読書「自白―真実への尋問テクニック(ぎょうせい)」 - 古書蒐集日記

読書「自白―真実への尋問テクニック(ぎょうせい)」

自白―真実への尋問テクニック
フレッド・E・インボー、ジョン・E・リード、
ジョセフ・P・バックリー著
小中信幸・渡部保夫訳
平成3年6月20日4版発行
株式会社ぎょうせい

尋問とはうそを解体することである。
うそとは“自己の利益のために、真実を曲げ、
または否定するために選択された行動”である。
本書は、真実の行方を探る技術を解明した書である。

目次
第1章 尋問前の準備
第2章 無実者を保護するため初期に払うべき諸注意
第3章 非公開と尋問室
第4章 尋問者の資格、態度、振る舞い方
第5章 有罪が疑わしくまたは不確実と思われる被疑者の尋問
の方法とテクニック
第6章 有罪が決定的または合理的に確実と思われる被疑者の
尋問の方法とテクニック―効果をあげるための九段階法
第7章 尋問者に対する一般的な提言
追補 被疑者の尋問の心理学的解明(ブライアン・C・ジェイン)
(本書紹介文より抜粋)

1996年5月に東京神保町の三省堂で買った本。
20世紀末頃は法医学や被害者学なども含め、いろんな犯罪や
事件の本をよく読んでいた時期。(架空のフィクションではなく)
そもそもは(今までブログに書いてきた)小学生の時に読んだ乱歩や
ホームズなどの探偵物やまたは中学生の時に読んだ涙香物などが
事の発端である。

このような刑事訴訟法に関した、翻訳書では本書は評価が高い。
本書で取り上げている、この一連の尋問術、リード・テクニックは
元警察官でポリグラフの専門家でもあった、ジョン・E・リードにより、
体系化された尋問術であるが、虚偽の自白を得ることがあると
批判される面がある。
犯罪捜査で被疑者への尋問により自白を強要される場合、
事件の加害者ではないが、捜査官があまりにも
執拗でかつ長時間にわたり、精神的、身体的な圧迫をかけていると
被疑者が疲労困憊してしまい、事実ではない、虚偽の自白をし、
そこから冤罪を引き起こす側面があるという事実を忘れてはならない。
冤罪を引き起こす場合、まず前提条件から加害者ではない、被疑者を
捜査機関が拘束した時点でその犯罪捜査は根底から間違ってると
言わざるを得ない。