香り高いそばとチャーミングなおかみさんと… 【手打そば玄蔵】
2020.09.20
高麗神社を出たのはほぼ正午で、まず昼ごはんにしようということになった。
巾着田に向かう間に何かしらあるだろうともくろんだが、この間わずか2kmちょっとで、あっという間に着いてしまった。途中、飲食店は見当たらず。
土地勘がないのでうろうろするのもアレなので、そのまま右折して曼殊沙華公園に入ろうとしたが、前記事に書いたように駐車場入り口にいろいろ張り紙がしてある。
“曼殊沙華まつり開催中止”“曼殊沙華は咲いていません”…
あまつさえ微妙な位置にカラーコーンまで置いてあり、もはや入場禁止にしか見えないのだった。
その時点で巾着田は諦め、さあどうしようかと直進しようとすると、すぐ前方におそば屋さんの看板が。
迷わず車を入れたのは言うまでもない。
おそば屋に入った経緯を少していねいに説明してみたが、ごく自然な成り行きに思える。
強いて変わったところを挙げるとすれば、自分には珍しく意思決定によどみがない。
店名は「手打そば玄蔵」。
こぢんまりした店内は、しっとり落ち着いた雰囲気。テーブル2卓、小上がりに座卓が3卓あるが、コロナ対策で中央の座卓は使われていない様子。先客は3組で、1つ空いていたテーブル席に。
ご夫婦で切り盛りされているもようで、職人気質の寡黙なご主人と明るく愛想のいいおかみさんといったところか。
注文は、おろしそばと天もりそば。
一組分を出し終えたら次の組に取りかかるといったじっくりていねいな仕事ぶりで、当然時間がかかる。
品書きをぱらぱらと眺めていた相方が、えっ? と反応した。
品書きには、そばのこだわりとして、「北海道上川郡産の厳選された玄そばを埼玉県○○町の水車で挽いたそば粉を使用しています」と書いてある。○○町は相方の故郷である。
「これ、知ってるお店かも…」
色がかなり黒い挽きぐるみで、不ぞろいに切られた手打ち感いっぱいのそば。ごつごつとコシがあり、見た目どおりに香りが強い。
つゆはかえしの甘味が強く、素朴なそばとの相性はいいと思う。
おろしそばのおろしは辛味がかなり強く、辛味大根が使われているのかもしれない。
薬味にネギのほか、ワサビとショウガが両方付いてくるのがおもしろい。量もたっぷり。
天ぷらは、えび、なす、ピーマン、舞茸。
「お塩でお召し上がりください」とおかみさん。
サクサクと衣は硬めだが、タネの火の通りは良好だ。
こちらの薬味は上記3種にさらに大根おろしも付く。
真面目な仕事ぶりが伝わってくるようなおいしいそば。
お会計のとき巾着田曼珠沙華公園に入れることをおかみさんに確認して、前記事後半へと続くわけである。
出ぎわ、おもむろに
「この○○のお店、私知ってると思うんです」と相方。
「えっ!? 本当ですか?」とおかみさん。
実家が○○町である旨を告げると、
「もしかして年、一緒ぐらいですか?」とおかみさん。「(昭和)XX年生まれです」
「私もXX年」
「でも私、早生まれだから」
「私も早生まれ!」
「△△さんよね? △△☆☆さん」と相方。「私、◇◇です。◇◇□□」
「あの美人でモテモテだった!?」と、言ったとか言わなかったとか(笑)。
中学の同級生だったという。いやー、こういうことってあるんですね。
昭和40年代? △△さんのお父さんがそば店を開業したとき、何もない田んぼの真ん中みたいな土地だけに相当話題になったとのことで、相方はいまだに覚えていたと。
こちらのお店は、そのお父さんのお店の水車で挽いた粉を使っているということ。
水車のそば店はいまも人気らしい。
今度ぜひ行ってみよう!
[DATA]
手打そば玄蔵
埼玉県日高市大字栗坪27-3
[Today's recommendation]
https://youtu.be/gg2i0PDR73Y
昭和XX年といえば…?
高麗神社を出たのはほぼ正午で、まず昼ごはんにしようということになった。
巾着田に向かう間に何かしらあるだろうともくろんだが、この間わずか2kmちょっとで、あっという間に着いてしまった。途中、飲食店は見当たらず。
土地勘がないのでうろうろするのもアレなので、そのまま右折して曼殊沙華公園に入ろうとしたが、前記事に書いたように駐車場入り口にいろいろ張り紙がしてある。
“曼殊沙華まつり開催中止”“曼殊沙華は咲いていません”…
あまつさえ微妙な位置にカラーコーンまで置いてあり、もはや入場禁止にしか見えないのだった。
その時点で巾着田は諦め、さあどうしようかと直進しようとすると、すぐ前方におそば屋さんの看板が。
迷わず車を入れたのは言うまでもない。
おそば屋に入った経緯を少していねいに説明してみたが、ごく自然な成り行きに思える。
強いて変わったところを挙げるとすれば、自分には珍しく意思決定によどみがない。
店名は「手打そば玄蔵」。
こぢんまりした店内は、しっとり落ち着いた雰囲気。テーブル2卓、小上がりに座卓が3卓あるが、コロナ対策で中央の座卓は使われていない様子。先客は3組で、1つ空いていたテーブル席に。
ご夫婦で切り盛りされているもようで、職人気質の寡黙なご主人と明るく愛想のいいおかみさんといったところか。
注文は、おろしそばと天もりそば。
一組分を出し終えたら次の組に取りかかるといったじっくりていねいな仕事ぶりで、当然時間がかかる。
品書きをぱらぱらと眺めていた相方が、えっ? と反応した。
品書きには、そばのこだわりとして、「北海道上川郡産の厳選された玄そばを埼玉県○○町の水車で挽いたそば粉を使用しています」と書いてある。○○町は相方の故郷である。
「これ、知ってるお店かも…」
色がかなり黒い挽きぐるみで、不ぞろいに切られた手打ち感いっぱいのそば。ごつごつとコシがあり、見た目どおりに香りが強い。
つゆはかえしの甘味が強く、素朴なそばとの相性はいいと思う。
おろしそばのおろしは辛味がかなり強く、辛味大根が使われているのかもしれない。
薬味にネギのほか、ワサビとショウガが両方付いてくるのがおもしろい。量もたっぷり。
天ぷらは、えび、なす、ピーマン、舞茸。
「お塩でお召し上がりください」とおかみさん。
サクサクと衣は硬めだが、タネの火の通りは良好だ。
こちらの薬味は上記3種にさらに大根おろしも付く。
真面目な仕事ぶりが伝わってくるようなおいしいそば。
お会計のとき巾着田曼珠沙華公園に入れることをおかみさんに確認して、前記事後半へと続くわけである。
出ぎわ、おもむろに
「この○○のお店、私知ってると思うんです」と相方。
「えっ!? 本当ですか?」とおかみさん。
実家が○○町である旨を告げると、
「もしかして年、一緒ぐらいですか?」とおかみさん。「(昭和)XX年生まれです」
「私もXX年」
「でも私、早生まれだから」
「私も早生まれ!」
「△△さんよね? △△☆☆さん」と相方。「私、◇◇です。◇◇□□」
「あの美人でモテモテだった!?」と、言ったとか言わなかったとか(笑)。
中学の同級生だったという。いやー、こういうことってあるんですね。
昭和40年代? △△さんのお父さんがそば店を開業したとき、何もない田んぼの真ん中みたいな土地だけに相当話題になったとのことで、相方はいまだに覚えていたと。
こちらのお店は、そのお父さんのお店の水車で挽いた粉を使っているということ。
水車のそば店はいまも人気らしい。
今度ぜひ行ってみよう!
[DATA]
手打そば玄蔵
埼玉県日高市大字栗坪27-3
[Today's recommendation]
https://youtu.be/gg2i0PDR73Y
昭和XX年といえば…?