しぶとく続いています28日の薔薇。
今年で14年目になりました。
父が手を振っていた。
振り向くと、体育館の二階へのぼる梯子に後手につかまって、満面の笑みで私に手を振っている。
いつも着ていた「のらしごと用」の作業着ではなく、なぜかノーカラーのシャツにスーツというチョイワル親父風の着こなし(笑)
こころなしかホッソリみえて、若い頃の父の姿のようだった。
周りにいた知り合いが、驚いたり、目にみるみる涙をためたりして一斉に駆け寄り、口々に「元気やった?」
「今までどこへ行っとったん?」などと両手で父の手を握りしめて再会を喜び合っている。
私はただ 息を呑んで立ちすくんでいる…
嬉しくて嬉しくて、「お父さん!」と声をかけよう…というところで目覚めた。
母の夢にはしょっちゅう現れるというのに、葬儀以来、私の夢には一度も現れてくれなかった。
でも
父が笑っていてよかった。
幸せそうでよかった。
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父が倒れ、逝ってしまってから、花を飾るということをしなくなった親方。
毎月、毎月、こうして持ち帰られる28日の薔薇も、とりあえずグラスに挿しておく…という程度のことで、以前のように写真を撮って残しておくことさえしていなかった。
心が萎れていたんだと思う。
キョウハ チチニアエテ ヨカッタ。
オトウサンノコドモデ ヨカッタ。