『鎌倉殿の13人』第36回 - ぴょん記

ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『鎌倉殿の13人』第36回

 『平清盛』第27回だったろうか、清盛と、宿敵義朝が、一騎打ちの戦いを演じる。その『平清盛』で、源頼朝の少年時代を演じていたのが、中川大志さんだった。大河ドラマでは、細川光千代、源頼朝豊臣秀頼、そして畠山重忠と、大大名か有力武士を演じている。『鎌倉殿の13人』第36回では、「武士の鑑と謳われる武者」との関係図プロフィール通り、「泥水を啜ることなく、家名を守る」ことを全うした身の処し方であった。

 梶原景時がいったん所領に戻ろうとして討たれたのを反面教師として、鎌倉へ少人数で上る途上に大人数の相手方と会敵し、見事討ち取られたのが、畠山一流のシナリオ通りだと、義時や和田殿たちも理解していたし、八田殿もだからこそこの粛清劇は間違いだったのだと煽る側に付いた。首を打たれた稲毛殿は哀れだし、それを命じたとして(実際に命じたのだが。)さらに非難を集めた時政にも少々同情してもよいかもしれない。りくさんは、これで政範の敵討ちが済んだ、と安心しているが、主たる目的が愛息の敵討ちだったのか、それとも武蔵国の支配権を手にすることだったのか、はやくもわからなくなるようなことばも口走っている。彼女は、尼御台の政子と似たりよったりの年頃なので、そろそろ五十の坂を越えようとするころか。夫の時政は、七十近いし、政範亡き後は、嫁に行った娘たちと、生さぬ仲の継子ばかりで、その大家族のなかでは居心地もあいかわらずそれほどよくない。夫がえらくなって富を得れば、それはいざというときの身の安全を保証するものであるから、時政が武蔵国の畠山の所領を皆に分けてしまうよといったとき、りくさんは、本当にがっかりしたことだろう。

 りくさんにしても、義時の三人目の奥さんののえさんにしても、すでに成人した子のある武士の家に後妻として迎えられるのは、けっこう大変そうだ。

 

 阿仏尼は、二条為家の側室になった公家の女性です。