ネコの模様ってどうやって決まるの!?遺伝の仕組みを分かりやすく解説した書籍「ネコもよう図鑑」
かわいい猫の写真を眺めて癒やされながら、遺伝の仕組みについても学べるサイエンス書籍「ネコもよう図鑑」が2019年8月8日(木)に刊行されます。
茶トラ、黒ぶち、三毛など、同じ親から生まれたネコでも毛色や模様は個体によって様々ですが、これらは毛色とその配置を作り出す遺伝子の組み合わせパターンによって決まることをご存知でしょうか。
ネコの模様にはいろいろな名称がありますが、本書では遺伝の仕組みに基づいて11パターン(キジ、白、黒、茶、黒ブチ、茶ブチ、キジブチ、黒二毛、キジ二毛、黒三毛、キジ三毛)に分類。
ネコの姿を見ただけでどんな遺伝子を持っているのかを写真やイラストを交えながら丁寧に解説しているのが特徴で、読み進めるうちに「二毛・三毛にはなぜメスしかいないのか」「同じ母親からいろいろな模様の子ネコが生まれるのはなぜか」といったネコの模様にまつわる疑問もすっきり解消することができます。
■第1部 <入門編>
ネコの色と模様が決まるしくみ
■第2部 <写真集編>
いろいろな色と模様のネコたち
■第3部 <基礎知識編>
ネコと遺伝をもっと知りたい
また、巻末には「親から子」「子から親」を推測する「遺伝子当てクイズ」も収録。ネコを飼っている人は愛猫で試して見るのはもちろん、街中で猫を見かけた際には、その親子の模様に思いを巡らせてみるのも面白そう。
ネコ好きな人はもちろん、生物の仕組みに関心のある人も楽しめる動物図鑑で、刊行したのは化学専門書や自然科学関連書などの出版を手がける化学同人社。
2014年にアサガオの突然変異体で不思議な形の花や葉を持つ「変化朝顔」の図鑑を出版したところ、奇抜で多様な姿形を楽しめるだけでなく遺伝の仕組みも学べるサイエンス要素を持った図鑑として好評を博し、それに続く別のテーマを考案。
その一方で、近年はネコの模様が決まる遺伝の仕組みが解明されてきていることから本書の企画に至ったのだとか。
著者は高校生物の教員時代、長年にわたってネコの模様を題材に遺伝の授業を行っていたという浅羽 宏氏。
同窓会などで授業を受けた学生たちに会うとネコの授業のことが印象に残っていると言われるそうですが、本書を読めば授業で学んだかのように遺伝法則への理解が深まり、ネコの姿もいつもとは違って見えてくるはず。
これまでは街でネコを見かけるたびに「かわいい」「愛おしい」と感じていた人も、ついつい「黒二毛」「キジブチ」などと分類してしまうようになる、そんなネコについての新しい見方を与えてくれる一冊となっています。
(C) KAGAKUDOJIN