By まつがん
「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」は、アイコニックなカードが多数収録されており、隅から隅までデッキの主役を張れるカードばかりのパックだ。
だがそんな中で、一際目立たないながらも実はすごい新カードが存在していた。
《消火機装コントロール・ファイア/パンドラ・チャージャー》。クリーチャー側の《消火機装コントロール・ファイア》自体はエピソード2時代からの再録だが、呪文側の「パンドラ・チャージャー」は新規であり、そしてその効果が実はかなりのハイスペックなのである。
何せ「選ばれず、ブロックもされない」というのは、ほとんどのS・トリガーを貫通する最強のダイレクトアタック要員ということを意味するからだ。
とはいえ、そもそも軽量呪文で自分のクリーチャーにバフがかけられるカード自体が珍しいといっても、そこまで言うほどか?と思われるかもしれない。
最近だと《芸魔獅子 レオジンロ/♩限りなく 透明に近い このワタシ》の呪文側が1コスト軽い上に近しい効果を持っている。だが相手のターンまで効果が続く代わりに選ばれないのは呪文からのみであり、クリーチャーの「G・ストライク」で選ばれてしまうなど、抜け道も多い。
トリガーケアという視点だと《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》もかなり強力な耐性を付与できるが、こちらも「G・ストライク」がとにかく天敵である。
《罪無 バスダク極/ダックス奮闘》は1マナと軽いが、「ブロッカー」がトリガーすると途端に無力となってしまう。《暴輪ノ裁キ》もそもそも重い上に「ブロッカー」が超えられない。
こう見ていくと、「パンドラ・チャージャー」のようなすべての「ブロッカー」と「G・ストライク」を貫通できるバフ呪文というのは実際に意外と貴重ということがわかってくるだろう。
ではそんな「パンドラ・チャージャー」を使って、一体どのようなデッキを組むべきだろうか?
「パンドラ・チャージャー」が最強のダイレクトアタッカー要員を作れるとしても、5枚のシールドをブレイクする途中で他のクリーチャーがS・トリガーを食らってしまうようでは意味がない。それに、コンボパーツはできるだけ少ない方が良い。
ならば、単体で無限攻撃が可能なクリーチャーと組み合わせることこそが最適解なのではないか?
そう、すなわち。
《飢動混成 ガリィングマール》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《飢動混成 ガリィングマール》は「アタック・チャンス」呪文などと組み合わせて連続攻撃ができるディスペクターなので、これに「パンドラ・チャージャー」で選ばれずブロックもされない効果を付与すれば、《オリオティス・ジャッジ》や《B.F.F. モーメント》などの全体除去系のS・トリガーを踏まない限り攻撃を貫通させることができる。
しかも一度は「EXライフ」で耐えられる上に《禁時王秘伝エンドオブランド》で5以下の呪文は封殺できるので、実質的にはS・トリガーで返すのはほぼ不可能だろう。
さらに「パンドラ・チャージャー」がチャージャーなので「3→5」の動きの助けになるほか、受けが少なくなりがちなところを《消火機装コントロール・ファイア》が補える点も噛み合っている。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『パンドラ・ガリィングマール』
4 | 《ナゾの光・リリアング》 | 4 | 《AQvibrato》 | 4 | 《ミラクル1 ドレミ24》 | 4 | 《飢動混成 ガリィングマール》 | 4 | 《消火機装コントロール・ファイア/パンドラ・チャージャー》 | 4 | 《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》 | 4 | 《ダイヤモンド・ソード》 | 4 | 《T・T・T》 | 4 | 《縫合秘伝マリススティッチ》 | 4 | 《禁時王秘伝エンドオブランド》 |
速度も再現性も何もかもが足りない!!!😡😡😡
そもそも《飢動混成 ガリィングマール》がダイレクトアタックまでいけるかが不確実すぎるし、《飢動混成 ガリィングマール》を探す手段にも乏しく、コンボパーツが多すぎるために「あと1枚引いてればな……」を毎ゲーム繰り返す様はさながらエンドオブランドならぬエンドレスエイトであった。
だが、無限攻撃が可能なクリーチャーは《飢動混成 ガリィングマール》だけではない。
やはり無限攻撃の大家といえば、このクリーチャーだろう。
《牙神兵ガンガン・マンモス》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《牙神兵ガンガン・マンモス》は《夜露死苦 キャロル》とのセットで無限攻撃が可能なクリーチャーである。とはいえそのまま使うと「G・ストライク」だけで止まってしまう貧弱な子ゾウだったわけだが、「パンドラ・チャージャー」で選ばれないブロック不可のバフをかけることで、ダイレクトアタックを決めるまで決して止まらないガネーシャ神が爆誕するのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『パンドラ・マンモス』
4 | 《AQvibrato》 | 4 | 《イシカワ・ハンドシーカー/♩聞くだけで 才能バレる このチューン》 | 4 | 《夜露死苦 キャロル》 | 4 | 《牙神兵ガンガン・マンモス》 | 4 | 《牙神兵ガンガン・マンモス/ブレイン・タイフーン》 | 4 | 《芸魔隠狐 カラクリバーシ》 | 2 | 《芸魔獅子 レオジンロ/♩限りなく 透明に近い このワタシ》 | 4 | 《消火機装コントロール・ファイア/パンドラ・チャージャー》 | 2 | 《飛翔龍 5000VT》 | 4 | 《キリモミ・ヤマアラシ》 | 4 | 《氷柱と炎弧の決断》 |
コンボパーツ多すぎ代替性なさすぎ!!!😡😡😡
《牙神兵ガンガン・マンモス》を素出しして無事にターンが返ってくるはずもないのでコンボを決めるためには《キリモミ・ヤマアラシ》で走らせるしかないが、そうなるとフィニッシュターンの手札には《キリモミ・ヤマアラシ》《牙神兵ガンガン・マンモス》《夜露死苦 キャロル》《芸魔隠狐 カラクリバーシ》《消火機装コントロール・ファイア/パンドラ・チャージャー》の5枚が必要になるという、かぐや姫もびっくりの無理難題を押しつけられる羽目になってしまった。
冷静に考えてみると、《飢動混成 ガリィングマール》や《牙神兵ガンガン・マンモス》のような「3回以上の攻撃が可能」というのは5コスト以上に設定されていてしかるべき能力である。ということはその時点で速度的に無理があり、代替性がないためにサーチカードが必要になったり、スピードアタッカー付与材などのコンボパーツが増えてしまう。
そしてここで気づいたのだ。「選ばれず、ブロックされない」クリーチャーが必ずしもすべてのシールドをブレイクしなければいけないわけではないという事実に。
そう、トリガーをケアするためだけなら、「パンドラ・チャージャー」を唱えたターンの最初のブレイクは脇のクリーチャーが行ってもいいのだ。
したがって「パンドラ・チャージャー」の相方は無限攻撃ができる必要はなく、ブレイク数によっては2回攻撃できるだけで十分ということだ。
そこから導き出される結論は。
《甲獣軍隊 ベアフ・ガンガンオー》を《カダブランプー》でアンタップすればいいのでは???🤔🤔🤔
脇にクリーチャーを1体添えてから、「選ばれず、ブロックされない」4点×2。これこそが答えだ。
しかも「パンドラ・チャージャー」がチャージャーであることを生かし、アンタップで入ったマナを「キリフダッシュ」で再利用するという美しいライン。
迷走はしたものの、今度こそ「パンドラ・チャージャー」の最適な相棒にたどり着いたのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『パンドラ・ベアフガン』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》 | 4 | 《ドリドリ・コドリアン》 | 4 | 《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》 | 4 | 《カダブランプー》 | 4 | 《芸魔獅子 レオジンロ/♩限りなく 透明に近い このワタシ》 | 2 | 《龍装者 バルチュリス》 | 4 | 《消火機装コントロール・ファイア/パンドラ・チャージャー》 | 4 | 《甲獣軍隊 ベアフ・ガンガンオー》 | 2 | 《超獣軍隊 ベアフガン》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 |
マナベースがオワオワのオワ!!!😡😡😡
もともと自然単だった《甲獣軍隊 ベアフ・ガンガンオー》のデッキに「パンドラ・チャージャー」と《カダブランプー》を入れようというのだから3文明になってしまうのは仕方ないにしても、多色カードを許容できないアーキタイプでそれをやってしまうとゴミゴミの実の全身ゴミ人間が爆誕するだけなのであった。
だが、この挑戦によって改善すべき点は明白になった。「パンドラ・チャージャー」と《カダブランプー》を使いつつ、2色に収められる「侵略」デッキ。
そう、すなわち。
《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
脇が1点ブレイクする前提にしても、「パンドラ・チャージャー」のバフをT・ブレイカー以下に付与する場合だと4枚のシールドに対して3点1点でしか行けないため、《カダブランプー》による一度のアンタップではダイレクトアタックまでたどり着けない。
しかしそれならば2回アンタップすればいいのだ。
火のコマンドを中心にした「レッドゾーン」戦略は2~3ターン目にオールインすることが多いが、そこをあえて「パンドラ・チャージャー」→《カダブランプー》構えまで可能になる4ターン目まで溜めることで、往年の「火水アポロヌス・ドラゲリオン」のような貫通力を手に入れることができるのである。
あとはこのコンセプトに相応しい火の「コマンド」や周辺カードで残りを埋めていくだけだ。
《偽りの希望 鬼丸「終斗」》は相手次第で出せるかどうかが変わるとはいえ、さすがに現代最強の火の「コマンド」だ。4ターン目までに《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》「パンドラ・チャージャー」《カダブランプー》を抱える必要があるので、1ドローも地味に沁みる。
《撃速 ザ・グナム》は3ターン目に無条件で出せる火の「コマンド」の中では最もまともな能力を持っている。どうせ4ターン目まで待つので「スピードアタッカー」は必要なく、それならばメタ能力で相手を遅延できた方が都合が良いというのも噛み合っている(《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》が剥がれてアンタップすることを考えると本当は能力よりもW・ブレイカーサイズの方が望ましいのだが贅沢は言えない)。
3ターン目は火の「コマンド」、4ターン目は「パンドラ・チャージャー」+《カダブランプー》でやることが決まっているので、残るは2ターン目。ここで求められるのは「シールドを1枚小突けること」と「コンボパーツ各種にアクセス可能なこと」の2点。
そして2コストのクリーチャーで4ターン目までに複数のカードにアクセスが可能なものといえば《カンゴク入道》と《伝説演者 カメヲロォル》だ。《伝説演者 カメヲロォル》は相手にも引かせてしまうが、4ターン目にゲームが終わることを考えるとゲームを左右するのは3ターン目開始時の1枚分だけなので、デメリットもそこまで気にならないだろう。
というわけで、できあがったのがこちらの「パンドラ・レッドゾーン」だ!
『パンドラ・レッドゾーン』
4 | 《カンゴク入道》 | 4 | 《伝説演者 カメヲロォル》 | 3 | 《AQvibrato》 | 4 | 《撃速 ザ・グナム》 | 2 | 《武打!rAsh&ルピア》 | 4 | 《カダブランプー》 | 2 | 《芸魔獅子 レオジンロ/♩限りなく 透明に近い このワタシ》 | 4 | 《偽りの希望 鬼丸「終斗」》 | 4 | 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》 | 4 | 《轟く侵略 レッドゾーン》 | 1 | 《熱き侵略 レッドゾーンZ》 | 4 | 《消火機装コントロール・ファイア/パンドラ・チャージャー》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!でもその前に、革命的なカードが好きな研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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デュエマ妄想構築録 vol.75-1 ~絶対3ターンメクレイド!オールイン・バード!!~ | |
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