赤ちゃんのうつぶせ寝のメリットとリスクは?注意点も解説
子育てを行うご家族にとって、赤ちゃんの行動はとても気になりますよね。
起きている時は片時も目を離せないのはもちろん、寝ている時の体勢が気になる方もいらっしゃるでしょう。特に、うつぶせ寝に関しては安全面での問題や、健康に関する問題も指摘されているため、赤ちゃんの周りの大人が注意を払う必要があります。
今回は、赤ちゃんのうつぶせ寝のメリットとリスクや、うつぶせ寝をさせるタイミングについて解説します。記事の最後に、睡眠時の赤ちゃんの安全を守るために周りの大人が気を付けたいことについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
うつぶせ寝のメリット・リスク
うつぶせ寝のメリット
うつぶせ寝のリスク
うつぶせ寝のタイミング
うつぶせ寝の際の注意点
毛布や衣服に注意する
寝床にものを置かない
体温に注意する
無呼吸アラームを活用する
まとめ
うつぶせ寝のメリット・リスク
うつぶせ寝は、赤ちゃんにとっていくつかのメリットとリスクが存在します。
ここでは、メリットとリスクについて詳しく解説しています。
うつぶせ寝のメリット
うつぶせ寝のメリットとして代表的なのは「消化の促進に繋がる」という点です。赤ちゃんは体の機能が未発達のため、胃の形も独特です。胃の入り口の筋肉も未発達なため、中の物が逆流しやすくなっているのです。ミルクや母乳を飲んだ時に空気を一緒に飲み込んでしまうことで、消化しきれなかった物が吐き戻されるのです。
また赤ちゃんの頭の形が良くなる可能性があるとも言われています。うつぶせ寝の状態だと頭が圧迫されないため、頭の形が良くなるのです。ずっと仰向けのままだと、後頭部の形が変わってしまうこともあります。
他にも、うつぶせ寝だと仰向けに比べて夜泣きが少ない傾向があります。お腹の部分が覆われていて暖かいため、赤ちゃんにとって安眠しやすい状態となるのです。抱っこやおんぶをされている状態と似ていると言えます。
うつぶせ寝のリスク
うつぶせ寝のリスクは、赤ちゃんの安全性が保障されてないという点に尽きるでしょう。前述した通り、寝返りを打てない状態の赤ちゃんには窒息の危険性があります。消費者庁の調査によれば、0歳児の不慮の事故の原因として「窒息」が最も多いことが分かっています。
他にも、乳幼児突然死症候群の危険性が高まります。SIDS(Sudden infant death syndrome)とも呼ばれ、一見健康に見える乳幼児が、何らかの理由で突然亡くなります。はっきりとした原因は解明されていませんが、この病気で亡くなる赤ちゃんは、うつぶせ寝の状態であったケースが多いです。
自分で寝返りが打てるようになれば好きな姿勢で寝かせても構いませんが、前述した通りSIDSを発症する可能性はゼロでは無いので、寝返りが打てるようになるまでは仰向けで寝かせるようにしましょう。
うつぶせ寝のタイミング
どの時期から、赤ちゃんをうつぶせ寝させても大丈夫なのでしょうか。小さい子どもだからと言って、絶対に仰向けで寝かせなければいけない、ということはありません。以下に、うつぶせ寝が可能なタイミングを紹介します。
1歳になるまでは、赤ちゃんを仰向けで寝させるべきとされています。この基準は、厚生労働省が推奨しているものです。寝ている時の赤ちゃんには、窒息の危険性があります。うつぶせ寝の状態で枕やクッションなどに顔が埋まってしまうと、呼吸が出来ずに窒息状態になってしまいます。ある程度成長した赤ちゃんであれば寝返りが打てるようになりますが、寝返りが自分で打てない場合は、うつぶせ寝をさせることは避けましょう。
うつぶせ寝の際の注意点
うつぶせ寝の状態を心地が良いと思っている赤ちゃんもいるため、仰向けにしてもうつぶせに戻ってしまうこともあります。お父さんやお母さんが、常にずっと赤ちゃんを見ていることも難しいです。そこで、うつぶせ寝を可能な限り安全に行う方法を、以下に紹介します。
毛布や衣服に注意する
赤ちゃんを寝かせる時は、ふわふわの毛布を使ってあげたくなりますが、寝る時の安全性を考慮した場合は避けた方が良いです。赤ちゃんが間違って、毛布で顔を覆ってしまう危険性があります。本人にその気が無くても、無意識の内に布団をさわって、気づいたら顔にかかっていたなんてこともあります。ふわふわとした柔らかい物では無く、硬めの物を使うようにしましょう。ある程度成長したら、ふわふわの毛布に切り替えても大丈夫です。
また、衣類に関してもふわふわの物を着せるのは控えるようにして下さい。寝返りを打った時に服が顔を覆ってしまう可能性があります。首元がゆるい服や、フードが付いている服も避けるべきです。服がずれやすくなり、知らない内に顔が服で覆われている、なんてこともあります。首元がタイトで、フードなどが付いていない服の方が安全です。
寝床にものを置かない
赤ちゃんの寝床に物を置かないようにしましょう。
枕やぬいぐるみが周りにあると、赤ちゃんが寝がえりを打った時に口がふさがって窒息する可能性があります。もし、お気に入りのぬいぐるみやクッションが無いと寝てくれない場合は、
赤ちゃんが寝ついた後に離してあげると良いでしょう。
体温に注意する
赤ちゃんの体温と、大人の体温は違います。大人にとっては丁度良い布団や衣服の枚数であっても、赤ちゃんにとっては暑すぎることもあります。赤ちゃんは基本的に、大人よりも体温が高いのです。赤ちゃんは新陳代謝が良いので、大人の倍は汗をかくと言われています。
生後2か月までなら大人と同じくらいの枚数でも良いのですが、3か月以降は大人よりも一枚少なくすると良いでしょう。春夏秋はまだしも、冬は寒いしさすがに枚数を多くした方が良いのでは、と思う方もいるかも知れませ
冬は赤ちゃん用の毛布に綿毛布などを組み合わせるのがオススメです。「それで足りるの?」と思うかも知れませんが、前述した通り赤ちゃんは新陳代謝が良いので、大人にとっては薄くても丁度良い温度になるのです。
無呼吸アラームを活用する
安全に配慮していても、赤ちゃんの動きが悪くなったり、無呼吸になったりと不測の事態が起きる可能性はあります。そんな時にすぐに対応できるように「無呼吸アラーム」を使うことをオススメします。
厚生労働省は、保育園で乳児が睡眠時に突然死することを防ぐための対策として、無呼吸アラームの購入補助費を計画したことでも話題になっています。赤ちゃんの動きをセンサーが感知して、動きの低下や停止があるとアラームが鳴るようになっています。センサーを赤ちゃんに取り付けるタイプと、布団などの下に敷いて使うタイプの2種類があります。
また睡眠時の無呼吸は鼻吸い器でも予防できます。就寝前に鼻水を吸引することで、赤ちゃんの安眠をサポートできます。赤ちゃんのお鼻のお手入れについては、こちらをご覧ください。
関連ページ:赤ちゃんの鼻掃除はどうやってする?ケア方法と鼻づまりの予防のポイントを紹介
まとめ
赤ちゃんのうつぶせ寝には、安全面において注意しければいけないことも多いです。メリットよりもリスクの方が大きいため、1歳になってからうつぶせ寝を行うのが理想と言えるでしょう。
しかし、毎回仰向けで寝かせるのが難しい場合もあります。そういった時はこの記事で紹介した方法を参考にして、赤ちゃんが安心してうつぶせ寝が出来るように、工夫してみてはいかがでしょうか。