エプソン独自の差動出力『Wide Amplitude LVDS』を開発(2024年1月29日) | ニュース | エプソン

2024年1月29日

セイコーエプソン株式会社

エプソン独自の差動出力※1『Wide Amplitude LVDS(WA-LVDS)』を開発

- LSIに応じた低ノイズの出力をフレキシブルに選択可能 -

※1:互いに極性が反対の周波数信号を出力する方式。高い周波数の伝送が可能で、ノイズに強いなどの特長がある。

セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、このたび水晶発振器用の新たな差動出力『Wide Amplitude LVDS(以下 WA-LVDS)』を開発しました。これにより、LSIが求める振幅レベルに最適な出力を、フレキシブルに選択することが可能となりました。なお、『WA-LVDS』を搭載した水晶発振器は2025年度の商品化を目指します。

昨今のデジタル化の進化により、第5世代移動通信システム(5G)やIoT(Internet of Things)はもちろん、次世代通信システムなどは、今後ますます増大するデータトラフィックに対応すべく高速・大容量化が進んでいます。そのようなシステムの情報伝送に必要なLVDSやLV-PECL、HCSLなどの汎用差動出力はそれぞれ特徴を持っており、各システムに最適な出力が選択されています。しかし、近年は通信機器への要求性能の高度化により、通信機器に使用されるLSIにとって最適な差動出力を受信する回路が設計されるようになりました。それに伴い、汎用差動出力でサポートできない事例が増え、今後さらにLSIに適した差動出力の要求が強まることが予想されます。

既存の汎用差動出力のLVDSは、LV-PECLやHCSLと比較して消費電流が低い反面、振幅が小さいため耐ノイズ性が低いというデメリットがあります。そこで、振幅レベルが選択可能でフレキシブルに使用できる差動出力の『WA-LVDS』を開発しました。『WA-LVDS』は、大きな振幅を容易に得ることを可能にしたことで耐ノイズ性を向上させ、さらにLV-PECLやHCSLと比較して低消費電流を実現しました。

今後もエプソンは水晶デバイスのリーディングカンパニーとして、さまざまな電子機器や社会インフラのニーズに対応する水晶デバイス製品を提供してまいります。

■『WA-LVDS』ドライバ回路に関する詳細は、テクニカルノート(下記URL)をご参照ください。

https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/pdf/OUT-23-1736_ja.pdf(PDF,1.4KB)

■各差動出力の振幅と出力電流および位相ジッタ※2については、別紙はこちら(PDF,237KB)をご参照ください。

※2:クロック周期の揺らぎをジッタという。位相ジッタは、ジッタのない理想クロックとのエッジずれを示す指標であり、位相雑音特性から算出することができる。

【お客様のお問い合わせ窓口】

セイコーエプソン株式会社 MD営業部 MD営業グループ

ウェブサイト URL:https://www5.epsondevice.com/ja/contact/direct.html

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