前回の病気時オススメ食(と言いつつ、「こんなもん言われなくても誰でも本能的にそういうのを求めますよ」としか思えないような、大したことなさすぎる情報でしたが(笑))に関する記事で、いくつか脱線して記事水増しに打ってつけかな、と思えるネタがありました。
まぁ実はちょっと前に見ていた栄養関連シリーズでも「いつか見てみよう」と開いておいたタブに、どれも既にあったような気もするんですけど、新しく広がっていくネタもなくなってきたので、そちらを順に見ていこうかなと思います。
まずは、健康な腸生活ひいては人生に一番重要とも言える栄養素のひとつ、繊維質というものが、何度か「水溶性(soluble)」という但し書きとともに登場していたことがありました。
こいつは一体なんじゃらほいということについて説明してくれている記事を、今回はチェケラッチョしていくといたしましょう(↓)。
こちらも大変短めの記事ですが、前回よりは何か得られることがあることを期待したい限りです(笑)。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いは何?(What’s the Difference Between Soluble and Insoluble Fiber?)
粗食合戦では、どちらが優勢なのでしょうか?
食物繊維は、体内の消化管を清潔に保つことで最もよく知られていますが、実は規則正しい生活を送る上でも本当に健康に良い効果があることをご存知でしたか?
「食物繊維は植物由来の重要な栄養素です。粗飼料やバルクと呼ばれることもあります」と、登録栄養士のジリアン・カルバートソンMS/RD/LD(修士/登録栄養士/管理栄養士)がおっしゃっています。
食物繊維には2種類存在します: 水溶性と不溶性です。両方を適量摂取することで消化を助けることが可能となり、特定の慢性疾患のリスクを下げることも可能かもしれません。
水溶性および不溶性食物繊維とは何?
食事をすると、体は食べ物を分解して利用できる栄養素に変えます。しかし、食物繊維は消化吸収することが不可能なのですが、実はそれは良いことなのです。その代わり、食物繊維はほとんどそのままの状態で体内を巡ります。
水溶性食物繊維は水や体液に溶けます。水やその他の体液に溶けると、ゲル状になって体内を通過していきます。ひとたび大腸に到達すると、善玉腸内細菌のエサとなります。健康な腸内細菌は、肥満やそれに関連する糖尿病などの症状を予防するなど、多くの健康上の利点と関連しています。
不溶性食物繊維は液体に溶けません。その代わり、不溶性食物繊維は水分を吸収しながら他の物質とくっつき、便を形成します。その結果、軟らかく、カサがある―そしてより規則正しい―便になるのです。
食物繊維はどう体に健康効果をもたらすのか
どちらの食物繊維も健康には欠かせません。食物繊維には以下を含む効能があります:
- 消化: 「食物繊維は便を出やすくしてくれるのです」とカルバートソン栄養士が語っています。「規則正しさとは、より良い大腸の健康を意味しています。」
- 心臓の健康: 食物繊維はコレステロールを下げ、高血圧の予防とコントロールに役立ち得ます。
- ガン: 複数の研究で、食物繊維の摂取が、大腸ガンや乳ガンのリスク低下に直接関連していることが報告されています。
- 糖尿病: 食物繊維は血糖値コントロールの改善により、糖尿病リスクの低減に役立ちます。
- 寿命: 食物繊維の多い食事は長寿につながると提唱している研究者もいらっしゃいます。
- 体重管理: 食物繊維は満腹感を長持ちさせるのに役立ちます。
水溶性食物繊維の効能
水溶性食物繊維が体内で作り出すゲル状の物質には以下の効果があります:
- 脂肪を体内に吸収されにくくする
- コレステロール値と血糖値を下げる
- 心臓病のリスクを下げるかもしれない
- 健康的な腸内細菌を増やし、これにより体内の炎症を抑え、消化改善に役立つ
不溶性食物繊維の効能
不溶性食物繊維は以下を行います:
- 体内の老廃物の処理を助ける
- 腸の健康状態を改善する
- 便秘の予防と治療
- 痔や憩室炎といった大腸疾患のリスクを減らす
食事で水溶性食物繊維をもっと摂る方法
水溶性食物繊維の良い摂取源には、以下が含まれます:
- リンゴ
- 大麦
- 豆類
- ニンジン
- 柑橘類
- オーツ麦
- エンドウ豆
- サイリウム(オオバコ)(下剤としてよく使われる食物繊維の一種)
「間食が必要なときはこういった食品に手を伸ばしたり、スープやサラダやその他の食事に加えてみたりしましょう」とカルバートソン栄養士が提案しています。
食事で不溶性食物繊維をもっと摂る方法
不溶性食物繊維の良い摂取源には、以下が含まれます:
- 豆類
- ナッツ類
- 小麦ふすま
- 全粒粉
- カリフラワー、インゲン豆、ジャガイモ、ニンジンなどの野菜
- ベリー類
「ほとんどの植物には両方の食物繊維が含まれているため、野菜中心の食生活にすると、費用対効果が良いでしょう」とカルバートソン栄養士が話している通りです。「朝食は、食物繊維の多いシリアルやオートミールで不溶性食物繊維を摂る絶好の機会です。レシピによっては、精白された小麦粉の代わりに全粒粉を使うことも可能かもしれませんね。」
どのくらいの量の食物繊維の量が必要?
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の摂取量を比較する必要はありません―そうではなく、1日に食べる食物繊維の総量に注目しましょう。推奨量は以下の通りです:
- 50歳以下の男性:38グラム
- 50歳より上の男性:30グラム
- 50歳以下の女性:25グラム
- 50歳より上の女性:21グラム
食物繊維をどれくらい摂取しているのかを知るために、栄養成分表示をチェックするようにしましょう。また、多くのアメリカ人同様、食物繊維が十分摂れていないと思われる方の場合は、ゆっくり始めて、少しずつ増やしていくことをカルバートソン栄養士が推奨しています。いきなり食物繊維を摂り過ぎると、ガス痛や腹部膨満感の原因になりかねません。
「果物、野菜、豆類を含む様々なホールフード(※丸ごと食べられる、未加工の、主に植物性食品)を豊富に含む食事にすることが、スタート地点としては最適ですね」とカルバートソン栄養士がおっしゃっています。「食物繊維のサプリメントが役に立つことも時にはありますが、食事が常に最良の供給源なのです。」
…おいおい嘘だろ、「水溶性繊維・不溶性繊維はそれぞれ具体的にどういう物質(何という名前の分子)なのか?」っていう情報が一切なしとか、そんなのまとめ記事としてアリエッティ??
…と思いましたが、でも冷静に考えたら、この世に数万種類はあるタンパク質(遺伝子の情報をもとにアミノ酸がつながってできたものがタンパク質で、ヒトだけでも2~3万の遺伝子=タンパク質が存在しています)も、
「アクチンが何%でミオシンが何%でグロビンが何%で…この内水溶性タンパク質はこれこれで……」
…なんて情報は誰も気にしてないし知りたくもないのと、形としては全く同じ話なのかもしれませんね。
実際食品ラベルに分子名まで書いてあるわけでもないですし、知るだけ無駄な、どうでもいい話と言える感じでしょうか。
(そんな「何者か」よりも、「どんな食べ物に含まれるか」の方が遥かに重要ですし、必要な情報には間違いないですしね。)
とはいえ僕は研究者の端くれとしてそういう情報は気になるので、調べてみたら我らが厚労省のe-ヘルスネットにいくつか例がちゃんと示してありました。
不溶性食物繊維はセルロース・ヘミセルロース・キチン・キトサンなど、水溶性食物繊維にはペクチン・グルコマンナン・アルギン酸・アガロース・アガロペクチン・カラギーナン・ポリデキストロースなどがあります。
…ということで、まぁ細胞壁のセルロースとか、あとはゼリーに含まれる…というか蒟蒻畑の「マンナンライフ」という社名でおなじみ、マンナン系なんかは有名所かもしれないものの、やっぱり実際「名前を知った所で…」って話かもしれません(笑)。
というかそもそも「どちらをどれだけ摂取したかは全く考える必要がありません、食物繊維総量だけを数えて、全体をしっかり摂ればOKです」って話だったので、「じゃあそもそも何のために分けたねん」って話だったわけですけど(笑)、まま、一応繊維質には微妙に違いがある(というか、化学的には水溶性か不溶性かってめちゃくちゃ大きな違いですけどね)ということで、教養として知っておいても損はしない話だと言えましょう(例によって、得もしない話な気がしますけど(笑))。
50歳になった瞬間に推奨必要量がガクッと減るのも謎過ぎて不思議ですが(笑)、まぁそれはあくまで目安ですし、自称・健康星人の経験則として繊維はマジで極めて重要なのは間違いありませんから、しっかり摂ることを心がけたい限りですね。