今年も、大根を炊く - ぴょん記

ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

今年も、大根を炊く

 大根というものは、これを好んで毎日2本ずつ焼いて食べていた武士があるとき館を賊に襲われた際、どこからともなく立ち現れた、妙に色白な侍2名が、たちどころに賊徒をばったばったと薙ぎ倒して、館のあるじの命を助けたというくらい、ありがたいもので。

 たまには、丁寧に取った出汁で、大根と厚揚げだけの煮物を仕立ててみたいと思う。そう思いつくところまではくるのに、いざ台所に立つと、大根がネットスーパーの配達さんによって届けられるより前に、ゆで卵を固めにつくって、蒟蒻を三角に切って灰汁を抜いてと、もう自動でおでんの準備を始めてしまう。油揚げはあるのに、厚揚げはなかなか入手していないという買物習性もおおいに関係しているのだろう。というわけで、この夕餉は、今季7回目くらいのおでんであった。

 ほかの材料を圧力鍋で加圧している間に、油揚げを半分に切って、同じく半分に切った切り餅を詰めて口を楊枝で閉じる作業を済ませておく。油揚げは、4枚100円くらいの湯通し不要の軽いもので、こうして作った餅袋を圧力が抜けて蓋を開けた鍋に入れて別の蓋をして弱火で10分ほど煮ておくと火が通る。これがあるから、おでんのときには、しいてご飯を炊かなくてもいいはずなのに、〆の餅袋まで醤油の塩気に口が耐えきれず、やはりご飯に手が伸びてしまう。

 

 こういうのも使いこなせたらさぞかし、とは思う。