90歳の毎日覚書

90歳の毎日覚書

孫に教わりながら日々挑戦、健康などに役立つ話を覚え書きしていきたいです

「息切れ」「むくみ」「だるさ」は3大前兆… 特に高血圧・糖尿病の人は放置せず病院へ

1週間程前から「息切れ・むくみ・だるさ」

ーー心不全とはどういった状態?
心臓は5つの構成成分からできています。心臓を養っている血管、収縮する筋肉、規則正しく動くための信号を伝えるシステム、開いたり閉じたりする心臓弁、心臓を取り巻いている幕の5つです。この中のどれかがおかしくなると、心臓の機能に障害を与え、「息切れ」「むくみ」「だるさ」という3つの代表的な症状が出ます。これが急に起こることを「急性心不全」と言います。

ーーどういう人が発症しやすい?
基本的には高血圧や糖尿病など生活習慣病を患っている人は心不全の始まりと考えていいです。一般の方のイメージとしては、心不全だと動けないとか、命に直結してしまうと考えがちですが、実は徐々に進行していて、我々はこれを「隠れ心不全」と言っています。それが進行して息切れやむくみ、だるさの症状が出た時に「心不全」と診断されます。

 


生活習慣病や基礎疾患は特に注意

気温の変化は血管や血圧に影響を与えるため、特に生活習慣病や基礎疾患を持っている人は急な寒暖差には注意が必要だと佐藤医師は話す。

 

ーー高齢者は特に注意が必要?
年齢によって原因は異なりますが、いかなる年齢でも起こる可能性はあります。高血圧や糖尿病、腎臓の病気など生活習慣病のリスクが高いので高齢の人の方が多いですが、若い人でも起こります。若い人の場合は心臓の筋肉の病気や遺伝的に問題があって、30代、40代で苦しくなるケースがあります。

 

ーー急な気温の変化なども影響する?
暑い日に水分が十分に摂れなくて脱水傾向になると腎臓にダメージを与えます。腎臓と心臓はとても関連性があり、腎臓が悪くなると心臓にも負担がかかるため、急に息切れが出たり、むくみが出たりします。

また、寒くなれば血圧が高くなり、心臓により負担がかかりやすくなります。気温の変化は血管や血圧に影響を与え、特に生活習慣病や基礎疾患を持っている人は注意が必要です。

 

 

不調を感じたら放置せず医療機関

心不全の兆候を見逃さないためには、息切れやむくみなどの症状を放置せず、医療機関で早期に検査を受けることが大切だと佐藤医師は話す。

 

ーーリスクとなる生活習慣病は食事に気を遣っていてもなる?
生活習慣病の予防は、食事だけではなく適度な運動も大事です。急に体重が増えたり、同じような健康食品を食べていても、体質的にコレステロールが上がりやすい人や、遺伝的に糖尿病の家系などもあるので、食事だけですべてをコントロールできるわけではありません。

 

ーー心不全を見逃さないためには?
急性心不全を患った人の多くは、実は1週間~10日前から息切れやむくみなどがあり、心不全が始まっています。近所のスーパーに行くのに今までは苦しくなかったのにちょっと休みたくなる、などといった体調の変化があった時は心臓を疑ってください。心不全で入院される人は皆さん「心臓とは思わなかった」と言います。

 

 

息切れやむくみの症状がある時は「心臓かな?」と疑って、医療機関で心臓の機能を調べる簡単な検査を受けてもらえれば、良い薬もいろいろとあるので早くに回復できます。

 

とにかく大切なことは早くに気付くことと、生活習慣病がある人は血圧が高くても苦しくないからと放置するのではなく、ちゃんと治療して将来的に心不全になることを防ぐことが大切です。

老化細胞を取り除く「ワクチン」「薬」は競争が激化している

細胞は老化すると分裂を止めて老化細胞となり、動かなくなる。これは細胞分裂を繰り返すうちに損傷DNAの転写エラーが起きていびつな細胞が誕生し、それが体内で増殖し続けるのを防ぐ、がん抑制システムだと考えられている。

 


 しかし、その一方で老化細胞が体内に居座り続け、それが蓄積していくと厄介な問題が起こる。蓄積した老化細胞からがん促進作用や炎症作用のある物質がまき散らされ、慢性的な組織損傷を引き起こし、がん、肝臓や肺の線維化、動脈硬化、糖尿病などに関係する炎症環境を生み出す。それが結果的に老化やがんにつながる。

 

 ならば、体内に蓄積した老化細胞を取り除くことができれば、これらの疾患と共に老化を防ぐことができるかもしれない。そう考えるのは当然だ。

 だからといって、全身に散らばっている老化細胞を、メスで切り取ることはできない。そこで考え出されたのが、免疫を使った老化細胞除去法だ。

 

老化細胞除去で注目されたのが、獲得免疫です。老化細胞の表面に出ている目印だけを攻撃するキラーT細胞に似た細胞を作って体内に注入。増殖させれば、体内の老化細胞を選択的に攻撃し、除去できるのではないか、という発想です

 

 実は、この発想による医療技術は既に実用化されている。CAR-T細胞療法と呼ばれるもので、患者の血液から作ったCAR-T細胞と呼ばれる細胞を用いたがん治療法だ。主に白血病治療で成果を上げている。

 

順天堂大と東大で注目研究

 これを応用した老化細胞除去の研究が世界中で行われ、日本でも研究が進んでいる。

 2021年には順天堂大学の研究グループが蓄積した老化細胞に対する抗体を作り、これを除去するワクチン開発成功を発表。ターゲットは、老化した血管内皮細胞の表面にあるGPNMBと呼ばれる老化抗原(目印)。開発されたワクチンを投与すると血管や臓器にたまった老化細胞に対する抗原が作られ、白血球などの免疫細胞が異物と認識して攻撃して体外に排出するという仕組みだ。

 

 同研究グループによると、このGPNMBワクチンを高脂肪食で飼育したマウスに投与したところ、食後血糖値が低下したほか、肥満による糖代謝異常も改善、血管内のプラークも軽減した。また、早老症マウスに注射したところ、最大30週の寿命が40週まで延長したマウスもいたという。

 

 さらに、人間なら70歳代の高齢マウスにこのワクチンを投与したところ、運動量や歩行速度が50歳代のマウス並みに改善し、フレイル(加齢や疾患により心身が老い衰えた状態)の進行が抑制されたという。

 一方、老化細胞内で細胞死のプログラムを誘導する、セノリティックスと呼ばれる老化除去薬の開発も進んでいる。

 

 

 

こういった医学の進歩の記事を目にするたびに娘や孫たちの世代の方々がより健康的に過ごせる未来が来るのだろうな、と嬉しく思います

いつの日かがんや老化そのものを克服する時代が実現するのかもしれませんね

 

 

日本人の死因第1位「がん」!効果が高く、体への負担も少ない最新治療法

日本人の2人に1人がかかり、4人に1人が亡くなるという、がん。死因1位のこの難敵に立ち向かう新治療法として今、大いに期待されているのが「光免疫療法」です。

 

光の力と免疫の仕組みを利用して、がん細胞だけを攻撃し、正常細胞にはダメージを及ぼさない、体にやさしい治療法。

米国国立衛生研究所・国立がん研究所(NIH・NCI)主任研究員で医師の小林久隆さんが開発しました。

 

「安全で効果の高いがんの治療法を創りたいと、日本での研究も含め30年ほど取り組んできました。光免疫療法は2020年9月から世界に先駆けて日本で治療がスタート。

現在は再発の頭頸部がんのみが対象ですが、今後はいろいろながんでも受けられるようになるはずです」と語ります。

 

光免疫療法は、手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法に続く、がんの第5の標準治療(健康保険適応)と位置付けられています。

正式名称は「アルミノックス治療」。光に反応する薬を投与し、近赤外線を照射してがんだけを破壊する。正常細胞には害を与えないので、副作用は比較的軽微。

 

 

「光免疫治療法」4つのポイント

■メリット
正常細胞にはダメージを与えず、狙ったがん細胞だけを壊すことができる。治療効果と安全性が高い。がんに対する免疫の活性化も。

■デメリット
現在は再発頭頸部がん(鼻や口腔、咽頭などのがん)の患者しか受けられない。むくみや痛み、皮膚症状などの副作用が出ることがある。

■費用
健康保険が利く。1回の治療にかかる費用は600万円程度。高額療養費制度を使うと、患者負担の目安は10万~20万円程度。

■治療を受けるには
治療の適応になるかどうか、まずは主治医に相談を。現在、全国150以上の医療機関で実施。

 

 

 

何度かとりあげた覚えのある内容ですが、まだまだ伸びしろがある治療法とのこと

気付けばがんという病が不治の病という印象も少しだけですが薄くなったように思います

私がその時に立ち会えることは難しいかもしれませんが、がんによって不幸になる方がいなくなる日が訪れるのを期待しております

旅行は健康にプラス効果、老化を遅らせる可能性

休暇をとったばかりなのに、すぐまた休みたくなったときは、旅行は健康に良く、忍び寄る老化を遅らせる効果が期待できるという

 

主執筆者の博士候補生ファングリ・フーは、レジャー旅行のアクティビティは「慢性的なストレスの緩和、過剰な免疫反応の抑制、防衛機制の正常な働きの促進に役立つ可能性がある」と結論付けている。

「レクリエーションに参加することで、筋肉や関節の張りや疲れが緩和されると期待できる。これにより身体の代謝バランスの維持や、関節などの摩耗を抑制する働きの効果が高まるため、臓器や組織は低エントロピー状態を保てる」のだという。

 

旅行にはハイキングや登山、ウォーキング、サイクリングなどの身体活動が伴うことが多いとフーは指摘。「運動は代謝やエネルギー消費、物質変換を促進し、これらすべてが自己組織化システムの調整に役立つ」と説明する。

 

また、旅行中の運動は「血液循環や栄養素の輸送を促進し、老廃物の排出を助けるため、活発な自己治癒システムを維持することができる」という。

 

ただし、ポジティブな旅行体験が健康を増進させる一方で、ネガティブな体験は健康を損なう恐れがあるともフーは警告している。

 

観光客は「感染症、事故、けが、暴力、水や食品の安全性、不適切な観光行動に伴う問題などに直面する可能性がある」と論文は指摘し、例として、旅行と観光が新型コロナウイルス感染症の拡大を助長したことを挙げた。

だが、この研究は「旅行療法(トラベルセラピー)は画期的な健康改善策となりうる」と示唆している。

 

「老化は不可逆的なプロセスだ」としつつ、フーは「止めることはできないが、遅らせることはできる。観光はレジャーやレクリエーションだけではない。人々の心身の健康にも貢献する」と述べている。

 

 

 

記事の中ではまだ可能性があるで留まっておられるようですが、私と亡くなった主人は近場が多かったですが旅行によく出かけておりました

特に主人の定年後は主人が体調を崩すようになるまで毎月どこかへ出かけていたように思います

記事の内容が正確かどうかはまだわかりませんが、少なくとも私がまだ比較的健康でいられるのは主人との旅行の積み重ねのおかげかもしれません

「貧血」多くが気づかず鉄欠乏症のまま生活している

貧血は、臨床医療の現場でよく遭遇する疾患の一つです。鉄欠乏は、世界に共通して最も一般的な貧血の原因となっています。

 

今では、スーパーマーケットやドラッグストアなので、鉄入りの商品やお菓子、鉄のサプリメントなどが多数揃えてあることに加えて、鉄欠乏性貧血や隠れ貧血に関する記事の配信や番組の放送のおかげで、貧血という言葉を聞いたことがある人の方が、多いのではないでしょうか。

 

 鉄欠乏性貧血とは、「体内で鉄が不足した結果、全身に酸素を運ぶヘモグロビンを生産できなくなり、体内の組織が酸欠になった状態」です。

体内の組織が酸欠状態になることで、頭痛やめまい、耳鳴りやふらつき、易疲労感や倦怠感などを引き起こすと言われています。

他に、酸素が欠乏することによる代償作用として、息切れや動機、頻脈といった症状が現れます。また、鉄を多く含む赤血球の量が減ることによって、顔色が悪い状態や、眼瞼結膜の蒼白などを引き起こすのです。

 

 しかしながら、鉄欠乏性貧血であっても、多くの人は無症状だと言われています。

外診療の現場でも「最近、とても疲れやすくて‥。貧血かもしれない」を主訴に受診される方がいらっしゃる一方で「健診を受けるたびに、貧血だと言われるけれど、症状が全くないから放置していました」とおっしゃる方も、意外と多いのが現状です。

 

 

たかが鉄欠乏、されど鉄欠乏。日々意識してコツコツと鉄を多く含む食品を摂取し、鉄欠乏がさらに深刻にならないようにすることがやはり大切なのだ

巨大台風が招く「気象病」…怖いのは風雨だけじゃない

台風が怖いのは風雨だけではない。台風接近に伴う気圧の急激な低下はさまざまな不調を招く。いわゆる「気象病」だ。

 

 

「気象病とは、気圧差、寒暖差、湿度によって引き起こされる不調のことですが、台風による気象病は気圧差が最も大きな要因です。頭痛、耳鳴り、めまい、倦怠感、消化器不調や古傷の痛み、スマホやパソコンなどを続けて普段から首凝りや肩凝りを自覚している人は症状がひどくなったりします。うつ症状などメンタル面にも影響します」

 

 人間の体で最も気圧の変化をとらえるのは耳の奥にある内耳。不順な天候や台風などで気圧の急変が内耳から脳に伝えられ、血圧や脈などを自動調整する自律神経が過剰に反応する。結果、本来のバランスが崩れて、不調を引き起こす。

 

「気象病は女性に多いと言われますが、それは生理でホルモンバランスが崩れやすく、自律神経が乱れやすいからです。実際、月経前症候群の女性は症状が重くなりがちといわれ、生理と気象病が重なるようだと注意が必要です」

 

 そもそも気圧とは空気の押す力のこと。普段は意識しないが、地上の人間は空気により普段15トンの力がかかっているとされる。気圧が1ヘクトパスカル低下すると海面が1センチ上昇するとされ、体内の60%が水分の人間の体にも気圧変化は大きな影響を及ぼす。

 

 通常の地上の気圧は1013ヘクトパスカル程度だが、台風の接近により12~24時間で通常の気圧から20~30ヘクトパスカル低下する場合も少なくない。

 

「高い空を飛ぶ飛行機内でお菓子の袋がパンパンに膨らむのを見ることがあるでしょう。それと同じで気圧が急激に下がると体は膨張します。気圧の低下が大きいということは膨らみがより大きくなるということです。このとき体液の分布も変わり、体がむくむ。血管の外側に体液が溜まり、血管内では血流障害が起きやすくなります」

 

 

■改善には漢方薬を飲んで体を動かす

 気象病は自律神経が乱れやすい人がかかりやすいため、本来は時間をかけて生活習慣や食事などを改善することが必要だ。しかし、すぐに気象病に備えたい人、短期で症状を改善したい人は、まずは耳の血流を改善するストレッチがおすすめだ。

 

「痛みの出ない範囲で、両側の耳たぶを横に引っ張って離したり、つかんだ耳たぶを前後に回したりすることで耳の血流を改善するのもひとつの方法です」

 

 むろん、全身の血流を改善するため意識して体を動かすこともプラス。手足のグーパーを繰り返したり、軽いストレッチをしたり、第二の心臓と言われるふくらはぎのマッサージも手だという。

 

「気象病の人はリラックスモードである副交感神経が優位になっていて、『動きたくない』という気持ちになっています。意識して動いて刺激することで交感神経を元の状態に戻すことはメンタル的にも良いと思います」

 なお、低気圧の気象病には、体内の水分バランスを整える、漢方薬の五苓散が頻用されている。

 

 

 

私は鈍感なのか天気の悪い日に体調を崩すなどあまり経験がないのですが、2人の娘はそれぞれ記事にあったような不調を訴えることがあります

こういった症状にはなかなか薬で対処というのも難しいようですが、上記の身体を動かすことで症状を改善できるのなら娘にもすすめてみようと思います

 

「肉」はあまり食べず「魚」と「野菜」はしっかり食べているのに、なぜ「日本人」の「大腸がん」は多いのか

日本人には、日本人のための病気予防法がある! 同じ人間でも外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果ということさえあるのです。

 

 

日本人の「弱点」は?

大腸がんの原因が単純でないのは、一つには大腸そのものが複雑だからです。先に書いたように、部位によってがんの発生率が違い、がんの発生原因が異なる可能性もあります。たとえば結腸がんと直腸がん。日本では、以前は直腸がんが多かったのが、次第に結腸がんが増えて、今では結腸がんのほうが発症率が2~3倍高くなっています。発生原因にも違いがあって、直腸がんは塩分の取り過ぎが関係することが知られています。このことから直腸がんは、結腸がんの性質と胃がんの性質の両方を持っていると指摘する専門家もいます。

 

さらに、大腸がんは発生する道筋も一つではありません

道筋は大きく分けて二つあり、ここでは簡単に、「ポリープありルート」と「ポリープなしルート」と呼ぶことにしましょう。

 

全体の8割を占めるポリープありルートで、がんの発生に先だって良性のポリープができ、これが次第にがん化します。下の図はポリープなしルート。これは正常な大腸の粘膜から直接がんが発生するものです。このどちらの道筋にも、さまざまな遺伝子の異常が関係しています。

 

ポリープありルートでは、まず1個のがん抑制遺伝子に変異が起きて、良性のポリープができます。次に、がん遺伝子が作用すると、ポリープの細胞が異常な増殖を開始し、さらに、もう1個のがん抑制遺伝子が正常に働かなくなると、がんが発生すると考えられています。ここまで早くて5年、たいていは10年から、ときには20年くらいかかります。

 

このとき遺伝子に目で見てわかる異常が起きていなくても、その遺伝子のオン、オフが変わる現象がありました。そう、エピジェネティクスですね。下のポリープなしルートを含めて、ほとんどの大腸がんにおいて、多数のがん遺伝子とがん抑制遺伝子にエピジェネティクス変化が起きていることが観察されています。

 

「悪いエピジェネティクス

 

005年までにおこなわれた5件の調査を総合的に分析したところ、男性も女性も、1日に飲む量が増えるにつれて大腸がんの発症率が上がり、男性は最大で3倍高くなることも明らかになりました。この傾向は、結腸がんでも直腸がんでも認められます。

 

さらに、この研究結果を欧米でおこなわれた調査と比較すると、飲酒による影響は、欧米人より日本人のほうが深刻なことが確認されました。日本人を含む東アジア人の約半数が、肝臓でのアルコールの分解にかかわる遺伝子に生まれつき変異があるからです。こういう人は、変異がない人とくらべて、アルコールを16分の1しか分解できないことがあります。欧米白人とアフリカ系には、この変異を持つ人はいません。

 

日本人のアルコール依存症患者の大腸を調べると、半数以上でポリープが見つかります。また依存症患者と健康な人では、便に含まれる細菌の種類や数が明らかに異なり、アルコール依存症でタバコも吸う人は、この傾向がさらに強まることがわかりました。大量の飲酒と、喫煙により、腸内環境が変化するようです。

 

研究者らは、この原因は飲酒や喫煙によって体内に発生する活性酸素ではないかと考えています。活性酸素動脈硬化のところで出てきました。強い酸化力でDNAの材料になる物質を破壊してしまうので、DNAを合成したり、キズついたDNAを修復したりできなくなって、がん化につながるのではないかと推測されています。

 

飲酒に喫煙が重なると大腸がんの発症率が上がるのは、アルコール依存症患者だけではありません。日本人男性が日本酒に換算して1日2合以上アルコールを飲み、タバコを吸うと、飲酒も喫煙もしない人とくらべて大腸がんの発症率が3倍になります。男性は、年齢で調整した大腸がんの発症率と死亡率が、ともに女性の2倍高いことが知られており、直腸がんに限ると男女差はさらに広がります。飲酒、喫煙する人の割合が高いからでしょう。

 

そのため専門家らは、日本人男性がはじめから飲酒も喫煙もしなければ、大腸がんの半数近くが予防できると試算しています。タバコの煙にはさまざまな発がん性物質が入っていて、煙に直接ふれることのない大腸の粘膜からも発がん性物質が検出されます。喫煙により、肺だけでなく、あらゆるがんの発症率が上がるのもうなずけます。

 

 

 

普段の食事はバランスをこころがけておりますが、私も昔から夕食に少し飲酒しておりますので今まで癌を患うことがなかったことを幸運に思います

飲酒や喫煙などが日本人の癌の要因となっているのは悲しいことですが、嗜好品としてのそれらを無理にひきはなすのは主人を思い起こすと難しいのだとも思いました。