みなさん、こんにちは。
さて前回の”GermanMAESTRO”の続きです。
誕生日のプレゼントとしてヘッドフォンを買ってもらうことにした私。
その機種を選ぶ過程を書いていたのですね。
つまり、一般的には決してメジャーとは言えないGermanMAESTRO GMP8.35D MONITOR。この機種にピンと来た私ですが、せっかく買ってもらうのだから思わぬ”やらかし”だけは避けねばなりません。
この機種が”当たり”である確証を得るために出来ることは何でもしたワケです。(イヤ、それは微妙にウソかな)
とりあえずネット上のレビューは隅から隅まで見ました。
この隅から隅までというのが如何にもウソくさいですが、これがけっこうホントなのですよ。
だって、このヘッドフォンのレビュー自体が非常に少ないですから(笑)。
とにかく日本国内ではほとんど売れていないと思われ、そのレビューはほとんど片手で足りるぐらいしか発見できませんでした。
海外の方がまだ多少は在りましたけれども、それにしてもゼンハイザーやAKGなどに比べればほとんど無いも同然と言えるほどの数。
とはいえ、とても少ないレビュー数とはいえ、ほとんどがポジティブな意見ばかりでした。
一応、英語のレビューもよく判らないなりに斜め読みしましたが、どうやら悪いことはほとんど書いてない模様。
よく評価が五つ星で出ていますが、海外サイトのレビューではどこも平均で4.5個ぐらいは星が付いていました。
国内のレビューに関しては、絶賛する方もいましたし、その方はこのブランドが気に入り過ぎて他の機種も三つ四つ買ってしまったそうです(笑)。
う~ん、これは”GOサイン”ではないでしょうか?
ひょっとしたら私の好みではナイ可能性もありますが、高品質であることは確実な感じです。億が一、好みで無かったとしても、高品質であればひきつった笑みを浮かべないで円滑に家庭生活を送れることでしょう。
というワケで、GermanMAESTRO GMP8.35D MONITORに決定されました。
上限が3万円というお達しでありましたが、いつも利用しているショップで丁度セール対象品になっており、2万円をも大きく割り込む価格になっていました。
本来ならば上限近くの価格だったのですが、これは相方の財布にとっても好都合です。
それでそのままネットで購入してもらいました。
しかし、まあ以前も書きましたが最初にトラブルが。
翌日届いたその商品。
何と!これが不良品。
ケーブルの被膜に四か所も切れ込みが……。
安心と信頼のドイツ製のはずなのに……。
正直に申し上げましょう。
充分に”当たり”である確証を得るため努力したつもりでしたが、いきなりの不良品。
これは”ハズレ”を暗示しているのでは?と思いました。
さて、当然ですがショップで交換してもらいました。
ちなみにその交換品はショップ在庫の「最後の一個」だという話。
正直に申し上げましょう。
最後の一個というのが今度は”当たり”を確信しました。
何故?と訊かれても根拠は在りません。
何となく勝手に、世の中は上手くできているのだ!とか思ったのです。
交換品は一度開封して不良でないことを確認した後に、相方が直接手渡しで受け取りましたので、今度こそ大丈夫です。
でも、安心と信頼のドイツ製でも不良率はゼロではナイということが判ったことは収穫だった!と前向きに意味不明のことを言っておきます。
では、大変前置きが長くなりましたが(笑)、この機種の本質に迫ります。
一言で言うと「とても良い!」です。
二言で言うと「見た目は良い音が出るとはとても思えないが、とても良い!」です。
三言で言うと……、もうやめましょう。
その創りは無骨です。
軍用としての採用実績があるらしいですが、ほとんどそのためにデザインしたかのようです。全く美しさのかけらも在りません。
でもコレ、けっこう好きです。どうせ装着している時は自分には見えないし、そのシンプルさが確実に装着感に寄与していると思われるからです。
ヘッドバンドとハウジングは樹脂製ですが、これが大変丈夫なようです。
ヘッドバンドを水平にして更に本来の使用時とは逆方向まで曲げても折れないそうです。
イヤ、さすがに怖いので私はそこまではやってません。でも水平ぐらいまではやってみました。
ヘッドバンドは鉄棒に引っかけて大人がぶら下がっても折れません。
これはネットに動画が在りました。
イヤ、さすがに私はそこまでやってません。
というか、たとえば公園とかの鉄棒にヘッドフォンでオッサンがぶら下がっていたら、通報されるような気がします
ハウジングは車に轢かれても壊れないそうです。
イヤ、さすがに私…以下略。
非常に頑丈でありながら、樹脂製であることから重量は220g程度です。
ですから、そのゴツイ外見とは裏腹に装着感はかなり軽くて良い感じです。
締め付けは最初ややキツク感じられるかもしれませんが、自在に癖を付けることができるようで、使っているうちに徐々に馴染んできます。
欲を言えばもうちょっとイヤパッドが厚目だったら良かったですね。
ケーブルは……、まあ最初にミソが付いたケーブルですが、私の手持ちの機種では最もしっかりした感じです。中ほど半分ぐらいがカールしており、そこがカールしたままの状態で約1.2m。引き延ばすとカタログには3mとありますが、多分この3mというのはケーブル自体の実測値だと思われ、実際の使用時に引き延ばした状態だと2mくらいでしょう。
イヤぁ~しかし、一体どうして最初の不良品は被膜に切り込みが入っていたのでしょう。
カミソリでワザとスパッと切ったかのような感じでした。
基本的にモバイル用としては考えられていないので、折り畳み構造にはなっていません。
しかし、どうしても持ち運びたければ本体自体が非常に頑丈なので、ケーブルにだけ気を付ければカバンに放り込んでも大丈夫!だとあるユーザーさんがおっしゃっていました。
カバンの中で別の物とぶつかっても、どうせグニャリと勝手に形を変えてくれるから心配ないそうです。
さて、問題の音質です。
基本的にはモニター用ですのでフラットです。
ただし、このフラットというのは案外曲者です。
世間に出回っている多くのリスニング・ヘッドフォンは大体低音が盛られています。
ですからモニター系の多くは高音がキツク感じます。
このヘッドフォンもその辺は同様です。
ただし決して”刺さる”感じではありません。
とはいえ、強いて言えば高音はちょっと硬目の音かもしれません。
中音域はかなり出ています。
ヴォーカルやギターがかなりイイ感じに艶っぽく聴こえます。
低音はモニターなので音量は控えめな感じですが、非常に引き締まって存在感が在ります。特にバスドラムの音はその皮の振動までも見える感じです。
全体的に音の起ち上りが良く、非常にドライブ感溢れる音に聞こえます。
音場は密閉型ゆえにそれほど広くはありません。
解像度は充分です。もちろんこれ以上の解像度を持つヘッドフォンは沢山あるのでしょうが、実用上これ以上必要のないレベルの解像度には達しています。
とにかくロックにおけるリズムセクションの音はとても気持ちイイです。
モニター用ではありますが、そのリズムセクションの楽しさゆえに、リスニング用としての使用も完全にアリだと思います。
っていうか、私はむしろリスニング用として使っています。
正直、普段使いのリスニング用としてはこのヘッドフォンがファースト・チョイスになってしまいました。
で、制作時のモニター用としてはこのヘッドフォンは3番目の存在として使っています。
どうしてそんなに気に入っているのに”ファースト・モニター”にしないのか?
つまり、このヘッドフォン、リズムセクションがカッコよく聴こえると私言いましたでしょう!?(柳翁かよ)
だから実はイマイチのリズムセクションでも実際以上にマトモに聴こえてしまうのではないか?と心配になるからです(笑)。
ってなワケで、総評を言いますと、とても素晴らしいヘッドフォンである!ということになります。
まあ誰もこんなオッサンの言うことなど信じないと思われますが、本心から申しております。
しかし、非常に入手性は低い機種だと言えます。
以前の代理店は既に手を引いてしまっているようでして、今年になってからは、
studio gita
(こちらがリンク)さんが取り扱っているようです。
え~と、以前より取扱い機種が減ってしまいましたね。
価格も上位機種は変わりない感じですが、このGMP8.35D MONITORはちょっと上がってしまったかもしれません。
税込みで\30,240ですね。
私的にはこの価格で高いとは全然思いませんが、この価格帯だとライバルが余りにも多いですね。
ゼンハイザー、AKG、ベイヤーダイナミックや国産でもソニーやらオーディオテクニカやら……。
う~む、私としてはこのブランドのヘッドフォンがもっと売れてもらって、価格がこなれて普通にどこのショップでも手に入れることができる未来を希望するのですが。
イヤ、そうなればいつ何時でも私が買いやすいから!という極めて手前勝手な理由ですけど。
余談ですがこのブランドの一番安価な3CAN116というヘッドフォン。
イヤ、買いませんって(笑)。
楽曲発売中!!