この本は現在ポルノとして有名な本である。
作者はポリーヌ・レアージュ(Pauline Reage)という名となっているが、
実際の作者は、ドミニック・オーリ(Dominique Aury)であり、
彼女は1998年4月26日に90歳で既に亡くなっている。
(彼女は生前、『オー嬢の物語』(Histoire d'O)は自分が書いたと発言した)
この本は1966年に河出書房新社より刊行(本邦初訳)されたものである。
訳はフランス文学者の澁澤龍彦。
挿絵は澁澤龍彦から依頼され、当時新鋭の画家金子国義が担当した。
*古書店でも勘違いしている人が多々居るが、
古書で生計を成すのであるならば、
いい加減な記述はやめて貰いたい。
本書は「帯付」と書く古書店がいるが、
それは否。帯に見えて、実際はただの印刷である。
帯と思う気持ちは判らんでもないが、
まず帯というからには幾分かの紙の厚みがあり、
手でなぞると、その紙の厚みが感じられるはずで、
その時点で、これは帯風に印刷されたものだと
確実に認識できるはずだが・・・。
恥ずかしい事に、帯付きと1ミクロンの疑いも持ちえず、
堂々と記載しているのはただ閉口するばかり。
知識(書誌学)というものが根底から、根本から異常な程、
欠如している古書店には、正直うんざりしている。
無知蒙昧で、素人以下の知識しか持ちえない癖に、
あくどい価格帯をつけている輩がいる。
古書店を開業する際には知識を問うためにも、
国家試験でも実施し、免許制にして欲しいと思う程だ。
そこまで日本の古書店はどうでもいい業者ばかり。
欧米などの古書店は全部では無いしろ、
博識で書誌学にも詳しく、かつ語学にも長けたインテリが
我が国と比較して、多い傾向にあると思う。
人生死ぬまで勉強、知識と金がいくらあっても
決して邪魔にはならない。