ビッチビチでぷりぷりのアジ刺しを、ランチで! 【魚正】
2018.04.04
ずっと気になりつつも入ったことのない近場のお店がいくつかある。
その筆頭が、東村山栄町の「魚正」。
気になる理由はズバリ、おいしそうだから。
いつも表に出ている昼の部のプレートには、いずれも魚料理の“丼”7種、“膳”7種が載っている。そのうち右から順に、いか丼、あじ丼、いわし丼の3品は、よほどネタに自信がなければ単種ものの丼にしようとは考えないはず。
それがメニュー表の右端から順に、すなわち最安値で提供されているあたり、実力の高さが裏打ちされているように思われるのだ。
これまで入らなかったのは、ズバリ、入りにくそうだったから(笑)。
やはり店内の様子がまったくうかがえないというのはネック。人が出入りする場面を目撃したこともないし、店内に人けを感じることもない。
1人で入るのはちょっとキビシイ物件である。
本日午後、相方は久米川駅近くに用事があるという。
ちょうどよい機会なので駅で待ち合わせて行ってみることに。
不思議なことに、いざ入ろうとなると中からにぎやかな話し声が聞こえてくる。
それはそれで常連で盛り上がっていたらイヤだなと、おそるおそるのぞいてみる。
小上がりに6~7人のおばちゃんグループ。幸い、ちょうどおひらきのもよう。
カウンター席に座って落ち着くのを待って、小上がりに移らせてもらう。
カウンター6席、小上がりに4~6人掛け座卓2つと、思ったよりこぢんまりした店内。
年配のご夫婦で切り盛りされている。
いか丼800円とあじ刺し膳900円を注文。
建物そのものはそれほど古くはなさそうだが、町家風の内装に年代物とみられる漆塗りのたんすが調和して非常に趣がある。
カウンター右端とその向こうに水槽があって、手前の小さいほうはサザエやカキなどの貝用、大きいほうでは生きのよさそうなアジやイサキが泳ぐ。
奥の調理場から出てきたおやじさん、いきなり水槽にタモ網を突っ込んだ。
逃げ惑う魚たち。
突如繰り広げられた光景をぼう然と見守るワタクシたち。
やがておやじさんがタモを持ち上げると、大ぶりのアジがビッチビチいってる。
「アジ切らしちゃったから、サービス(笑)」とおやじさん。
「えー!? ありがとうございます!!」
「ちょっとは味、違うんじゃないかしら」とおかみさん。
「いやぁ、ちょっとどころじゃないでしょう」
「そうよねぇ(笑)」
で、アジ刺し膳を運んできたおかみさん、
「まだ動いてるでしょ?」
活け造りのアジの頭としっぽがピクピクいってる。身が透き通ってる。
口に入れるとぷりぷり弾力があって、かむほどに甘味が広がる。
量もたっぷり。1尾まるまる使ってる。
運がよかったのだが、それにしても900円のランチでこのアジ刺しはすごい。
いか丼のいかも鮮度抜群。
キュウリとネギをたっぷり敷いてあって、爽やかな味わい。
副菜は、油揚げ・かぼちゃ・しらたきの煮物、ひじきの煮物、アサリのむき身入りサラダ、ぬか漬け3種。
ホタテ稚貝とシジミという意外な組み合わせの貝汁は、甘めのみそとユズ風味で上品な仕上がり。
お支払いのとき、
「アジ、どうでした?」とおかみさん。
「もんのすごく、おいしかったです」
「でしょ。仕込んどいた分、ちょうど切らしちゃったから。ラッキーね♪」
「ありがとうございました(笑)」
お礼を言ってお店を出るシアワセを味わったのである。
まだまだ知らないいいお店がある。
それもこんな近場に、と驚かされた一日である。
[DATA]
魚正(うおせい)
東京都東村山市栄町2-23-4
[Today's recommendation]
https://youtu.be/Egx-oEiN9Dk
ずっと気になりつつも入ったことのない近場のお店がいくつかある。
その筆頭が、東村山栄町の「魚正」。
気になる理由はズバリ、おいしそうだから。
いつも表に出ている昼の部のプレートには、いずれも魚料理の“丼”7種、“膳”7種が載っている。そのうち右から順に、いか丼、あじ丼、いわし丼の3品は、よほどネタに自信がなければ単種ものの丼にしようとは考えないはず。
それがメニュー表の右端から順に、すなわち最安値で提供されているあたり、実力の高さが裏打ちされているように思われるのだ。
これまで入らなかったのは、ズバリ、入りにくそうだったから(笑)。
やはり店内の様子がまったくうかがえないというのはネック。人が出入りする場面を目撃したこともないし、店内に人けを感じることもない。
1人で入るのはちょっとキビシイ物件である。
本日午後、相方は久米川駅近くに用事があるという。
ちょうどよい機会なので駅で待ち合わせて行ってみることに。
不思議なことに、いざ入ろうとなると中からにぎやかな話し声が聞こえてくる。
それはそれで常連で盛り上がっていたらイヤだなと、おそるおそるのぞいてみる。
小上がりに6~7人のおばちゃんグループ。幸い、ちょうどおひらきのもよう。
カウンター席に座って落ち着くのを待って、小上がりに移らせてもらう。
カウンター6席、小上がりに4~6人掛け座卓2つと、思ったよりこぢんまりした店内。
年配のご夫婦で切り盛りされている。
いか丼800円とあじ刺し膳900円を注文。
建物そのものはそれほど古くはなさそうだが、町家風の内装に年代物とみられる漆塗りのたんすが調和して非常に趣がある。
カウンター右端とその向こうに水槽があって、手前の小さいほうはサザエやカキなどの貝用、大きいほうでは生きのよさそうなアジやイサキが泳ぐ。
奥の調理場から出てきたおやじさん、いきなり水槽にタモ網を突っ込んだ。
逃げ惑う魚たち。
突如繰り広げられた光景をぼう然と見守るワタクシたち。
やがておやじさんがタモを持ち上げると、大ぶりのアジがビッチビチいってる。
「アジ切らしちゃったから、サービス(笑)」とおやじさん。
「えー!? ありがとうございます!!」
「ちょっとは味、違うんじゃないかしら」とおかみさん。
「いやぁ、ちょっとどころじゃないでしょう」
「そうよねぇ(笑)」
で、アジ刺し膳を運んできたおかみさん、
「まだ動いてるでしょ?」
活け造りのアジの頭としっぽがピクピクいってる。身が透き通ってる。
口に入れるとぷりぷり弾力があって、かむほどに甘味が広がる。
量もたっぷり。1尾まるまる使ってる。
運がよかったのだが、それにしても900円のランチでこのアジ刺しはすごい。
いか丼のいかも鮮度抜群。
キュウリとネギをたっぷり敷いてあって、爽やかな味わい。
副菜は、油揚げ・かぼちゃ・しらたきの煮物、ひじきの煮物、アサリのむき身入りサラダ、ぬか漬け3種。
ホタテ稚貝とシジミという意外な組み合わせの貝汁は、甘めのみそとユズ風味で上品な仕上がり。
お支払いのとき、
「アジ、どうでした?」とおかみさん。
「もんのすごく、おいしかったです」
「でしょ。仕込んどいた分、ちょうど切らしちゃったから。ラッキーね♪」
「ありがとうございました(笑)」
お礼を言ってお店を出るシアワセを味わったのである。
まだまだ知らないいいお店がある。
それもこんな近場に、と驚かされた一日である。
[DATA]
魚正(うおせい)
東京都東村山市栄町2-23-4
[Today's recommendation]
https://youtu.be/Egx-oEiN9Dk