新社会人になると、学生時代までとは生活習慣が大きく変わります。
仕事もプライベートも学生時代までとは異なる意識で取り組むことが重要です。
資産運用について聞くと、
「すでにしていますよ」や「投資をする余裕がありません」や「貯金をしているのですが投資をする必要がありますか」などなど人によって反応は様々だと思います。
ご自身の将来について想像してみてください。
新社会人である皆様のこれからの人生には結婚、子供の誕生、マイホーム購入、子供の教育費、ご自身の老後の生活など様々なライフイベントがあります。
お金との付き合い方を学びお金と上手に付き合えるようになることで、今後訪れるライフイベントやお金についての不安を減らすことができます。
これからの明るい未来のために切っても切り離せないのが資産運用・投資になってきます。
まずは資産運用について小さなことからコツコツと1つずつ始めていき着実な資産形成で幸せな人生を実現させましょう。
この記事を書いたライター
みあんFP
25歳FPです。|年金|保険|節税|資産運用|NISA|つみたてNISA|iDeCo|ふるさと納税|固定費削減|について主に情報発信中!「行動しないのは死んでるのと同じ」をモットーにとにかく行動!
新卒1年目におすすめの金融商品
新卒1年目からでも少額投資できるおすすめの金融商品をまとめました。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から資金を集めて専門家が一括して国内外の株式や債券に投資する金融商品です。
運用を担うのはプロなので、株や債券の選定に自信のない投資初心者でも挑戦しやすい商品です。
金融機関によって異なりますが、1000円からの少額投資が可能で、投資先の価格が上がればそれを売却して利益を得ることができます。
また、投資額に応じて配当を受け取れるファンドもあります。
投資信託は投資経験が少ない人にも向いており、NISAの対象となるファンドもあるので税金を抑えて利益を最大化することも出来るので新卒1年目の方におすすめです。
外貨預金
外貨預金は日本円を外貨通貨に変えて預ける金融商品で、日本より金利の高い通貨を預金する事によって利息収入を得ることができます。
預けた外貨通貨が変えた時のレートより高いレートになったタイミングで円に戻すと利益を得ることができますが、逆パターンが起きると損失になってしまうので注意しましょう。
ただ、証拠金取引”FX”と違いレバレッジをかけずに投資する事ができるので、大損失リスクは回避できます。
株式投資
株式投資は会社の株式を購入して、購入した時よりも価格が上がったタイミングで売却すると利益を得る事ができます。
また配当金のある株を購入すると、定期的に配当金が入って利益になります。
株式投資は元々100株単位で購入する必要がありましたが、近年1株単位で変えるミニ株を提供している証券会社が出てきた為、100円単位で少額投資することが可能になりました。
資産運用を始める前に
新社会人になって仕事の都合で一人暮らしを始める人も少なくないかと思います。
初めての土地で初めての一人暮らし・・・何にいくらお金がかかるのか?が最初は分からない状態かもしれません。
新社会人が最初にするべきことは、自分の収入と支出を把握することです。
資産運用にお金を回しすぎて日常生活を送るお金が足りなくなり借金をしてしまったら本末転倒です。
収入と支出の把握
新社会人1年目は給料を何に使うかの配分ができなくて当たり前です。
学生時代とは生活のパターンが劇的に変化する人も多く、一人暮らしを始める人でしたら
今まではおそらく自分で支払うことのなかった水道光熱費などの固定費の支払いも発生します。
また慣れない自炊に加えこれからは外食が増え、飲み代も増えてくるかもしれません。
最初は支出をうまくコントロールできなくても仕方がありません。
ただし、使ったお金はノートでもメモでもスマホのアプリでも構わないので、きちんと記録に残しておきましょう。
1ヶ月たって簡単な項目ごとに集計することで、おおよその目安は把握できます。
目安がわかれば、翌月はある程度の予算を決めて使うことができるようになります。
最初の半年~1年は生活の変化によって、項目ごとの変動が大きいものです。
生活が落ち着いたら、無駄使いはしていないか、減らせる項目はないか支出のチェックをしていけば大丈夫です。
1年目で最も大事なのは自分の収支を把握しもらった収入の中で、きちんと生活することです。
社会人になったら投資をするぞ!と考えている人もいるかもしれませんが、最初の1年くらいは新しい生活に慣れることを意識しつつ自分の収支の把握と貯金に努めましょう。
貯蓄額のチェック
ここでの貯蓄とは買い物や趣味に使うための貯金などではなく生活防衛費の事を指します。
聞きなれない言葉かもしれませんが生活防衛費とは、何らかのハプニングが起きた時に生活を守れる(維持する)ための貯蓄です。
いくらあればいいのかというと、生活費の3か月分が最低の目安となっています。
社会人2年目になると住民税がかかってきて1年目より収入が減る恐れがあります。
新社会人の皆様は余裕のある1年目のうちに生活防衛費を計画的に貯めておきましょう。
ひとまずは50万円の貯蓄を目指しましょう。
この資金は万が一の時の緊急資金です。
病気、ケガ、冠婚葬祭などの突発的な支出に備え、これくらいの金額は最低限必要となります。
50万円と聞いて少ないと思われた方もいるかと思いますが、自分だけの力でもし本当にどうしようもならない場合は実家や親を頼るというセーフティネットをあてにしているという側面もあります。
生活防衛費が無事に貯まったら次は投資にいくらのお金を回せるのかを考えていきましょう。
余剰資金の把握
資産運用・投資は余剰(余裕)資金で行うべき。
ということを一度は聞いたことがあるかと思います。
資産運用・投資に使ってもよい余剰資金とは、自分が持っている現金などの資産から以下の3つを除いたお金です。
- 当面の生活のためのお金
- 近いうちに使う予定のあるお金
- 急な支払いに備えるためのお金
余剰資金以外のお金で資産運用・投資を行うと普段の生活や月々の支払いに困ってしまい日常生活に支障をきたすなどの問題が生じてきます。
なくなっても大丈夫なお金で資産運用をするべきという事がよく言われますが、
実際にはなくなっていいお金なんて大半の人は持っていません。もちろん私もそんなお金は持っていません。
当たり前の事ですが無くならないなら無くならないに越したことはないのです。
お金が無くなってもいいほどお金があるお金持ちの人は世の中にもごくわずかしかいません。
そのため、厳密にいうと余剰資金は「無くなってもいいお金」ではありません。
資産運用・投資に使う余剰資金とは「無くなってもいいお金」ではなく、なくなって欲しくないけど「なくなっても生活に困らないお金」、「無くなったとしても何とか生活をやり過ごせるだけのお金」ということになります。
このお金を使ったら今月の家賃が払えなくなる・・・なんてお金を資産運用に回すのはもってのほかです。
自分の収入と支出を把握し、生活防衛費を貯めていく。
その上で余裕ができたらお金を資産運用に回すようにしていきましょう。
資産運用の必要性
「貯蓄から投資へ」という言葉を耳にすることや、目にする機会が増えた人もいるかと思いますが、経験したことがない人にとっては遠い事のように思えるのが「資産運用・投資」です。
しかし老後2000万円問題などのニュースを見たりして年金への不安、自分の老後に不安を抱え日々の様々なニュースから資産運用に必要性を感じたことがある人も少ないかと思います。
今と昔を比較しどうして貯蓄から投資へと言われるようになったのかを解説していきたいと思います。
貯金でお金が増えた時代
かつては銀行預金も金利が高く預けているだけで増えていくような時があり、
今から40年ほど前の1980年には定期預金の利率が年利8%の時代がありました。
これは9年間預けておくと9年後には預けたお金が倍になっているほどの利率です。
では「マイナス金利」と言われている現代はどうかというと定期預金の金利は0.01%前後で金利が良いと言われている金融機関でも0.2%ほどです。
0.01%というのは仮に100万円を預けたとしても1年間で100円しか増えないという事です。
皆さんも子供の頃に親から「もらったお年玉は貯金しなさい。」と言われた経験があるかと思います。
勿論無駄使いをしないために貯金をしておくことは大切です。
ただ、お金を増やすための手段として貯金をしているのならマイナス金利の現代ではお金を増やすことは難しくなっています。
自分の将来は自分で考えよう
将来について漠然とした不安はありませんか?
事実データとしても老後の生活に不安を抱えている人の割合は、じわじわと増えてきています。
日本の年金制度は基本的に、今の現役世代から集めたお金を今の年金世代に渡す仕組みになっています。
ところが日本では「少子高齢化」が急速に進んでいるので、現役世代が減り年金生活者を支えることが難しくなっています。
老後の生活費を年金だけに頼るのは難しそうです。
20~64歳人口の65歳以上人口に対する比率を見てみると
2010年は2.6人に1人を支える割合だったのに対し
2035年には1.6人に1人を、2060年には1.2人で1人を支えるという予想がされておりますます現役世代の負担は大きくなるばかりか、年金をもらえないのではないかという不安は膨らむばかりです。
これまで見てきたように、現代は低金利の時代で貯金だけではお金が増えず、
年金にも頼れそうにないそんな時代に私達は生きているようです。
そんな時代でも、人生を歩んでいけば、冒頭で挙げたように結婚、子供の誕生、住宅の購入、子供の教育費、老後・・・といったお金のかかるイベントが待ち受けています。
具体的にこれらのイベントにはどのくらいのお金がかかるのかというと、
例えば、婚約・結納から新婚旅行までにかかる「結婚費用」の平均は500万円、
幼稚園~大学まで「子ども1人にかかる学習費」は、全て国公立に通った場合で1000万円程度、全て私立に通った場合で2300万円程度です。
また「夫婦2人がゆとりあるセカンドライフを送るために必要な生活費」の平均は月額約38万円といった調査結果があります。
出所:文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」
出所:生命保険文化センター 平成28年度「生活保障に関する調査」
資産運用の3つのポイント
ここまでの話を聞いて「資産運用を始めたい!でも不安が・・・」と思った人も多いかと思います。
今まで貯金しかしてこなかった人が初めて金融商品を購入し資産運用を始めるとなった時に不安に思うのは当然の事と言えます。
もちろん資産運用にはリスクが付きもので必ず上手くいく、お金が絶対に増えるという保証はありませんが、ただその確率を高めるための3つのポイントがあります。
それは「長期投資」「積立投資」「分散投資」です。
この3つのポイントを押さえることで投資のリスクを軽減することができます。
長期投資
投資をする時は数年単位で考えるのではなく10年単位で考えていきましょう。
投資には景気の影響を受けやすいという弱点がありどんなに有望な商品でも、政治や国際情勢などにより一時的に大きく値下がりすることはあります。
ここ数年でも、2008年のリーマンショック、2010年の欧州危機などで相場が大きく下がりました。
2008年のリーマンショックでは50%くらい下落しましたが、2018年ではその時の水準以上に回復しています。
リーマンショックや欧州危機の時の下落に反応して資産を売ってしまった人は大きく損していると思いますが、保有し続けた人は相場の回復とともに持ち直していることかと思います。
このように急な下落に動揺せず、しっかりと長期にわたって保有し続けることが大切です。
長期投資による運用成績の安定はデータにも表れていて金融庁が作成したグラフを見てみると、保有期間が5年の場合は元本割れが一定数いましたが、保有期間が20年になった場合には元本割れはいないというデータが出ています。
これらは過去のデータを元に作られたものなのでこの先も長期間運用したら必ず元本割れしないとは言えませんが、長期で運用すればするほど元本割れする可能性が低くなる傾向があります。
新社会人の皆様は若い時から時間を味方につけ長期に渡り投資をしていくようにしましょう。
積立投資
積立投資とは毎月決められた金額を積み立てていく投資のことで、一定金額を定期的に積み立てる方法を「ドルコスト平均法」といいます。
ポイントは「積立金額を一定に保つ」ことです。
積立金額が変わらないので、金融商品の価格が高くなれば購入量は減少しますが、金融商品の価格が安くなれば購入量は増加します。
このようにドルコスト平均法を用いることで購入するタイミングを気にすることなく投資を行うことができます。
また積立投資では少額でも行うことができ会社によって最低金額は変わってきますが、一番安い所では100円から積立が可能であり身近なものとなっています。
分散投資
投資には「卵はひとつのかごに盛るな」という格言があります。
卵を1つのかごに入れていて落としたら全て割れてしまいますが、複数のかごにいれていたら全ての卵が割れることはありません。
これはひとつの金融商品だけに投資をする危険性を示した言葉です。投資にはリターンがある以上、リスクもあります。
そのリスクを回避する方法のひとつが、異なる値動きをする金融商品を組み合わせる「分散投資」です。
例えば、一般的に株価が上がれば債券価格は下がる傾向にあります。このように投資の対象を複数にすることで価格変動のリスクを抑えることができます。
終わりに
新社会人の皆様はまずは慣れない仕事に慣れ、毎日健康でしっかり働いていくことが重要になってきます。
GW明けに来なくなった人やメンタルをやられて出勤できなくなった人が私の周りにもいたのでまずは楽しく社会人生活を過ごしていただきたく思います。
ここまで資産運用についてお話してきましたが資産運用は必ずとも必須ではありません。
資産運用をしなくても自分にどんどん投資し能力をあげ年収を上げて稼ぐのもありですし、
家族との幸せな時間のため、友人と楽しい時を過ごすため、趣味に没頭するためにお金を使うのもありかと思います。
それにお金がなかったらなかったでそれ相応の生活をするだけです。
ただ資産運用を早くから始めておくことで後々の選択肢が増えてきます。
10年、20年後や定年を迎えた時に社会人になった時にしっかりと勉強して始めておけばよかったなんてことがないようにしておきましょう。