまだ入居者がいると意外と入りづらい…っていうことがあります。
事前に期限を決めていたとしても、住んでいる人は「そのまま住み続けたい」と思うもの。
子供がいれば、引っ越して学区が変わると不便と考える人もいるでしょう。
駄々をこねられるとか退去させたことで恨まれるとか、そういうことにならないよう、人に貸す時は審査と事前契約をしっかりしておきましょう。
最後に、二世帯住宅を考えるときの”あるある”をお話しします。
「親をメインに考えているけれど、嫁のためにも」。
ご主人がそう言って自分の両親と住むことを決めるんですが、ご主人の意見が独り歩きしていることがけっこうあるように感じます。
「嫁のため」と言いつつも、それって本当に奥さんの了解を得て進めているのかな、と思ってしまう部分も。
住み始めてから起こるであろうさまざまなケースを想定した上で、夫婦2人で納得した結果なのかどうか、ここがすごく大事なんです。
完全分離型の二世帯住宅に決めました、で、住んでみたら互いにあまり干渉しないとはいえ挨拶しないわけにはいかないですよね。
専業主婦の奥さんがずっと家にいて働いていないってところで、ご主人の両親に気を遣うケースもよくあります。
パートを始めるからと子供を親に預ければ「ちょっと時間を減らしたら」。
じゃあ保育園に入れようかと考えると「そこまでしなくても」などと言われて、働くに働けないということも多いんですよ。
そこまでイメージした上で、完全分離型の縦割り、横割りも含めて熟考すべき。
特に嫁姑の間はちょっとしたことで歯車が狂う可能性があります。
2人の関係が悪くなっても、ご主人はまず助けられません。
同じ屋根の下で「うちの嫁にこういうのやめてくれないか」って、親に言えないものなんです。
それでいて奥さんに「うちの親は優しいから大丈夫」と言うけれど、それは「あなた目線」。
「親の土地に建てるから土地代が浮く」「子供の面倒を見てもらえる」といった安易な考えだけで二世帯住宅を建ててしまうと、問題が起こったときに後に退けません。
事前にご主人と奥さんの間でしっかり話し合いをしておいてくださいね。
完全分離型二世帯住宅を成功させるには、どう暮らしたいか共有が大事!
親世代との距離感が程よく、プライベートな空間もきちんと持てる完全分離型二世帯住宅。
自分たちの暮らし方、親たちの暮らし方がしっかりイメージできていれば、メリットの方が大きいかもしれません。
そのためには、子世代のご主人と奥さんが十分に話し合って、これからどう暮らしたいかを共有しておくことが大事。
ただ、さまざまなケースを想定して…とはいっても、実際に住むまではなかなか気づけないことも多いと思います。
経験豊富なハウスメーカーでは、過去の事例も参考にしながら、適切なアドバイスを受けることができます。
僕たちも皆さんが疑問や不安に思っていることについて一緒に考えていきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
札幌COZYの新築一戸建て住宅施工事例でもさまざまな家のカタチをご覧いただけます。
理想の家づくりを考える際に、ぜひ参考にしてみてくださいね♪