古書蒐集日記

「Gustave-Adolphe Mossa没後50年回顧展図録」

Gustave-Adolphe Mossa. Niciensis Pinxit
22×28cm
livre relié
(大型本のハードカバー)
136作品収録
35€
2022年刊行

https://www.editionsgilletta.com/les-editions-gilletta/

https://www.editionsgilletta.com/produit/gustave-adophe-mossa/

1880年創業のニースにある、出版社Éditions Gillettaから
2022年にニース美術館 (Musée des Beaux-Arts de Nice)で開催された、
Gustave-Adolphe Mossa没後50年回顧展の図録を買ってみた。
(Mossaは本ブログで2009年04月9日に一度紹介したことがある)

Gustave-Adolphe Mossaは日本では知られていない画家、イラストレイターで
日本では画集が未発売で現時点で新刊で入手出来るのはこの回顧展の図録のみ。
レゾネが2010年に発売されたが、未読。
またレゾネは高額過ぎるのでこの図録を購入。
本図録は172Pのハードカバーだが、悪くはない出来。
図録でこの製本はしっかりしてて充分。
Gustave-Adolphe Mossaは(ニースからは外国のように遠方すぎる)
首都パリにも住まず、生涯をニースで生き、ニースで活動を続け、
ニースで死んだ。
またこの展示も彼が生前勤務した、ニース美術館で開催され、
この図録でさえもニースから出版されている。(印刷はイタリアだが)

本図録に関して言えば、まだ未見の作品が見れて楽しめたとは言えるが、
収録作品が多いとは言えずGustave-Adolphe Mossaの全作品を網羅は
してないのでお薦めまではしない。
しかし現時点で彼の作品群を見ることが出来て、かつ新刊で
入手が可能なのは本図録のみ。
Gustave-Adolphe Mossaは地元のカーニバルのポスター制作や装飾や演劇で活躍し、
一市民として生き、ニースで生涯を終えたことがこの図録でよく判る。
首都パリで生き、活動した、いかにも典型的なフランスの画家、
イラストレイターでは決してない。
Gustave-Adolphe Mossaは地元ニースだけで活躍し、ニースで死んだ。
そのせいもあるかどうかは知らないが、知名度としては高いとは言えないが、
彼の独創的な象徴主義の作品は見る者に忘れることが出来ない衝撃を与え続ける。

Gustave-Adolphe Mossa. Niciensis Pinxit

https://www.musee-beaux-arts-nice.org/agenda/gustave-adolphe-mossa-niciensis-pinxit/

Gustave-Adolphe Mossa. Niciensis Pinxit

http://robertzehilgallery.com/museum-exhibitions/museum-exhibitionais-gustave-adolphe-mossa-niciensis-pinxit/

Niciensis Pinxit
(投稿時なら視聴可能)

https://youtu.be/JMHAi1BB6rE?si=PPmY552HhHFPjBWO

Gustave-Adolphe Mossa au Musée des Beaux-Arts Jules Chéret
(投稿時なら視聴可能)

https://youtu.be/QUfKBrOUWTY?si=4eytXQbG-f7kZTwJ

Azur Riviera: à la découverte de l'exposition 
Gustave Mossa au Musée des Beaux-Arts et de Tomahawk
(投稿時なら視聴可能)

https://youtu.be/sugLnQpMZtc?si=_Z4Bg1lqYcUGV7Eg

CONOSCETE GUSTAV-ADOLF MOSSA? DO YOU KNOW GUSTAV-ADOLF MOSSA?
(投稿時なら視聴可能)

https://youtu.be/djiN_yfT9tM?si=BV9sS5GxmNquWEqH

読書「La Vie Parisienne: Covers and Cartoons」

本書はノンブル(ページ番号の表記)がない。
プレートの番号はある。
印刷&製本は中国。
Cheri Herouardを含めた、フランスの雑誌「La Vie Parisienne」で活躍した
イラストレイターが描いた表紙絵などのイラストが
全部でプレート101収録されている。

本書の表紙絵はプレート81
Rene Vincent(September 2,1922)
大型本で家庭用スキャナーでは全てをスキャンすることが出来ず
本書下部が切れてしまう。

La Vie Parisienne: Covers and Cartoons, 1917-1922 (Calla Editions) 
ハードカバー
208ページ
Calla Editions
2018年刊行。
ドーバー・パブリケーションズ
ドーヴァー出版はニューヨーク市にある、
1941年設立のアメリカの出版。

https://store.doverpublications.com/

Cheri Herouardなどのイラストで有名な、La Vie Parisienneの表紙絵を収録した
La Vie Parisienne: Covers and Cartoons, 1917-1922 (Calla Editions) を買ってみた。
色んなイラストレイターによる、イラストが楽しめる画集。
大量のイラストが入っているわけではなく、内容が濃いとは言えないが、
新刊で入手できるのは今のところこれくらいしかないのが現状。
内容が濃いとは言えないのでお薦めまではしない。

La Vie Parisienne
https://digitalcommons.risd.edu/picturecollection_lavieparisienne/

絵画 Frank Cadogan Cowper「The Blue Bird」』

イギリスの画家
Frank Cadogan Cowper (1877-1958)

The Blue Bird(1918)

ドーノワ夫人の童話「青い鳥」の場面から。
継母の娘の醜い王女との結婚を拒否したため、
魔法で青い鳥に変えられた、シャルマン王子が
宝石の贈り物を持って、監禁されている
可愛いフロリーヌ王女に会いに来た場面。
塔に監禁されて寂しい思いをしている王女に
王子は青い鳥になってからも好きな王女のために
贈り物を持って束の間の逢瀬でお互いの愛を
確かめ合います。

漫画 横山光輝 「時の行者」

楳図かずお「おろち」を電子書籍で読んでから
前から再度読んでみたく気になっていた、
横山光輝による、SF漫画の「時の行者」を
同じく電子書籍で読んでみた。

覚えてないほど昔に読んだことがあると思うが
よくは覚えていない。
どうしても再度目を通してみたくて読んでみた。
月刊少年マガジン連載時の1970年後半の時代色が出ている。
未来から江戸時代へタイムトラベルしてくる、少年の話だ。
最後の方では理沙という少女も出てくるが。
それにしても時の行者こと、未来の少年の淳は
いつも江戸時代では常に捕縛、拘束され、拘束だけではなく
拷問まで受けている。
この作品は漫画という形式で日本の歴史を学ぶという側面も
あるようなので江戸時代の有名な出来事、事件に常に巻き込まれてしまう。
ただの歴史学習漫画ということではなく、各時代の人間の生き様に
焦点を当てている。

『時の行者』横山光輝
https://gaerial.hatenablog.com/entry/2023/11/30/070000

[漫画]時の行者
https://sakuhindb.com/jmanga/7_Toki_20no_20Gyoujya/

漫画 楳図かずお「おろち」

先日、あの天才の楳図かずおが亡くなった時、
好きな作品として「おろち」を挙げている人がいた。
私はまだ「おろち」を読んだことがなく、
どんな作品なのだろうかととても気になった。
調べてみると余計気になった。
天才の彼が描くわけだし、また皆が称賛するので
決して駄作ではないだろうという確信を持った。
読んでみることにしたが、新刊でも古本でも
価格は安いとは言えず、電子書籍で読むのが価格的に
一番安いので電子書籍で読んでみた。

週刊少年サンデー』1969年から1970年にかけて
連載されたということで時代色があるとはいえ、
古さはさほど気にならなかった。
やはり人々が好きな作品に挙げている作品だけあり、
いい作品が多く、この楳図かずお「おろち」も
私が死ぬまで忘れない作品になった。

表現形式としては漫画だが、人間の心の闇を描いた、
これらの作品群はとても印象深く、心に刻まれた。
やはり女の美への憧れ、女が持つ、自身の美を失うことの恐れ、
女の嫉妬を描くのがとても上手い。
楳図かずおのその生涯は謎に包まれている。
特に彼の恋愛は謎に包まれている。
人間であるが故、恋愛には興味があるはずなのに、
楳図かずおについてはそんな浮いた話も恋愛話も
私は聞いたことがなく読んだことも一度もない。
しかし彼の作品は女を描くのがとても上手い。

楳図かずおに結婚相手も子供もいない!女性と一度も付き合ったことがないって本当!?
https://starry-night-wish-cometrue.com/archives/44847

映画「ドント・ムーブ」

2024年アメリカ製作。92分。
(原題 Don't Move)

悲しみに暮れる女性が、苦痛から逃れようと
人里離れた森の奥地に来ていた。そこで出会った見知らぬ男に
筋弛緩 (しかん) 剤を打たれてしまう。
徐々に体の自由が奪われていく中で、彼女が生き延びるためには、
全身の神経組織が完全に停止してしまう前に、
逃げて、身を隠し、戦わなければならない。
(映画紹介文より抜粋)

予告を見て期待が出来そうだと思い見てみた。
映画としては及第点でハラハラの連続だった。
不審がる老人はやはりやられてしまうのが残念。
やはり警官もまんまとやられてしまうのも残念。
そこは映画だからしょうがないか。
お薦めまではしないが、悪くはない出来。

『ドント・ムーブ』予告編 - Netflix
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/H3M2OFGuQhI?si=JueFvUXsR6r2fl0Y

スペインのSF映画 「プラットフォーム2」

2024年スペイン製作。100分。
(原題 El hoyo 2)

「プラットフォーム」のような地獄にいたら、
正義を貫くことができると思いますか。
もしそんな状況に置かれたら、誰がそれをやり遂げるでしょうか。

続編ではなく前作の前日譚ということらしいんですが、
正直意味不明でよくわかりませんでした。
考察サイトを読んでも、なんかすっきりとしませんでした。
あまりにも難解すぎると観客がついていけなくなってしまう。

El hoyo 2 | Trailer oficial | Netflix
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/brcvfeHYmBM?si=1CM1HUZX-vdGX0tr

ドイツ人兵士の人妻を寝取って復讐 映画『フィリップ』

ポーランド2022年製作。124分。
(原題 Filip)

ポーランド人作家レオポルド・ティルマンド
自らの実体験を基に1961年に発表し、その内容の過激さから
発禁処分となった小説「Filip」を映画化。
ナチス支配下ポーランドとドイツを舞台に、
自身がユダヤ人であることを隠して生きる青年の愛と復讐の行方を描く。

1941年、ワルシャワのゲットーで暮らすポーランドユダヤ人の
フィリップはナチスによる銃撃に遭い、恋人サラや家族を目の前で
殺されてしまう。2年後、フィリップは自身をフランス人と偽って
ドイツ・フランクフルトの高級ホテルのレストランで
ウェイターとして働きながら、ナチス将校の夫を戦場に送り出した
孤独な妻たちを次々と誘惑することでナチスへの復讐を果たしていた。
嘘で塗り固めた生活を送るなか、フィリップは知的な美しいドイツ人
リザと出会い恋に落ちるが……。
監督は1990年代よりテレビプロデューサー・演出家として活動し、
アンジェイ・ワイダ監督作のプロデューサーとしても知られる
ミハウ・クフィェチンスキ。
(映画紹介文より抜粋)

2時間超えの映画だが夢中で見ていたのでもう終わり?と長くは感じなかった。
荒唐無稽の異色の映画だか、楽しめた作品。
これもホロコースト映画に入るのだろうか?
ww2のドイツのフランクフルト、男は兵役につき、男不足のドイツが舞台。
本映画は主人公フィリップが有閑マダムのドイツ軍兵士の妻を口説き
大人の懇ろな関係になり、ドイツへの復讐をする映画。
つまりドイツ人兵士の妻を寝取ることで彼なりの復讐なのだろう。
フィリップの武器は銃器などではなく、彼のペニスだ。
夫が戦場へ送られ、寂しい思いをしている、
ドイツ人兵士の人妻を次々へと寝取っていく。

序盤、ウエイターたちが総支配人へ持っていくコーヒーを次々へと
唾を入れていく。1人や2人じゃない。5~6人はいただろうか。
これは誰々の分とか言い、一人で数滴の唾を入れるのもいる。
あそこまで唾を大量にコーヒーに混入したら、露骨に判るだろうと思った。
そんなコーヒーを飲んだ総支配人は冷めているが、いい味だと言っているし。
プールでドイツ女リザを口説き、またプール際で椅子に座り、読書をしている、
ドイツ人マダムにフィリップはプールから上がるとき、
露骨に膨らんだ股間をドヤ顔で「見てみて」と言わんばかりにマダムに見せ、
マダムエルザを口説く。
本映画は主人公フィリップとドイツ女の絡み、性交渉のシーンがある。
またドイツ占領下のポーランドポーランド人の悪口がある。
ユダヤ人ならドイツ女と性交渉してもしなくてもどうせ殺されることになる。
それならドイツ女と性交渉して、このような抵抗活動をしたのが良いだろう。
この意見は男なら同意するはずだ。
本映画冒頭ではこの物語はティルマンドの自伝的小説フィリップに
基づくと書かれている。

Filip - Zwiastun PL (Official Trailer)
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/QbhV1JA2zo0?si=5YSx01T35KgzvsBw

<復讐の女たらし>フィリップ 映画『フィリップ』
キャラクター紹介特別映像
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/g-NoXvDXzis?si=axhjU0ZN3KKOcyGy

音楽 わてほんまによう言わんわ 笠置シヅ子 「買物ブギ」(1950)

本ブログでは笠置シヅ子を何度も紹介しているが、
今回はブギブームの頂点1950年に発売された、
関西弁でノリがいい曲の「買物ブギ」を紹介。
YOUTUBE笠置シヅ子 「買物ブギ」の動画では画質が良い。
動画の中で笠置シヅ子は今では消滅した(ある意味)
昭和を象徴する買い物籠を下げている。

買物ブギ 笠置シヅ子
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/pyc2tdcRfmM?si=1mM8kHXGBsi6h7hQ

「第一回 中嶋清八人形教室展」のお知らせ

人形作家である、中嶋清八さんから
DMを頂いたので掲載を致します。

中嶋清八さんのブログ
https://seihachi.seesaa.net/

中嶋清八さんのtwitter.
https://twitter.com/SeihachiN

中嶋清八さんの人形教室
http://seihachidollclass.jimdofree.com

「第一回 中嶋清八人形教室展」

会期: 2024年12月20日(金)~24日(火)
12:00~19:00(最終日は16:00まで)

会場: Gallery NIW (ギャラリー ニウ)
東京都文京区関口1-44-8
東京メトロ有楽町線江戸川橋駅
1b出口より 徒歩3分
東京メトロ東西線神楽坂駅
2出口より徒歩11分

参加作家:

あきこの柳行李

有末剛

有馬輝武

Irissu

上妻みどり

絵刺屋

尾園一代

佐々木維基

是空

ナタデココ

nogu.

中嶋清八

中嶋を含め13名の出品です。
年末ではありますが、どうぞよろしくお願いします。
中嶋清八の出品はDM写真のビスクドールになります。

2023年 「横たわる少女 Ⅲ」
人形: ビスク モヘア グラスアイ 布
台座: 木 革 真鍮
台座サイズ幅約60cm×奥行き27cm×高さ8cm
人形サイズ45cm

https://seihachi.seesaa.net/article/505513762.html

読書「名探偵読本 シャーロック・ホームズ」他 涙香等

名探偵読本1
シャーロック・ホームズ
小林司東山あかね
株式会社パシフィカ
2版発行=1979年2月10日

以前、19世紀の服飾に関し、ネットで検索していたら、
下記のサイトを見つけた。
ホームズを調べ尽くし、追求しているサイトだなと感じた。

第11章ホームズ物語に現れる衣装等の生地と登場人物の服装
http://shworld.fan.coocan.jp/18_a/11/main.html

シャーロッキアンの果てしなき冒険
http://shworld.fan.coocan.jp/18_a/endless_main.html

シャーロック・ホームズの世界」サイト
http://shworld.fan.coocan.jp/

21世紀の今でも読書感想文などでは夏目漱石(1867年生)の
こころ(1914年大正3年)や坊っちゃん(1906年明治39年)が
挙げられることが多い。
読書感想文を書くような、21世紀の十代の若者が
幕末生まれの作家が明治や大正を舞台にして書いた小説を読んで、
それらの時代の生活のイメージがわくのかといつも思っている。
髪型も服装も意識も考えも概念もすべて今とはまったく違うのに。
当時の大多数の女は和服であり、下着は腰巻でブラジャーとか
パンツの概念すらない。

明治時代の髪型2
前髪の変化、廂髪の登場と二百三高地
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/history/027.html

着物と洋服、伝統的な日本髪と新しい束髪
明治は二つのスタイルが共存した時代
https://www.edononihongami.com/blank-14

(四)「下着」の概説
https://kameyamarekihaku.jp/sisi/MinzokuHP/jirei/bunrui1/data1-4/index1_4T.htm

以前本ブログで2009年08月05日に懐かしい海外TVドラマ
シャーロック・ホームズの冒険』という記事を書いたことがある。

私がこのUKの架空の探偵の物語を知り、読んだのは1970年代の
小学生から中学生の時期であった。
このパシフィカから出た、名探偵読本 シャーロック・ホームズ
中学生の時に買ったもので、裏表紙に掲載の阿部知二
シャーロック・ホームズ全集全7巻(かもよしひさ挿絵)
パシフィカ刊行が掲載されている。
このシャーロック・ホームズ全集全7巻も中学生時に買い、
今でも架蔵している。

昭和時代にNHKで放映されていたホームズのドラマは
大変良い出来で評価も高い。

シャーロック・ホームスの冒険 OP
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/CbQbsMpzEis?si=Jhd6zDUcMeyTXFwA

現実にも探偵というか、興信所はあるが、主な調査は浮気調査で
現実には探偵が犯罪捜査なんてしない。
このパシフィカは1970年代後半から1980年代初頭に存在していた
出版社で他にはジュール・ヴェルヌの小説の翻訳本を出していた。
私が当時買ったのは気球旅行の五週間。
パシフィカが出版していたのはマニアックなもの、通好みだったと
記憶している。

マニアックだと言えば、当時涙香全集を出版していた、宝出版。
(数冊だけしか刊行せず中断)
あとは黒岩涙香ものを少し刊行していた、旺文社文庫
この昭和の1970年代はマニアックな出版社が比較的多かったと思う。
ソノラマ文庫とかサンリオSF文庫とか。

この昭和当時は今とは違い、携帯電話もネットもない時代で
娯楽と言えば、TVや映画、レコードやカセットテープで音楽を録音し、
聞いたり、または読書だった時代。
昔も全部の人が読書をするわけではないにしても、趣味や娯楽と言えば、
読書をするのは一般的であった。
(ボードゲームのオセロや人生ゲーム、将棋、囲碁などもあったけれど)
読書が趣味や娯楽の王道なのだから本屋は今とは違い、
日本全国至る所にあった。

涙香全集 宝出版で検索したら下記のサイト記事を見つけた。
とてもよく調べて書いてある。

涙香の著作
https://lsxravine.xsrv.jp/ruiko/ruikohon.html

黒岩涙香 作品
http://iwawi.a.la9.jp/dozou/kansou2/kuroruik.htm

黒岩涙香 著書
http://iwawi.a.la9.jp/dozou/kansou2/kuroruik2.htm

黒岩涙香の作品や著書について書かれている、サイトの夢現半球
には他にも旺文社文庫リストや現代教養文庫リストや
講談社文庫AX目録などの私には懐かしい本ばかりが掲載されている。

夢現半球
http://iwawi.a.la9.jp/index.htm

今の時代は涙香は数作は青空文庫で読むことが出来る。

無惨 黒岩涙香
https://www.aozora.gr.jp/cards/000179/files/1415_21458.html

幽霊塔 黒岩涙香
https://www.aozora.gr.jp/cards/000179/files/943_20712.html

下記の明治大正埋蔵本読渉記のサイトでは
涙香の他にも明治期の探偵物の多数紹介されています。

明治大正埋蔵本読渉記
明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館
デジタル・コレクションで読み漁っています。
https://ensourdine.hatenablog.jp/

とても貴重で素晴らしいサイト。
下記はそのいくつかの例。

『幽霊塔:奇中奇談』 黒岩涙香
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2022/09/14/222743

『無惨』 黒岩涙香
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2022/06/27/135713

『指環』 黒岩涙香
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2023/07/01/112551

『死美人』 黒岩涙香
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2022/06/21/232155

『白髪鬼:情仇新伝』 黒岩涙香
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2023/03/09/194012

『二人探偵吃驚箱』 多田省軒
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2022/04/21/204254

『殺害事件』 丸亭素人・訳
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2022/10/10/231039

『活人形:探偵小説』 泉鏡花(白水郎)
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2022/03/01/105926

以前、涙香などを検索してて知ったことだが、
宮崎駿江戸川乱歩の幽霊塔を少年時代に読んでいて
ジブリ美術館で過去にその幽霊塔の企画展示をしていた事を
知り驚いた記憶がある。
カリオストロの城とかじゃなく幽霊塔をアニメ化すればよかったのに。
宮崎駿が描く、幽霊塔の表紙絵の野末秋子はイメージにぴったり。

三鷹の森ジブリ美術館企画展示
幽霊塔へようこそ展 -通俗文化の王道-
https://www.ghibli-museum.jp/exhibition/009744/

三鷹の森ジブリ美術館で『幽霊塔へようこそ展
 -通俗文化の王道-』開催中です。
https://animation-nerima.jp/topics/topic-news/2276/

幽霊塔
https://www.iwanami.co.jp/book/b263825.html

『幽霊塔』レビュー
https://note.com/rasen/n/nf572c80ffa5b

前にも同様の事は書いたことがあるが、探偵小説、推理小説、ミステリー
などは20歳の頃から全く読まなくなった。最後に読んだのは土屋隆夫とか
だったと思う。あるいは東京創元社の文庫の日本探偵小説全集など。
ただ上記の黒岩涙香の著作や戦前の探偵物は古書で買い、
20歳を超えても若い時には読んでいた。

事実は小説よりも奇なりという言葉があるように、
現実で起きた出来事、事件のが架空の物語よりも何倍も複雑怪奇で
理不尽で意味不明で恐怖を感じるものだ。
小説であれ映画であれ、結局はその架空の世界で(箱庭みたいに)
その土俵で起きているだけに過ぎない。

読書「自白―真実への尋問テクニック(ぎょうせい)」

自白―真実への尋問テクニック
フレッド・E・インボー、ジョン・E・リード、
ジョセフ・P・バックリー著
小中信幸・渡部保夫訳
平成3年6月20日4版発行
株式会社ぎょうせい

尋問とはうそを解体することである。
うそとは“自己の利益のために、真実を曲げ、
または否定するために選択された行動”である。
本書は、真実の行方を探る技術を解明した書である。

目次
第1章 尋問前の準備
第2章 無実者を保護するため初期に払うべき諸注意
第3章 非公開と尋問室
第4章 尋問者の資格、態度、振る舞い方
第5章 有罪が疑わしくまたは不確実と思われる被疑者の尋問
の方法とテクニック
第6章 有罪が決定的または合理的に確実と思われる被疑者の
尋問の方法とテクニック―効果をあげるための九段階法
第7章 尋問者に対する一般的な提言
追補 被疑者の尋問の心理学的解明(ブライアン・C・ジェイン)
(本書紹介文より抜粋)

1996年5月に東京神保町の三省堂で買った本。
20世紀末頃は法医学や被害者学なども含め、いろんな犯罪や
事件の本をよく読んでいた時期。(架空のフィクションではなく)
そもそもは(今までブログに書いてきた)小学生の時に読んだ乱歩や
ホームズなどの探偵物やまたは中学生の時に読んだ涙香物などが
事の発端である。

このような刑事訴訟法に関した、翻訳書では本書は評価が高い。
本書で取り上げている、この一連の尋問術、リード・テクニックは
元警察官でポリグラフの専門家でもあった、ジョン・E・リードにより、
体系化された尋問術であるが、虚偽の自白を得ることがあると
批判される面がある。
犯罪捜査で被疑者への尋問により自白を強要される場合、
事件の加害者ではないが、捜査官があまりにも
執拗でかつ長時間にわたり、精神的、身体的な圧迫をかけていると
被疑者が疲労困憊してしまい、事実ではない、虚偽の自白をし、
そこから冤罪を引き起こす側面があるという事実を忘れてはならない。
冤罪を引き起こす場合、まず前提条件から加害者ではない、被疑者を
捜査機関が拘束した時点でその犯罪捜査は根底から間違ってると
言わざるを得ない。